20話 異世界にガラケーを持ち込んだけどパカパカしてうるさいじゃんね 3

魔法の適性検査は頭に黒い帽子を被って行われる。


「お前は…そうだなぁ…適正は火魔法!」


黒い帽子は被った冒険者達の適性魔法を次々言っていく。


「はい、次のかたー」


係員が次の人間を呼んだ。

次にやってきたのはみたことのない黒い服を着た男だった。

黒帽子は男の頭に乗り魔法の適性を見る為、男の頭の中を見る。

その瞬間


「ぐわああああああああっ」


教会の広間に黒帽子の絶叫が響き渡る。


(な、なんだこれは!おかしい…コイツには生きようという思考が一切ない!そのかわりコイツの頭の中にあるのは吐き気がするほどの性への欲求!…矛盾だ!これは矛盾している!本来性欲とは子孫を残していくためにある欲求、すなわち生への欲求でもある!コイツは性欲だけで今まで生きてきたというのか…!?)


黒帽子は男の頭の中のあまりの矛盾に驚愕していた。


「…お前は闇魔法への適正がある。混沌をつかさどる魔法だ。闇魔法を習得したならば魔法使いとして栄光への扉が開けるだろう」


「お願い、闇魔法はダメ…闇魔法はいやだ…」


男は必死に懇願してくる。

闇魔法を習得できる人間はとても少なく、さらにこの男であれば最強になるのも夢ではないというのに変わった男だと黒帽子は思った。


「何?闇魔法は嫌か?そうだな…他に適正がある魔法は…いいだろう、ならばお前の適性は…」






「反射魔法!!!」


その瞬間、男の夢は潰えた。

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