第7話 異世界転生の受験対策

「受験対策をはじめなさい」

父の差し出したお札を僕は頭を下げて受け取った。

「参考書、どこにあるかなあ」

「調べてみよう」

父がタブレットを操作しようとしたその時!


「神保町にあるわ」


半狂乱だった母が落とした冷静な言葉。


「母さん...」

「神保町?」

「なんでも神保町よ、要するに」


「か、母さん!母さんももしかして異世界転生に一度は強い憧れを...ッ!?」

「そんはずないでしょ!そんなはずなでしょー!!!そんなはずない...ないー...]

母は必死に否定した。

否定の終わりに小さな肩がシクシク揺れた。

これがあの真性鬼畜マザーの姿か...


異世界転生、それは鬼をも一度は夢見させる甘き果実、毒の含んだ誘惑の果実...



ってか


さて、神保町に行くぞ!!




つづく

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