4章 白雪姫
魔法の鏡
”王妃よ、あなたは、
いかにも美しい。
だがそれは、この城の
中だけでしかない。
ここの七つ塔からみえる、
七つの山を越えた森の中、
七人の小人達に守られた、
白雪姫はもっと美しい”
毒林檎
訪れる者がいる。
毒林檎を入れた、
籠をたずさえて。
赤は血の色、
罪の色は赤。
ガラスの柩
誰が白雪姫を殺したか?
移ろいゆく生命ではなく、
氷ついた永遠を望んだは、
一体、誰であったのか?
それは王妃だったのか?
小人達だったのか?
それとも、白雪姫
自身であったのか?
トマトは血の味、罪の味
山際の墓場は
夏でもひんやり心地よい。
下は畑があり
土葬だった頃
作物の生育が
異様だったと
父がそういってた。
あたしが生まれて母が死に
それでも父は母を思う。
あたしが母に似ていると
父はそういいあたしを抱いた。
あたしは母をしらないで
父に体を開いたわ。
あたしが17で父も死に
母といっしょに葬られる。
墓場を出れば草いきれ
まっ赤なトマトが塾ってます。
あたしはその実をもぎましょう
父を思ってたべましょう。
トマトは血の味
それは罪の味。
あたしは白い夏服の胸汚し
裾まで汚して貪り喰らおう。
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