第6話 スライム父さんは陽気なスライス

「父さんがスライムっぽくなってる!!」

父さんの右半身が完全にスライムになっている。

「全然父さん動じない!」

「たおる、父さんはな、動じないんだよ」

「なぜ..だって右半身がスライムですよ!?」

「わかってたことだから」

「わかってたなら対策を...ッ」

「対策なんて、ない!!」


力強い大黒柱の一言だった。

僕たちは、我が家は、静まり返った。


「たおる...」

「はい」

「転生するってこういうことだ」

「え」

「歪みがおこるんだよ、いつかはね」

「歪み...確かにすんごい歪んでる」

父さんは右を向いた。

100%スライムだ。

父さんが左を向いた。

100%父さんだ。

「それでも転生したいのかい」

「したい!!」

「ええ...」


「うおおお!!気持ち悪いいーーー!!!!」

母が叫んだ。

今さら!?

「うちの旦那、ちょー気持ち悪いいーーー!!!!半分スライムだよおおーーー!!!!」



つづく

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《character.4》


父さん...たおるの父。もともと異世界でスライムだった。この世界への転生届けと「希望種:ひと」と記入してめでたくこの世界に人間として転生した。温和な性格。

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