ベルセルク編第8話十六夜の剣士

アリス達がルーベルク魔導学院に

滞在して、はや3ヶ月の月日が経っていた


エルザ「はい、少し早いかもしれないけど

これで治療は終わり、それと、くれぐれも」


アリス「わかってるわよ

禁術は使いませーん」


エルザ「今度大怪我してきたら

世界で一番苦い薬用意するわね」


アリス「わかったってば、じゃあ行くわね

その・・・・ありがとぅ」


照れ臭そうに小声で謝辞を告げるアリス


エルザ「ふふ、たまには、それ

会長にも言ってあげてね」


アリス「じじぃには絶対言わない!

じゃあね」


そういうと、部屋から出ていくアリス


エルザ「さてと、じゃあ私も、

学院の生徒たちの相手を

頑張ってしましょうか」


そして再生術師エルザは

また教鞭を取る日へと戻っていく


それはまた違うお話



中央大陸の中心に位置する

都市ベルセルク、ここには全てがある

大規模商業施設から

世界の知識の粋を集めた魔導図書館

カジノ、そして最も有名なのが闘技場である


アリス「ねぇ、ザミエル〜

まだ魔導図書館につかないの〜?」


ザミエル「う、うるさいな、ベルセルクは

広いから遠く感じる・・・・だけだ」


アリス「あそこの店さっきもあったわね〜

珍しいわね〜姉妹店かしら〜」


ザミエル「・・・・すまん、迷った」


アリス「だと思った、あんた

ほとんどの事、器用にこなすのに

何故か方向音痴だもんね」


スノゥ「えっ、そうなんですかぁ」


アリス「そうなのよ、常に眉間に皺寄せた

偉そうな顔してるから人にも聞けないし」


ザミエル「眉間の皺は大体お前のせいだ」


スノゥ「あ、じゃあ私が聞いてきますぅー」


ザミエル「・・・・頼む」


アリス「しっかし、今日何かあるのかしら?

いつもより人が多い気がするけど」


ザミエル「確か明日から闘技場の50周年の

アニバーサリーが催されるはずだ」


アリス「あ、だからか、

強面の割合が多いのわ」


ザミエル「確か優勝賞金50万ゴールドと

副賞でリゾート地への宿泊券が出るとか

書いてあったな」


アリス「50万〜!リゾート地!

出る!参加する!」


ザミエル「出るのはいいが、

先に魔導図書館だ」


アリス「よーし!リハビリがてら

軽く蹴散らしてリゾート地で

美味しいものいっぱい、んふふふ♡」


スノゥ「あ、場所わかりましたよーって

どうかしたんですか?」


アリス「ほら、さっさと行くわよ!」


ザミエル「やれやれ、現金なやつだ」


ちょうどその頃

闘技場運営会議室にて


ラーナー「これはこれはシド様

この度はアニバーサリーへの参加

ありがとうございます」


割腹のよい50代の中年男がシドに詰め寄る


シド「盛況のようだな、ラーナー

私が出るより、腹黒運営として

お前が出た方が客も喜ぶだろうに」


ラーナー「御冗談を!わしが出たら

腰が抜けてしまいますわ!

ところでそちらの方とオートマトンは?」


ラーナーが視線を変えた先には

日本刀と脇差しを携えた着物の女性と

女性型アンドロイドが立っている


シド「私の近衛だ、彼女はホムラ

オートマトンはセフィラスという」


ホムラ「ぺこり」

ホムラは一言も発さず会釈をする


セフィラス「対陸専用高機動殲滅兵器

個体識別番号SFY-RAS、

通称セフィラスです」


シド「あ、それとホムラを

一般参加させたいんだが

まだ間に合うのか?」


ラーナー「エントリーはまだ間に合いますが

その、彼女が出られるんですか?」


シド「あぁ、研鑽けんさんを積ましてやりたい」


ラーナー「まぁ、お止めはしませんが

今年はアニバーサリーの影響もあってか

世界各地から猛者が集まってきてますから

大変危険ですよ」


シド「という事だが、どうするホムラ」


ホムラ「問題ありません、強者との

手合わせなら、むしろ好都合です」


シド「決まりだな

後、闘技場内は

剣や魔法に非殺傷の制限が一応かかるが

くれぐれも相手を殺すなよ」


ホムラ「承知しました」


シド「ラーナー今年は

誰かめぼしいのは来てるのか?」


ラーナー「そうですな、

北のイセールの傭兵、バルモント

南のサラボナの土魔導師、モーク

辺りが今年の有力候補かと思いますよ」


シド「傭兵は聞かない名前だな

後はモークのじいさんか」


ホムラ「お知り合いですか?」


シド「元サラボナ公国の宮廷魔術師だ

何度か国の代表に謁見した時に

話した事があるし

アドラメラク討伐戦の時には

共闘もしたよ」


ラーナー「バルモントは最近まで

北方民族との戦争で腕を上げた

武芸者のようですね

なんでもカナリス傭兵団の

団長と引き分けたとか」


シド「カナリス傭兵団というと

マムクートか・・・・」


ホムラ「バルモント・・・・」


一方その頃アリス達は魔導図書館に

スクロールを納品していた


魔導司書官

「はい、確かにお預かり致しました

代金はラグナ商会に後日送金しますので

受け取り確認票だけ発行します

良かったら暫く書物でも

閲覧してお待ち下さい」


スノゥ「うわぁー広いですねー、

これ全部読むのに何年かかるんだろう」


ザミエル「確か娯楽書から魔導書まで

1000万冊以上あるはずだ」


アリス「ん、何よこれ?

「異世界転生したら

人生全てキャッハうふふになって、

可愛い妹ができて強くてニューゲーム」

あったま悪そうなタイトルね

何でもかんでも転生したら上手くいくって

考えてる時点で読む気も失せてくるわ

大体意味がわからないし」


ザミエル「流行りにのった方が

余計な宣伝費や、時間も削減できる

からだろう、その中で個性を

出して売れ残ってるんだ

それなりに需要があるんだろう」


アリス「あんたまさか妹萌えなの?

お兄ちゃん♡とかやって欲しいわけ?」


ザミエル「そうだな、

俺の好みは鼻の穴が三つの妹だ

( ゚д゚)つ銃(;´д`)ふがっ」


銃口をアリスに向けるザミエル


アリス「わ、悪かったわよ

銃口人に向けないでよね(;´д`)」


ザミエル「くだらない事

言ってる暇あるのか?

闘技場のエントリーの時間

確か後30分で締め切りのはずだぞ」


アリス「えっ!早く言いなさいよ!

ちょっと行ってくる!」


魔導図書館を飛び出して

闘技場に向かい走り去っていくアリス。


闘技場受付前にて


アリス「一般参加のエントリーって

ここでしたらいいの?」


受付「はい、参加者ご本人様ですか?」


アリス「そうよ」


受付「シングルマッチで宜しいでしょうか?」


アリス「えぇ」


受付「では、用紙に必要事項記入の上

あちらの窓口に提出して下さい」


アリス「はーい」


長椅子に腰掛けてエントリーシートに

必要事項を記入しているアリス


アリス「えっと所属団体

ラグナ商会と_φ(・_・かきかき」


「おまえさんラグナ商会のもんか?」


後ろを振り返ると老人がいる


アリス「誰?あなた?」


「わしか?わしはモークというもんじゃ」


アリス「は、はぁ

(´-`).。oO(じじぃの知り合いかしら?」


モーク「おまえさんとこの会長と

古い知り合いみたいなもんじゃ」


アリス「(´-`).。oO(やっぱりそうか)

何か用?」


モーク「いや何、受付を済まして

じじい1人で退屈じゃったから

声をかけただけじゃ」


アリス「あなたも出るの?闘技場に?

危ないわよ」


モーク「ほっほっほ、まぁそれは置いといて

おまえさん、じー、男か?女子おなごか?」


アリス「女に決まってるでしょ!」


モーク「あいやーすまんかった

余りに胸部が直線だったから

わしはてっきり男の娘というやつかと

思うたわぃ、

近頃は紛らわしくていかんのぅ」


アリス「直線Σ(゚д゚lll)ガーン」


モーク「あ、晩飯の時間じゃあ

じゃあまた明日、対戦相手になったら

よろしくのー」


アリス「ちょ、直線( ・∇・)ボー」


魔導図書館の用事を終え少し遅れて

ザミエル達が闘技場へと来る


アリス「ちょ、直線( ・∇・)ボー」


ザミエル「何ボーっとしてる大丈夫か?」


スノゥ「ちょっと遅くなっちゃいましたね、魔導図書館から闘技場までって

意外と遠いんですね

直線距離ならもっと近いのに」


ザミエル「そうだな、一回大通りにでて

迂回しないといけないからな

直線距離なら半分で来れるんだがな」


スノゥ「あぁ!あのモニター

見てくださいザミエルさん

あの魔導士の魔法

ホーミングしたかと思ったら

一直線に相手の方にいってますよー!」


ザミエル「多角的に攻めるのは有効な方法だ

一直線で攻めるより効果的だからな」


アリス「むきぃーo(`ω´ )o

どいつもこいつも直線直線うっさいわよ!」


ザミエル&スノゥ「???」


アリス「あのじじい

今度あったら黒コゲにしてやるT_T」


そして翌日、

闘技大会予選会場控え室にて


アリス「ホムラじゃない、

なんであんたがここにいるのよ」


ホムラ「シド様の護衛兼修行です、

貴方こそ、何故ここにいるんですか?

いえ、言わなくて結構ですから

とりあえず消えてください」


アリス「あんた相変わらずね、

えっ、ちょっと待って

じじいも来てるの?」


ホムラ「シド様をじじい呼ばわり

万死に値します、即刻死んでください」


本気で刀を抜き、斬りかかるホムラ


ザミエル「ん?あれはホムラじゃないか」


スノゥ「ホムラさん?」


ザミエル「あぁ、まだなって、

日も浅いが会長の側近だ」


アリス「ちょっとあんた達助けなさいよー」


必死に控え室を逃げ回りながら

刀を避けるアリス


「おぃ!うるせぇぞ!控え室は

ガキの託児所じゃあねーんだ!

騒ぐなら他でやれや」


1人の男が怒鳴りつけてくる


ホムラ「大変失礼した、謝罪しよう」


刀を収め、冷静になるホムラ


「わかりゃあいいんだよ、わかりゃあ

しっかしベルセルクの闘技大会も

大したことなさそうだなぁ」


男は周りにわざと聞こえるように

大きな声で言う


「鼻糞みたいな奴ばっかじゃねーか

せっかく名前を売るチャンスだと思ったのに

これじゃあエキシビションに出るっつー

青魔導士ってのも

大したことなさそうだなぁ」


ホムラ「主君の愚弄は許さん

撤回して貰おうか」


「おぃおぃ慌てなさんなって

おたくがホムラだろ?

ここでやる気はねぇよ

どうせ同じブロックなんだ

おたくが負けなかったら

その内やる事になる

俺の名前はバルモントだ」


ホムラ「貴様が、バルモントだと」


案内放送

「まもなく予選一回戦が始まります

出場選手は準備して下さい」


バルモント「じゃあな、

精々負けないこったぁ」


そういうとバルモントは闘技場に歩いていく


アリス「口だけじゃなく、かなり強いわね」


ザミエル「ああ、お前じゃあ

勝てないんじゃあないか?」


アリス「雷公鞭使っていいなら

余裕で勝てるわよ」


ザミエル「観客全員皆殺しにする気かお前、

そもそも禁術の使用は禁止だ」


アリス「じゃあ勝率7割ってとこかしら」


スノゥ「相手の強さなんて戦わなくても

解るものなんですかぁ?」


アリス「そんなもん勘よ」


スノゥ「か、勘」


アリス「それよりホムラ

あんたがあいつと当たるんだから

じじいを侮った事、きっちり

落とし前つけさせなさいよね」


ホムラ「無論だ」


ザミエル「なんだアリス、お前も

会長の事悪く言われて怒ったのか?」


アリス「ち、違うわよ!

勘違いしないでよね

商会の為よ、ひいては私の為よ!」


スノゥ「あ、知ってますこれ

絶滅危惧用語のツンデレというやつですね

初めて聞きました」


アリス「もぅ知らない!」


次回予告

第1章ベルセルク編第9話土魔導士

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