第6話


だけど、そんな否定的なことばかり言っていても仕方がない。


全てに適性があるなら、何しても良いってことでしょ?


父は 法律家は向いてない と言ったけれど、全てに適性アリということなら、向いてないことが無いって事なんだから。


そう自分を奮い立たせてからの私は、今までの自分が何だったのかという程、熱意に溢れていた。


まず両親を説得して、先生にも法科大学に行きたいと言って、奨学金を借りる事を決め、それから…受験勉強を始めた。


元々成績は悪くない方だったけれど、中学に1年半通えなかったハンデにより入れた高校の偏差値といえばほとんど底辺だったので、大学受験レベルまで引き上げるのには苦労した。


正直、苦しかったし辛かった。

だけど、1度消えかかった夢を取り戻す為だから、頑張れた。


勉強だけじゃなくて、両親の説得も、何もかも、努力無くしては出来なかった。


努力は、尊い。

思いが通じれば、人に認めてもらえる。

努力が実れば、夢を叶えられる。

もし実らなくても、その努力はきっと別の方向に活きる。


福沢諭吉の学問のススメにも、


天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らず。しかし同じ人間なのに身分や地位に差が出るのは何故か。それは学問をしたかしなかったかによるのだ。


というようなことが書いてある。

それをもじるならば、


天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らず。しかし同じ人間なのに身分や地位に差が出るのは何故か。それは努力をしたかしなかったかによるのだ。


ということだ。


努力は、非常に、尊い。




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努力の尊さを君は知っているか 吉田 志乃 @kobito-penguin

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