第四章 アリアドネの暗号(14)
美咲と里絵奈は、スタンプラリーの本部にいた。
第二段階の通過者もいくらかいて、一等はまだだけれど、三等四等は出てしまっている。
すでに当選者が決まった景品がわかるように、黒板に一等から十二等まで、カードが貼ってある。当選したものはカードを裏返す仕組みだ。
その裏側にはひらがなが書いてあった。
「……か、し……、………と……」
まだ残っている部分は机を叩いて、美咲は楽しそうに黒板の文字を読み上げる。
「たぶん怒ると思うな」
里絵奈が呆れたように美咲を見た。
「でもいいの!」
この黒板の文字と、合言葉が美咲が聞いてもらったわがままだった。
服飾サークルの双子姉妹は、話を持ちかけたらノリノリでOKしてくれた。
「やっぱりね、このくらい派手にやらないとさ」
「まあ、これであんたの気が済むならね」
スタンプを集めた客がやってきて、二人の話はそこで途切れた。
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