19話 異世界にガラケーを持ち込んだけどパカパカしてうるさいじゃんね 2
白い空間に一人の男と神がいる。
神は男に言った。
「あぁマサツギよ、死んでしまうとは情けない」
「やれやれやれやれ、あんたのミスで俺が死んだんだろうが」
神は反省する様子もなく続ける。
「お詫びとしてお前にチートを授けよう」
「やれやれやれやれ、ならこのスマットフォンを異世界でも使えるようにしてくれ」
「すまないがスマットフォンは生憎異世界には持ち込むことは出来ない。すでに先客がいるからな」
それを聞いた男は溜め息をつく。
「何?やれやれやれやれ、使えない神だな。ならこのガラバゴスケータイを異世界でも使えるようにしろ」
「いいだろう、ついでにお前の身体能力もめちゃくちゃ強化してやろう。では行くがいい」
神がそう言うと男は後方の渦に吸い込まれた。
男の名は「餅槻木政次(もちつきまさつぎ」。
神の手違いで死んで異世界に飛ばされてからもう一ヶ月あまりが経つ。
彼はその一ヶ月の間に、その究極の力で同じく転生してきたいじめっこをぶっ飛ばしたり、ガラケーを使ってお好み焼きを作ったりしていた。
そして今彼の後ろには二人の少女ゲーリーとベンピーがついてくる。
「マサツギ様、これからどちらに行かれるのですか」
「マサツギ様ぁ、何をしているのですかぁ?」
「やれやれやれやれ、本当はお前達を連れてくるつもりはなかったんだがな…俺は今から魔法を覚えに行く。いくら俺がすでにこの世界で究極の力を持ち、誰も勝つことができない最強の人間なのだとしても、魔法を覚えておくに越したことはないからな。ついでに俺が今してるのは写真撮影だ。何故かガラケーをめちゃくちゃ使わなければいけない衝動に駆られてな」
政次はパシャパシャとガラケーで周りを写真撮影しながらやれやれと歩く。
そして5分後、政次達は教会の前へとたどり着いた。
この教会では適性を見て、適性があれば誰でも魔法を覚えることが出来るため、今日も多くの冒険者が行列を作っていた。
その行列に並び、そろそろ自分達の順番も近くなってきたという時、政次は周りがやけに騒がしい事に気付く。
「おい、あれ戦乙女のシャニさんじゃねぇか?こんなところで何してんだろう?」
「何でもいいけど綺麗だよなぁ~、あの鋭い目で睨み付けられたいぜぇ」
「見ろ、あの子!まだ小さいけどメチャクチャ可愛いぞおい!儚いエロスを感じるっ!」
「マジだ、すげぇ可愛い」
政次が彼らの指さしているほうを見るとそこには、ブロンドヘアーで騎士の鎧を身に付けた背の高い女と、全身が白く赤い目をした少女が自分と同じく行列に並んでいた。
どちらも目鼻立ちが整った顔をしておりとても美しく、そして政次の好みでもあった。
「やれやれやれやれ、またハーレムの人数が増えてしまうな」
政次はそう呟くと、口に笑みを浮かべた。
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