とりあえず、<波気使い>になってみたんですけどっ!?
「エニシさん……綺麗だったなあ」
天然の美貌にくわえて、この
とはいっても、
足が長いからスタイルが良いとか、目鼻立ちが整ってるから美人という常識がないのだ。
だから、
そこらは全て、日頃の行い次第なのだ。
「………………エニシさん」
しかし俺の影響なのか、エニシを義母ではなく憧れの異性と強く意識するようになった
流石に、このままではマズイ。
既に、全力を尽くし最低限の願いを叶えて、
「……ああ、そうだったよな」
俺は必ず訪れる破滅の日を思い出し嘆息した。
そう、とりあえず、
<
ただ、これは自転車などと同じで身体の感覚として覚える部分──科学的にいうなら小脳の運動プログラム──が大きく、体内の
前世でもモブでしかなかった俺に、数千万人に一人のそんな才能がある訳もなく、知覚に1年以上かかった。
特殊な呼吸法と極度の精神集中を要する意味の解らない修行を1年も続けられたのは前々世の記憶あればこそだ。
そうでなければ三日も持たずに止めてただろう──辛いくせに退屈な──修行も、前世の最後では日課になっていた。
だからなのか、前世で一度は<
「まあ、才能じゃなく、前世の経験のおかげだな」
波気使いの才能がある人間だと、<波気>は流れるように体内を巡っている。
武術などで云う心技一体やヨガで完全に肉体をコントロール境地になると、その状態に至るらしいが、日常生活でその状態を得られる者もいて、それが波気使いの才能というやつだ。
当然、
普通は、これが流れるようになって初めて<波気>として認識できるのだが、前世の影響で感じられるようだ。
「次は<
この<波気>を強く流れさせ性質を変える<
<錬波>の基礎は、呼吸法を変化させる事で、体内の<波気>を流すように移動させていく事で、それに成功するのにも前世では半年以上かかった。
あんな
まして前知識なしで、あんな事をやれるのは、狂気に近い意志を持つ人間だけだろう。
将来の家族一緒の惨殺が怖かったから必死にやったけどな。
命がかかった極限状況に追い込まれなければ、絶対にできなかっただろう。
まさに
俺は
なにより、
それなのに、こうも容易く争そうための
いやこれは前世で<錬波>を使いながら行動する事を覚えていたからこその余裕なのかもしれない。
「
甘えないのはいいが、それで緊迫した生き方しかできなくなるのは、本末転倒だ。
「自分や利権に甘える事で争い合う悪意に呑みこまれたら、損得と利害で物事を考える以外の余裕と一緒に大切な想いを忘れてしまう」
<和の心>は人を縛るために
だから、
そう覚悟すると同時に、<波気>が体外へと溢れ出し、身体に纏わるようにして固定される。
とはいえ、<志念使い>への道は、未だ遠い。
前世では、ここから三年以上かかったからな。
だが、前世で俺が立てた仮説が正しければ、あるいは……。
<波気>を使う者、<波気使い>が<志念使い>へなるには<波気>の詳細なコントロールが必要だ。
四方行と云われる基本の
<断波>は体内に自分の<波気>を引き寄せる
<錬波>は体内の<波気>を増幅して外部へと
<装波>は体内の<波気>を
<現波>は<波気>を<志念>へと昇華させ現象を創造変化させる奇跡の
<天理>の理念で制御し、<地情>の情念で出力を増やすという二つの修行を並行して行うか、<地情>の情念に呑みこまれて欲望に従う事で<現波>に至るが、後者は悪意に溺れる事になり、前世で俺を殺した
そして、<志念>を覚えるにも向き不向きがあり、その相性は八極図という図で表される。
前々世で設定はしなかったけれど、前世で俺が立てた仮説が正しければ、それは決定だろう。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます