冒険編第4話天候魔導士
カプリコーンとの闘いの後
数週間が過ぎ、
シャンリオ達と別れたアリス達は
ルガルタより北に位置する
山脈に囲まれた街
「フラムベルク」にやって来ていた
アリス「ふぇー寒い(∩´﹏`∩)
ねぇ、とりあえず建物の中に入らない?」
震えながらアリスは言う
ザミエル「もうすぐ目的の場所だ、
だから言ってただろう、そんな薄着で
大丈夫なのか?って」
アリス「知らないわよぉー、この街がこんなに冷えるなんて思ってなかったんだから!
それにこの服気に入ってるんだもん!」
ザミエル「自業自得だ」
呆れた顔をしながら言い放つ
アリス「ふぇ( ´△`)」
二人が会話しながら歩いていると
この街の中でも大きめな建物が
視界にはいってきた
ザミエル「あれが、そうだな
フラムベルクのギルド会館」
アリス「た、た、て、もの」
産まれたての子鹿のように
プルプル震えるアリス
ザミエル「はぁ〜」
アリスの扱いに落胆気味に溜息をつき、
ザミエルはギルド会館へと入っていく
ギルド会館の中に入ると
受付らしき女性が二人の前に現れた
受付「いらっしゃいませ、
本日はどのような、ご要件でしょうか?」
ザミエル「ラグナ商会に委託された
クエストが届いているはずだ、
差し出し人はスノゥ=コールブランド」
ギルドの仕事には自分で依頼を出したり
委託された依頼を受け解決する事や
指定を受けたモンスターの討伐
入手困難なアイテムの採集や
希少な物の採取等、様々な内容が存在する
受付「かしこまりました、でわ確認の為、
所属とランクの御提示をお願い致します」
ザミエル達が右手を差し出すと手の甲に
紋章と数字が浮かびだした
受付「確認しました、スクロールを
お持ちしますので暫くお待ち下さい」
アリス「で、ザミエル、
今回の件は?何か聞いてるの?」
ザミエル「幻獣討伐だと聞いている
相手の等級はSだそうだ」
解説アリス「この世界の討伐において
相手の戦力を等級分けする制度があるのよ
EからSSSまで8等級が存在するの
報酬は金品から物品多種多用にあるのよ」
受付「お待たせしました、こちらです」
ザミエル「ん、どうやら依頼人も
同行するようだな
討伐対象は、スルトゴーレム
とりあえず合流場所に向かうか」
アリス「ふぇ( ´△`)」
ザミエル「はぁ〜、頼むから
やる気出してくれ」
ギルド会館を後にした2人は
合流場所に向かう
一方その頃
2人がギルド会館を出て少し経った頃
スノゥ「兄様見ててください
スノゥはきっと見事に
幻獣討伐をしてみせます!
そしていつの日にか
天候魔導士にその人ありと
言われる立派な魔導士になってみせます」
空に向かって大きな独り言を
話している幼女がいた
スノゥ「でも、不安だなぁ( ´△`)
いや、大丈夫、大丈夫、大丈夫
スノゥやれば出来る子」
不安を払拭するように
自己暗示をかけるスノゥ
スノゥ「ん、大丈夫、それに
今回はラグナ商会の人も手伝ってくれるし!
あ、でも怖い人だったらやだなぁ( ´△`)」
そんな問答を一人でしていると
アリス「ねぇ、あんたが今回の同行者?」
一瞬ビクッと肩を強張らせるスノゥ
スノゥ「ははははい
よ、よ、よろしくお願いします」
アリス「ふ〜ん、こんな子供
役に立つのかしら?」
スノゥ「足を引っ張らないよう、
ががが頑張ります〜震」
ザミエル「アリス!この子は
依頼者でもあるんだぞ」
アリス「はいはい、わかってるわよぉ
(ザミエルのやつ、そんなに怒ってて
禿げるわよ、あっ禿げたらザビエルって
呼んでやろ〜( ̄∀ ̄)ニヤニヤ)」
ザミエル「なんだニヤニヤして気持ちが
悪いやつだな、まぁいい
で、幻獣討伐するという事だが
君も同行するという事で構わないのか?」
スノゥ「はい!一応天候魔導士の資格も
持ってます!ただ討伐は等級Aまでしか
経験がないので、今回依頼しました」
アリス「天候魔導士って
実戦向きの魔導士と違って
戦闘には不向きじゃない
雨雲呼んで雨降らしたり、雪降らしたり
して幻獣討伐なんて出来るの?」
スノゥ「確かにそうですけど、私は兄様の
ような立派な天候魔導士になりたいのです」
ザミエル「兄?コールブランドっていうと
もしかして、スモーク=コールブランドの
妹なのか?」
スノゥ「兄様をご存知なのですか?」
アリス「誰よ?私知らないけど」
ザミエル「直接の面識はないが
ネムの大森林の環境保護や
リドリアナ
マナポーションの原泉の発見
他にもいくつもの社会的福祉に
貢献している人物だ」
アリス「あ、私興味なさそー」
自分が知らなくて納得といった
表情を浮かべアリスは言う
スノゥ「優れた天候魔導士になるには
危険な土地にも行かないと行けないんです
その為に幻獣討伐の経験をいっぱい
したいんです!」
全身を使い、一生懸命頑張ります
アピールをするスノゥ
ザミエル「戦力の把握の為、聞いておきたい過去にどんな幻獣を討伐した事がある?」
スノゥ「えっと、タイラントレックス、
デザートスコーピオン、クアールクイーン
グラシャラボラス、後は個体数の多いもの
が殆どかもです」
ザミエル「グラシャラボラス?
君が単独で倒したのか?」
驚いた表情を見せるザミエル
スノゥ「えへへ、あの時は死んじゃうかと
思いました(ㆀ˘・з・˘)」
アリス「グラシャラボラスって?」
ザミエル「霊長グラシャラボラス
個体により強さは異なるがA〜SS
多分強い分類のものは俺やアリスでも
勝てないと思うぞ」
スノゥ「私が倒したのは子供でした〜」
ザミエル「それなら、今回は
何とかなるだろう、すぐに行くのか?」
スノゥ「はい〜」
アリス「ま、相手はたかがゴーレムだし
さっさと片付けて帰るわよ!」
スノゥ「ゴーレムのいる遺跡はここから
山を2つ超えた所にあるので
馬車を取ってきます〜」
てってって、とスノゥは
小走りをして馬車を取りに行く
アリス「あれで大丈夫なのかしら?」
ザミエル「あの年で自分のやりたい事に
向かい、自立している、おまえより
頼りになるかもな」
アリス「いちいち、うっさいわねー
余計なお世話よ、ふんっ」
スノゥ「お待たせしました〜、あれ?
どうかしたんですか?」
アリス「なんでもな〜い、早く行くわよ」
3人を乗せた馬車が目的地に向かい走り出す
少し
この地より、はるか東の大陸
ナイツベルグ共和国、首都「シオーネ」
ラグナ商会の拠点がある都市
「会長、本日は8件の案件があります」
タキシードを着こなした長髪の
秘書らしき男が資料を片手に報告をする
シド「忙しくて、何よりだ、ルゥ
至急な要件はあるのか?」
ルゥ「えぇ、スーリィ様が千里眼で
南の大陸で黒のクリスタルの反応を
発見したとの事です」
シド「最近、また増えてきたようだな、
何かの前ぶれか、まぁいい
近いのは誰かいるのか?」
ルゥ「幸い、南の大陸には主力が
滞在してますので召集さえすれば
問題ないかと」
ルゥ「後は機人界で建造中の
タルタロス級の飛空艇の最終調整が
完了したとの報告があります
現在、発艦式のスケジュールを調整中ですが
アンジェラ様が一度顔を出して欲しい
との事です」
シド「わかった、時間を作るから
近いうちに行くと伝えてくれ」
ルゥ「クリスタルの件がもう一件
西の大陸のクリスタルは問題なく
処理されたようです」
シド「そうか、撤退戦にならずに
済んで何よりだ、アリス達は
まだ現地にいるのか?」
ルゥ「いえ、手近な仕事がありませんでしたので今は北のフラムベルクで委託された
幻獣討伐にあたると連絡を受けています」
シド「そうか、その討伐が済んだら
一度中央大陸のルーベルク魔導学院に
向かうように連絡しておいてくれ」
ルゥ「わかりました、手配しておきます」
ルゥ「残りの案件は主に予算申請です」
シド「はぁ、クリスタルより厄介だな」
苦笑いを浮かべ、やれやれといった感じで
資料に目を通すシドであった
解説アリス「ラグナ商会はね
商会のていはとってても
その実なんでも屋みたいなものなの
その中には優秀な人材を
勧誘するなんて業務も含まれるのよ」
シド「あ、そういえば
中央大陸のベルセルクの
コロッセオで
エキシビションマッチに
出てくれと昨日、運営のラーナーから
連絡があった、数ヶ月先だが
スケジュールに組んでおいてくれ」
ルゥ「その時期に外遊なさるのは
私は反対ですが、仕方ありませんね」
シド「そういうな、
たまには動かないと実戦勘が鈍るしな」
ルゥ「くれぐれも御自愛を
貴方の身は貴方だけのものでは
ありませんので」
シド「お前には苦労をかける」
ルゥ「天界より追放された私を拾って頂いた御恩を返しているだけの事ですよ」
忠義や親愛を込めた眼差しで
会長を見るルゥ
解説アリス「ルゥはね、元天使らしいわ
私よりもずっと昔に会長と出会ってるから
詳しくは知らないけど
天界に反逆して、追われた時に
会長に助けられて以来ずっと
会長の側にいる古参の1人よ
続々と人物が増えてくるわね
でもね、ラグナ商会には
個性の薄いのから濃いのまで
まだまだいてるのよ、
て事で第4話はここまで
また読んでねー(*'▽'*)」
次回予告
第1章冒険編
第5話「時魔導士」
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