第2話

第2話 なんだこれ



「なぁ、ともや。」


「俺らってさ。」


「なんて言うかこう、あれだよな。」


こいつは話す前にに語彙力をつけるべきである。


「いつ死んでもおかしくないと思うんだよね。」


「わかる。」


「いやだってさ、お前毎年怪我したり気絶したりしてるじゃん。もうほんとお前まじで死ぬんじゃね?って、いつも思ってるからね?」


「今回もさ、何?仮死状態?夢?・・・は?


死ぬじゃんお前。」


「うるせぇな。死なねぇよ。知らねぇけど。」


「リズム感作るのやめろ。」


「偶然だよ。」


「っていうかさ、そんなことまじでどうでもいいんだけどよ。もっかい分かるように説明しろよ。」


「だから、俺がどこにいても空気&落ちこぼれのロリコン豚野郎だから、そんなどうでもいいやつを本当にどうなるかわからないような謎の組織の実験体になってもらって、この学校を離れて別の施設で2年間過ごして、いろいろと報酬やらが貰えるって話。

簡単に言えば一旦姿を消して、ここに2年後に戻ってくるけど、それで俺はどうなってるか、いや、どう変わってるかは分からないって話だ。」


「ロリコン豚野郎って認めてんのかお前。」


「否定はしない・・・。」


「まじかよ・・・そんでいつ行くん?」


「3日後」


「そっか。まぁ、俺は結構お前と喋ってて楽しかったぜ。向こうでもげんきでな。」


「おう。」















その時、少し声が聞こえた。






「希望を捨てろ、そして、絶望に抗え。」






「・・・・・・・・・・・・。」








そんなこんなで、当日。


「準備は出来たか?」


「はい。」


「よし、行こうか。」


目の前には黒塗りの高級車が待ち構えていた。

乗ってすぐ出発し、目的地へと向かった。



何時間経ったのだろう。6時間ぐらいか?

とにかく目的地についたようだ。


そこは、大きさはだいたい東京ドーム3個分くらいはあるだろうか。凄くでかい。

目の前には正門らしきものがあり、門から入口まで100mは離れている。本当にでかい。

そしてここってどこに建てているのだろうか。

こんな大きな建物が出来たなんて、ニュースや新聞にも無かったし、こんなに大きい建物が国家機密だなんて言えるのだろうか。


「よし着いたぞ。私はここから入れない。あとはお前が行くだけだ。さらばだ。健闘を祈る。」


とりあえず入口まで行くとしよう。


横も凄く広いが、草原が広がってるだけで何もない。ただ永遠と広がっているような草原のど真ん中にある、コンクリート状の、入口までの一本道をゆっくりと進む。、

入口までほぼ100m、入口はホテルなどでよくある玄関に近い。


入口に立ってみて、やはりこの建物はとてつもなくでかいと実感しながら、中へと入った。目の前にフロントがある。

そこに1人の女性が居座っていた。


髪は綺麗な黒髪のロングに、赤い瞳、肌は白い。この人を清楚で綺麗だと言わない人なんているのだろうか。という具合には綺麗だった。

それと、赤い瞳の人なんて初めてみた。綺麗だな。















「カラコンですよ。」


(ですよね知ってた)


それから女の人はエスパーが多くて怖い。


「岩倉朋也さんですね!」


「はい。あの、ここって機関設立の学校で宜しいのでしょうか。」


「はい!こちらはフロントとなっており。ここに来る人達を案内しています!早速ですが、生徒登録をしてもらいます。左の部屋に向かって下さい。」


左の部屋には、大きな鏡が一つと、大きなスポットライトのようなものがあり、横には赤外線センサーがあった。


そこで赤外線センサーが鏡にあたり、反射して、大きくなり、自分の姿全体を纏った。


これはスキャンみたいな感じか。


少し経って。


「生徒No.100 岩倉 朋也 さん。生徒登録完了です。

生徒手帳をお渡しします。これから2年間、宜しくお願いします!」


「こちらこそ。」


No.100ってことは最後か。なんか緊張するなぁ。


「では、次の場所までご案内します。そこには、生徒全員が集まっていますので、着いたら岩倉さんも割り込んでくださいね!」


さっきから思っていた。この女、少し適当なんじゃないかと。

まずフロントで受け付けをしている人は、様付けだろう。まぁさん付けでもいいと思うが。


だが

割り込んでくださいね!は適当だとおもった。


そしてその場所に着いた。


割り込んでくださいね!とか言うからみんな立ったままだと思ったらちゃんと席はあったようだ。一つだけ空いている。


やはり最後だけあって少し視線が気になったが、とりあえず席に着いた。


目の前には大きなモニターがある。


100人もいるわりに声が一切ない。他の人も緊張しているのだろうか。





しばらくして、少し部屋が暗くなり、モニターが光った。そして声が聞こえた。


「生徒の皆さん。今回はお集まりいただき、ありがとうございます。

私は・・・・・この組織の支配者だか、Mと名乗っておこう。よろしく頼む。

まだ皆さんには、ここがどこで、これから何をするのか、何が始まるのか、殆ど理解出来ていないでしょう。


順を追って説明し、最後に疑問があればお答えします。


では!

まず、ここがどこなのか説明しましょう!!!


とりあえず、この建物。凄く大きいですよね。こんな建物あったっけ。いつ出来たんだ?そう思う人も多いでしょう。

実はですね、この建物、極秘軍事施設の一つなんです。ですから、知らない土地にこんなに大きな建物があっても、ニュースなどにはならないんです。」


今なんて言った?

軍事施設と言ったか?

ただ周りは何も無かったかのように見えた。

いや、武器とかそういう類のものが無かった。

まぁ軍事施設ができたなんてあまりニュースとかでも見ないし、第一極秘だしな。

さらに不安が高まるなか、次にMは、少し意味の分からないことを言い出した。


「まぁ、この建物については置いておくことにして、ここで何をするのかと、目的について話そうと思いますが、その前に・・・・。


あなた達は、世界に、境界に、それら全てに重圧された時、人生という名のプライドに掛けて、絶望に抗い、救うことが出来ますか?


できれば、これに対する問を、考えていてください。


本題に戻りますが、何をするのかと言うと、まずあなた達が聞いたのは、仮死状態になり、夢と同じ現象を与え、実験を行う為に、その実験体になってもらうと言いました。おおまかに言えばそのままの意味ですが、

要するにこちらで用意されている機械を使って

いろいろしてもらいます。」


要するにとか言っときながら更に適当に言ってるいるのを全力でツッコミたい衝動を抑えながらも続きの説明を聞いた。


「もちろんここは学校ですから、普通の授業を受けてもらい、テストもします。

欠点者やサボり者にはペナルティもあるのでご注意を。

それで放課後3時間、機械を使った実験を行います。

ただ土日は休日として実験もありません。

建物も凄く広く。ショッピングモールやゲームセンターなどの店を構えているので、好きに過ごしてください。

小遣いその他諸々はこちらで配布します。

寝泊まりは2人部屋を用意していますので、ご安心を。


何をするかについて説明はしたので、次に目的について説明させていただきますが、

はっきりいって目的という目的はありません。あなた達で作っていてください。」


ちょくちょく軽いこのMとかいうおっさんをぶん殴りたい。この責任感のなさに脱帽してしまう。とりあえず最後まで聞こう。


「夢と同じ原理なので、ほんとに何が起こるかわかりません。私たち実験者はモニターを通じて覗くことができますから何かあれば調整したりする程度です。

だからあなた達でがんばってください。


ここまでで質問はありますか?」


少し前にいる女の子が立った。可愛いと言えば可愛らしい。美人と言えば美人で、気迫もあり、何故ここに来たのか、という程に清潔感のある、1人の女の子が、一言。

「一つ質問させていただきます。あなたは私達に何をして欲しいのですか?」

「全てはあなた達次第ですから、何をして欲しい。とかはありません。」

「そうですか・・・・・・。」

「他に質は?・・・・・



無いですか。では、とりあえずこれにて解散にします!部屋の鍵を渡すので部屋でくつろいでいてください。次集まる時はチャイムでお知らせしますので、待機していてください。」


そんなこんなで、未だに何がおこるか理解できないまま、全ては始まろうとしていた。

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