第3話

酸いも甘いも噛み分けて平然と生きている輩より有吉弘行のような他者を嫌なものだとしてみる向きの方が渡る世間の鬼を見てきた人間にはしっくりくるのだろう。


成人になる前に正義が何なのか見失った高校生のように、もう何がいいことなのかわからないのが本来の人間である。それを突き詰めたのが尾崎豊だ。本当はそんなに考えなくていいことを突き詰めて考えてしまうその純粋さ。


イデオロギーにおいては、平和と左翼思想を結びつけて考えたら、そのなかに暴力の根っこが生えてきたというように右翼にも左翼にもどちらにも正義がなかったか、あるいはどちらの側にも正義はあるのだ。

平和と左翼思想は結びついていないことはない。ただもっとさめざめとしたものもあって、それが全てではないというだけで絶望する必要もない。はっきりいってしまえば、世の中ひっちゃかめっちゃかに色んなものが混在している。ただそれだけのことなのだ。それを子供にある方向が全てですよ、といってしまう大人や、企業倫理には反吐が出る。例えば不倫。人を傷つけなければそれは不貞ではない。常識など本来はないし、清廉潔白な企業倫理は世の中の全てではない。それを子供に言ってしまった方がいい。宮沢賢治の『やまなし』のように

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