第112話ダンジョンマスター

せっせと作業は進んだ。次々と働きアリが生まれるので時間が経つに連れて戦力が増えるが、食費がかさむ。アリ達は雑食で何でも食べるため、ゴブ達に詰め寄られ建てたイナゴ牧場が効果を発揮している。あっちも繁殖力が高いからなぁ。


人海戦術ならぬ蟻海戦術にものをいわせているため。いやー、困った、困っちゃったな

暇で暇で。


てかアリ達が優秀過ぎる。

自分の体重の何倍もの荷物を軽々と持ち上げることが出来るし、アドリブに弱く単純行動しか出来ない所もあるが、母兼上司のクイーンアントに従順で、列を乱さずに大きな事故も無くトンネルは大幅な時間短縮で完成した。


久々に見た湖。運び込んだ木材でゴブ達の家を作るため其処らかしこで土台を作っている

簡単な家なので直ぐに住みかは作れるだろう

さぁ魚介が食べられるぞー!!


とは簡単にはいかない…。

まずはゴブ達は泳げない。

川くらいの深さなら足が着く程なので大丈夫だろうけど湖は結構深い。浅瀬の小魚を狙うのもいいがゴブ達には食い足りたい筈だ。

明日から泳ぐ練習と銛を突く練習だ。

まぁすぐ覚えるに違いない、優秀だからではなく、食い意地が張っているからだが…。

その内にゴブリンフィッシャーマン等のラクンアップがあるかもしれない楽しみだ。


そして最大の問題がある。

トンネルが出来る前祝いにドラゴンファミリーを招待したら、ドラゴンパパの方から


「へー魚料理も旨そうだな。あそこの湖には海竜も住んでるから沖の方に魔力目当てのデカイ魚もいるから久しぶりに食いたいな」


などとポロっと重要な情報がもたらされた

流して聞いていたらとんでもない所であった


よくよく話を聞くと人畜無害な心優しい海竜であると。


ある時、寝返りをうったら湖周辺の村々が突然の大洪水により壊滅し、それを知った海竜はずっと海底の奥底でうずくまるようにじっとしているのだと。


お前たち竜にとって人畜無害の意味とはなんだと言ってやりたかったが、怖いので止めた


普通の竜はそんな事、一々気にしないのだろう。アリを踏み潰す人間の如し!

まぁこの世界のアリは二メートルを超えるアリも結構居るので意味は通らないがな。



そう言うことで、海竜先輩に挨拶をしに行きたいと思います。オークキさん護衛の程よろしくお願いします。

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