第48話 昼飯


「坂田君、この伝票処理しておいて」


「はい、分りました」


いつも通り会社の業務をこなしているフツメンおっさんで中間管理職山本洋一。

最近何かと休日が休日で無い日々が続いているが、気のせいか平日の仕事でも微妙にやる気が出てきている。


日々充実しているからだろうか。


これは・・・まさかリア充!?


しかし、残念ながら現在は私には彼女と呼べるものが居ない。

彼女が居てこそリア充と言えるのではなかろうか。


まあ、美女や美少女と会う機会が微妙に増えた気がするが・・・どっちも問題ある女性だ。


片や、スカトロ趣味の女性。しかも彼氏有り。

一方、JKだけどコテコテのギャル子。

ああ、ギャル子にはもれなくガチムチおっさんが付いて来るというオプション付きだったな。

ただ、ギャルじゃない時のギャル子は非常に美少女だったりする・・・あれはいい・・・。


まあ、これがリア充なのかは分らないが・・・でも、以前よりは何か楽しいと言えば楽しい。


キーンコーンカーンコーン


と考えていると昼休憩のチャイムがなった。

さて、今日は何を食べようかな。

しばらくはカレーは食べたくないから・・・丼物かな。今日は。


「山本係長は今日も外ですか?」


部下のイケメン坂田君から声を掛けられる。

相変わらずのイケメンっぷりだ。

ジャニーズ辺りに居てもおかしくない。


「ああ、そうだよ」


「今日はご一緒してもいいですか?」


「いいよ。今日は丼物にするつもりだけどOK?」


「おおっ!大歓迎です!」


「じゃあ、行こうか」


そうして、イケメン兄ちゃんと昼飯となった。

何か後ろから女子社員から一緒に連れてけオーラが出ているが見えてないフリをする。

だって、基本飯は少人数で食べたい派だから。


そして、会社近くの店に着いた。


「さてと、何にしようかな」


「係長と一緒の物で」


「いや、合わせなくていいよ。好きなの頼みなよ」


「そうですか・・・では、僕は親子丼で」


「じゃあ、私は天丼かな」


店員さんを呼び注文した。

しばらくすると、両方そろって注文した品が届いた。

ナイスな対応である。


「じゃあ、食べようか」


「はい」


「「いただきます」」


うん、天ぷらがサクっとしつつも中身のエビはプリッとしてて美味い。

そして、この店秘伝の甘辛いタレが様々な旨みと混ざり合っており、とても深みある味わいだったりする。

それと、ツヤツヤに輝く白飯と合わせて一気にかき込む!!


最高に美味い!!


「いやぁー、やっぱこの店の丼物はいつ食べても美味い!」


「ですねー」


「そういえば、私はここの親子丼は食った事なかったなぁーどうなの?」


「美味いですよ。卵がふわっふわで。鶏肉も新鮮というのかなぁ・・・美味いです!」


「へぇー今度頼んでみよう。でも、親子丼ってうちの母の得意料理でさ。しょっちゅう作るから何か外で食べようって思わないんだよねぇ・・・」


「そうなんですかー、得意料理って事は美味しいんじゃないですか?」


「ああ、美味いよ。でも、出てくる頻度も多いってか・・・多すぎかなぁ・・・」


そう、本当に多すぎなのである。

まあ、田舎というか近くに大きな養鶏場が合って、近所の人から出荷出来ない卵を頻繁に貰うという原因が一番だったりするが・・・。


「坂田君はお母さんの得意料理とかあったりするの?」


「・・・いや、実は母居なくてですね」


・・・げっ、しまった。

めっちゃ、地雷踏んでしまった。

坂田君父子家庭だったのか。


「知らなかったとは言え、すまない・・・」


「ああっ、こちらこそすみません。大丈夫ですよ」


そう言って、イケメンスマイルで応える坂田君。

いい子やぁ・・・。


「いや、実は小さい頃に亡くなったみたいで全然知らないんですよ。だから、母親と言われても全然実感とか無くてですね・・・。まあ、父親はずっと居てくれたんで寂しいとか言う気持ちは無かったですよ」


「そうかぁ・・・でも、いいお父さんだったんだな」


「ええ、自慢の父ですよ」


そう爽やかに言う坂田君。

ただのイケメンで苦労して無いだろうなと思っていた自分が恥ずかしい。

何かと実は苦労しているぽいじゃないか。

もっと優しくしよう!と思った。


「でも、やっぱ母の味って羨ましいですけどね」


「おおっ!だったら、うちの親の親子丼食わせてやるよ!今度遊びに着な。何もない田舎だけどな」


「おお、いいですねー是非!」


そうして、坂田君とのランチを和やかな雰囲気で過ごした平日の昼だった。

その後はいつものように、残業してすっかり外は暗くなってから帰宅した。


帰ってからは、いつものようにネットで色々と制服を探したり。

今の能力を考えて、サバゲ用品をネットで漁ったりしていた。


それにしても、何気に本物で揃えようと思うと高い。


あとレプリカも多い。


理想はデルタフォースのようなデザート仕様な装備が好きだったりする。

他にもネイビーシールズとかのような装備だったり。


やっぱ、特殊部隊ってカッコイイじゃない?


でも、揃えようと思えばお金が・・・。


それにしても、前回のゴールドさんの時に借りた警察の制服は凄かった。

ゴールドさんがいっそのこと、SAT装備を貸してくれないだろうか。

多分、凄まじい能力が付いてそうな気がする。

まあ、いくらゴールドさんとは言え、それは不可能かもな。


そう思いながら、ネットで学生服を見ていた。


すると・・・


こ、これは・・・


『黒百合女学園大学付属高校 夏冬制服フルセット 80万から』


超レア制服キターーーー!!


ここは超お嬢様学校だったりする。

黒と白を基調とした上品な夏のセーラー服に、冬はセーラーとブレザーが合わさったような黒を基調とした制服。


超お嬢様校なだけあって、オークションでは滅多に出ない。

それが出ているものの・・・スタート80万って・・・アホかと。


でも、これが能力付いたらどんな能力なんだろうか・・・非常に気になる。


まあ、まず手が届かないもんなぁ・・・それこそゴールドさんが仕入れてくれないかなと淡い期待をしてみる。


そんな妄想をしながら、その日は早々に寝ることにした。




******



「いくら何でも横暴すぎやしないか!?」


「ははは、何を言ってるんですか。ちゃんと議会の許可は取っています。それに、問題あればそちらで動けば良い事でしょう? これでも、天界の維持の為に我々はしっかりと働いているのですから」


「はぁ!? そちらで動けってあんたらが無作為に能力者を選定しているからでしょうが!」


「いえ、我々は効率良くエネルギーを消費してくれる方々を選定しているのです。そちらのやり方では非効率すぎたのですよ」


「そのせいで、地上では大問題になり始めているでしょう!」


「訂正させて下さい。一部地域でしょ?」


「それでも、大問題です!!おかげで、こっちの貴重な能力者に被害が出ているんですよ!!」


「まあまあ、問題あればまた能力を与えればいいじゃないですか・・・」


「くっ・・・話にならないっ!!」


バタンッ!!


「まったく・・・騒々しい」


「また来ていたのかい?」


「はい、我々が効率良くエネルギーを消費して天界の負担を減らしているというのに」


「ふふふ、結果が大事だからね。僕たちはその結果さえ出せばいい」


「はい、承知しております。局長」


「うんうん」

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