27話 我慢は体に毒だってばあちゃんが言ってたじゃんね
ギルド代表戦
それはこの国で年に1回行われる大会である。
それぞれのギルドから代表が一名選出され、トーナメント形式で勝ち上がっていき優勝者を決める。
この大会には王族も出席し、優勝者には王族から褒美がもらえるということで毎年強者が勢揃いしていた。
そして大会の本日、巨大なコロシアムのような会場に井田、シャニ、ロザリアの三人が訪れておりブロンドの女騎士シャニが井田に怒鳴る。
「イダ!お前もう少し早く歩けないのか!」
その後ろから井田がぼやきながら面倒臭そうに歩く。
「…お前が早すぎなんだよ(ダメだ…ご褒美の為に自慰我慢してきたけど、どうやら限界みたい。俺の股間が限界みたい)」
さらにその後ろを白い少女ロザリアがトコトコとついてきていた。
三人は会場の受付で参加手続きを済ませ会場に入っていき、会場に入って少ししたところで井田が二人に言う。
「すまない、トイレに行ってくる(もうだめだ!禁断症状が出てきたじゃんよ!右手が勝手に上下しはじめてきた!)」
「わかった。私達は観客席にいるから、イダも早く戻ってくるのだぞ?お前は私達のギルドの代表なのだからな」
そう言って彼女達は観客席のほうに歩いていった。
「…トイレ…トイレ(あぁっ!腰まで勝手に前後しはじめやがった!)」
ブツブツ呪文のようにトイレトイレとつぶやき、右手を上下して、腰をガクガク前後に揺らしながら歩くこの男は端から見ればかなり異様に見えることだろう。
そしてトイレを探して歩きまわっていた井田がようやくトイレを見つけた時、一人の少女が井田の目の前を横切っていった。
さらにその走っていった少女の後ろを兵士達が追いかけていく。
「姫様っ!お待ち下さいっ!姫様っ!」
井田は通りすぎていった少女と兵士達を見送ったあと、特に何かを思うことなく自分の大事な用事を果たすためトイレに入っていった。
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