11章 胡蝶夢


 ピーターパン「おいでいっしょにいこう

 ウェンディ、きみだって飛べるんだよ」



 私:あたし、もう

 飛べなくなっちゃった。



 妹:大嘘ですね。


 お姉ちゃんは

 いまだに雲の中、


 ふわふわしてる

 じゃないですか。



 私:五里夢中、

 無我霧中(ノ_・。)





 実は、空を飛ぶ夢って、

 あんましみないんですよね。


 私の意識は日常的に、

 雲の中を浮遊してるようなもんですし、



 夢ってのは意識の補償作用、

 つまり、欠けてるとこを補うもんですから、


 夢になんないです。



 楽しいかって?

 半分肯定、半分否定。


 現実不適応って、

 けっこうつらいんですよ。


 ときとして、生きてることが

 重荷だったりします。



 どうしたら、生きられるのか?


 それでも生き方とか

 変える気にはなんないです。






 夢はいつだって、

 現実を変えてきた。


 人間に翼はないけれど、

 飛行機を拵えた。


 あの月にだって

 いけたじゃないか。


 いつか、もっと遠くへ

 いけるだろう。


 だから、夢みよう。

 蝶のように夢みよう。


 生命も時間も、

 滅びでさえも、


 みなつかのまの夢に

 すぎないのだから――。






 空を飛ぶ夢は、

 あまり見ないけど、


 宇宙空間を漂う感覚は、

 わりと簡単にイメージ出来る。



 回転する渦状星雲、星の爆発、

 ブラックホール、事象の地平線、

 ビッグバン、コイロンの泡…。



 心を無限に無限に、

 拡げていったらさ、


 小さなことがらなんて、

 気にしなくなれるかな。






 夢にはみる夢と

 叶える夢がある。


 私はひとくくりに

 しちゃってるけど。



“叶わずに散った夢は、

 夜の花のやうだ。


 女給さん、それを集めて、

 ポプリを作ってくれ給へ。


 きっと、いい女の

 匂ひがするだらう”



 ――大正銀河系、牛飼い座

 アルクトゥールス・カフェ






 知らないことを知らないのが

 無恥の恥。

 知らないことを知ってるのが

 無知の知。



 織り姫と彦星がプラトニックラブで、

 フォースのダークサイドで合挽きし、


 シュレディンガーの箱猫のアリスが昼寝し、

 アリスとテラスでいちゃいちゃ死学を詩い、


 ソクラテスの弁当をあ~んきゃはうふっ♡



 なんのこっちゃ

 ひねりすぎちゃって

 あたまいたい Y(_ _)Y






 ★★★



 昔読んだ本『10月はたそがれの国』

 レイ・ブラッドベリの短編集です。



 それにあやかりまして10月半ば過ぎに、

 最後の章『万霊節』を公開いたします。


 13章目でないのが残念です。



 内容は“夜遊びする娘はいけない娘”

“首切り役人がやって来る”、そして

“鏡の中の蜘蛛の巣、永生の揺籃ゆりかご”です。


 テーマは、「萌え×ホラー」なので、

 ちょっと可愛くて残酷な風味のお話。




 同じくハロウィン物である

『幽霊船をさまよう夢魔の百合』


 ホラーとして公開してるんで、

 よろしければご覧下さいませ。


 この章で書いたと同じく、

 蝴蝶の夢がモチーフです。



 ハロウィンにVRMMOログアウト不可、

 殺され続けているお姉ちゃん助けよう。


 そのハローウィンの夜に或るVRMMOで、

 同じ時間に同じ場所へログインしたのに、

 双子の姉妹はたがいに会うことができず、

 たった一人で海賊の幽霊船の中をさ迷う。


 繰り返される悪夢に姉娘は心蝕まれ、

 現実との区別がつかなくなっていく。


 妹は姉を救うため――。



 タロット占いによる運命の分岐で、

 なにげにマルチエンディングです。


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