リチャードビーデルの話
明日野 望
第1話
彼はリチャード。
リチャードビーデル。
バカで食いしん坊なリチャードビーデル。
ドジでマヌケなリチャードビーデル。
体はでかくてよく山で転ぶ。
山で転ぶと地震が起きて、みんなに怒られマヌケなリチャード。
ある日リチャードお腹が空いて、村にパンを分けてもらいに来た。
「ダメダメお前のお腹をいっぱいにするパンはないよ」
リチャード腹が立って村を食べた。
だけどお腹は膨れない。
リチャードもっと食べたくて別の村に行った。
「いやいやここにパンはないよ」
リチャード嘘つき村人に怒ってまた村ごと食べた。
だけどお腹は膨れない。
リチャードいっぱい村を食べた。
リチャードいっぱい村を食べた。
まだお腹は膨れない。
まだまだお腹は膨れない。
リチャードに怒った王様がリチャードを首都に呼び出した。
「お前はバカだ!バカなビーデル!これ以上食べたらパンなんてないぞ!!」
リチャード怒られた事に怒って首都を食べた。
それから村は無くなった。
街も都市もなんにもなくて、
リチャード食べるものが無くなった。
リチャードお腹が空いて歩けない。
リチャードうずくまって動かなくなった。
リチャードお腹が減って動けなくなって、とうとう体が石になった。
リチャード大きい山になった。
リチャード頭に木が生えた。
木にはたくさんの実がなった。
どこからか人が来てリチャードの山に住んだ。
リチャードの山の木はいくらとっても実がなくならない。
いつしか山には村ができた。
リチャードの事なんて知らない人達の素敵な村。
その山はリチャードビーデル。
バカで食いしん坊だったリチャードビーデルの山。
ドジでマヌケなリチャードビーデルの山。
もうどこにも彼を知る人はいない。
リチャードビーデルの話 明日野 望 @Tenpest
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