第9話出発

「退治と言う意味なら、正しいです。洞窟は村の近くにあり、娘に案内させますよ」


なんとかもめごと収まり、次に進んでくれることに安堵した村長が言う


「ありがとうございます。予言が外れないよう、俺と彼女で精一杯退治のほうに挑ませてもらいます」


俺は村長に頭を下げていう


「ペコペコしなくていいでしょ? 私たちが面倒を見るんだから」


またも紗雪は余計なことを言う


「コイツの言うことは気にしないでください。では、出発します」


愛想笑いをうかべながら、俺は家を出て行く


「お前は予言をぶち壊したいのか?」


外で待っていたセヒラに聞かれないようにつぶやく


「だって、勇者様だもの。どんなピンチでものりきってくれると思ったわ」


だからと言って、自分でピンチを作るなよ


「あ、お話が終わったのですね」


俺達に気が付いたようで、こっちに歩いてくる


「ああ、さっそくだが出発しよう」


「勇者様は頑張ってね。か弱い魔法使いを守って」


こんな時も嫌味か

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