22話 異世界にガラケーを持ち込んだけどパカパカしてうるさいじゃんね 5

反射魔法


それは相手から受けた魔法をそのまま相手に返す魔法である。

この魔法は自動で発動するが欠点があり、攻撃を受けなければ相手に攻撃を反射することができない。

もちろん受けたダメージがなくなるわけではなく、相手と痛み分けになることが多い。

それゆえ使い方には工夫が必要であり、他の魔法に比べいわゆるハズレと言われていた。

しかし敵の攻撃を無効化できる井田にとってそれは全くデメリットにはならず、むしろ最高の組合わせと言えた。


政次に攻撃された井田は、自分の意思とは関係なく消滅魔法を無効化したうえで、そのまま政次に反射させる。

自分自身の消滅魔法を受けた政次は消滅し、この世界から姿を消した。

彼が消えたのはこういうことであった。


「きゃあ!マサツギ様っ!」


「あなたマサツギ様をどこにやったの!」


政次が消えたのを見てゲーリーとベンピーが騒ぎだした。

彼女達は井田が彼を殺したのだと思ったようだ。


「この人殺し!あんたみたいなゴミクズ死んじゃえっ!」


「私達からマサツギ様を奪わないで!マサツギ様を返して、返してよっ!」


彼女達は井田に石を投げつけるが、井田に当たることはない。


「やめろ!大体最初に手を出してきたのはお前達の方だろう!イダは…」


「もういい」


彼女達をシャニが止めようとするが、井田はそれを止める。


「イダ、だがこれでは!」


「もういいんだ(女に石を投げつけられるもいいけど、エッチ見れないならここにいる必要ないじゃんね)」


井田はシャニにそう言い、彼女達に石をぶつけられながら歩きはじめる。


「お、おい!」


シャニ達は井田の後を追いかけ、少女達の罵声を背中に浴びながらその場を後にしていった。

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