宇宙旅行

僕らは宇宙船に乗って宇宙を旅していた。そういう時代だったし、これからもそれは続いていくだろう。

ゆいかは宇宙船の中でサンドイッチを作っていた。

僕は宇宙船の窓から木星を眺めていた。

いろいろなテーマになったあの木星だ。

「卓球のボールみたいね」

ゆいかはそう言ってパンにマスタードを塗っていた。

「時々僕は思うんだ。僕らはとても奇妙な世界に生きていると。例えばこの宇宙旅行にしてもね」

僕はふと悲しみについて考えた。まるで木星にいるみたいな感情だ。

ふいに流星が遠くを流れていくのを見た。

僕は頭の中で願い事をした。

世界が平和になるように、僕らがちゃんと元の世界に帰れるように。

僕らは時空をさまよう旅人みたいな感じだ。

流れ星はゆっくりと窓の外側に消えてゆく。

きらきらとした火花をあたりにまき散らしながらまるで光みたいなスピードで進んでいた。

広大な宇宙の中に僕らは二人で取り残されていた。

目覚めると僕は部屋のベッドの上に寝ころんでいた。

壁紙には流星のポスターが貼ってあった。

僕は眠い目をこすりながら、立ち上がり冷蔵庫を開けて水を取り出した。

一口飲むと、とても爽快な気分がした。そして僕はペットボトルの蓋を閉めて水を元あった場所に戻した。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る