7章 転身賦
転身賦
もしもわたしが死ぬときには
死期をさとったネコのように
すっといなくなってしまおう
小さな空き地でわたしは眠る
抜け殻なんてみてほしくない
そこにはわたしはいないから
きれいだった侭のわたしだけ
あなたには憶えていてほしい
そしてわたしは草に埋もれて
草になり花になり咲きにおう
そしてあなたはそれをながめ
なにもしらずにわたしを想う
もし、わたしが脳死して
あなたがそれを必要なら
わたしの体みんなあげる
この体をあなたのために
切り刻まれてかまわない
あなたはどんな人でしょう
わたしはあなたをしらないし
あなたはわたしをしりません
それでもあなたをすくえたら
あなたのなかで生きられる
脳死は人の死か、
そうでないか?
臓器移植の問題とかと絡んで、
いろんな想いがあるでしょう。
でも、わたし自身にかぎるなら、
どちらだってかまわないと思う。
それが人の死なら体だけ、
生かしとくのはむだだし、
役に立てたほうがいいな。
もしそうでないなら
わたしはだれかの中で
生きていられるんだから。
夢の丘
来てるみてる、あの丘の風景
風は吹き、木は生きている
忘れたかったのに忘れてない
懐かしくてかなしくて
また、涙するのか?
来てるみてる、あの丘の風景
ふと、摘んだ草の香りと苦さ
帰りたくて帰れない、かたわらにいた人がいない
懐かしくてかなしくて
また、涙するのか?
猫とおしっこ
猫はかわいいんよ
じゃれて囓られて
爪でひっ掻かれて
ボロボロの体でも
お勉強くらいなに
布団におしっこする癖あって
移り香ただよわせたりして
登校しなきゃならなくてなに
きっと素敵なフェロモンよ
猫のお手付きって指さされても
あたしたえられるもん
カレーと切れ痔
(ある意味、下ネタ?)
カレーはおいしいんよ
辛いのは痔によくないなんて
そんなんないわヒドいっしょ
頭キレてもお尻キレなくてい
便秘で?ンコがでなくて
だすときにあんま痛くて
泣いちゃうくらいなにさ
いろんなカレー
たべてみたいっしょ
がんばれあたし
まけるなあたし
今日のパンツ水玉模様
あしたのトイレは涙色
※お通じには
朝にガッツリ食べるより
フルーツジュースがいいみたい
朝は排泄タイムだから
消化には余分な力
使わないほうがいいらしいです
いろんなカレーがあるけど
共通してるのは
トウガラシの煮込み
だってことだそうです
(韓国料理も
トウガラシ使いますね)
これに含まれてるカプサイシンは
ほとんど消化吸収されないんで
もろ刺激になる…
トウガラシを
敏感な粘膜に
塗りたくってる
ようなものらしい
ま、まあ…
健康なお尻なら
そんなには問題
ないでしょう
たぶんおそらく
ひそやかでにぎやかな森
それはわたし達の中にある
それはわたし達の中にいる
ひそやかに森はあって
ひめやかに森は生きる
海にいこう
あの頃、俺達は……
寂れたボートハウスの中で
錆びた椅子に腰掛けながら
とりとめない夢を語ったけ
なあ、お前…
いまどうしてんだ?
たまんなく会いてぇ
エイプリルフール
一年に一度、嘘がつける日
だから、本当のことがいえる
好きだよ、と私がいう
嘘だろ、と貴方が返す
ええ、嘘よと笑う
泣きたかったけど
――ねえ、私
ちゃんと笑えてるよね
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