紹介

 おや? 美味しい料理屋に連れて行って、ご飯でもご馳走しようかと思っていたのに、急に彼は話し始めた。


"aim2......えっと...... kua2 bau2,クア、迷いました。 sin1?名前は?"


 「迷いました。」と言われてもなあ。この男、といっても何か抜けている。そして、彼の名前はどうやら「クア」らしい。


!?


 同じ苗字じゃないか! おお、同族よ! といって、抱きつこうかと思ったが、流石に不審がられるだろうと思ってやめておいた。「クア」という名字ということは我々と同じパイグ人なのか? そう思って話しかけたが、通じなかった。


 とりあえず聞かれたからには名前を伝えなければ。

さっき彼がやったように胸に仰々しく手を当てながら、

”kua2 tau2 xem1!"

とだけ言った。


すると、少し彼も驚いていた。


 うーん、さっきタカン語のような言語を喋っていたし、もしやタカン人なのかもしれない。そういえば、タカン人の友人が、うちの家は「クア」族から別れた一家だとか、タカン人のクア族は「座筆アジカ」とか「筆糸クワバ」とかいう名前を名乗ってると聞いたことがある。


あ!もしかして、さっきのはkua2 bau2じゃなくて「クワバ」と言ったのか!

なるほどなるほど。じゃあこの男はタカン人か!だとすれば、実は......


のか?

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