第3話 初めての戦い

遺跡の周りを少し探していると、グローパーと呼ばれるモンスターをすぐに見つけることができた。


「あれがそうだよね・・」


僕は長い剣を構える。ジリジリとグローバーに近づいて、その剣で攻撃する。しかし、ウニョウニョと動く敵にうまく攻撃を当てることができず、剣は空を切る。攻撃されたことをモンスターは理解しているのか、触手を使って反撃してくる。見た目30cmくらいしかなかった触手が急激に伸びて、僕の腕を激しく叩いた。防具を付けているためか、痛みはほとんど感じなかった。


戦い方など誰も教えてくれない。すべて自分で学んでいかないといけないんだ。今度はよく狙う。そして勢いよく一気に剣を振り抜いた。ザックリという感覚で、グローバーを両断することに成功した。これが僕の初めての戦闘の勝利となる。グローバーを倒すと、黄色い丸い玉が出てきた。これがどういうものかわからなかったけど、ゲームでいうとドロップアイテムってものじゃないだろうか、もしかしたら何かに利用できるかもしれない、僕はそれを拾って袋に入れた。


そんな感じで、その日は1日グローバーを倒しまくった。その結果、黄色い丸い玉もだいぶ溜まった。まー何に使うかは不明だけどね。


遺跡に戻った僕は食事の用意をする。メニューは昨日とほとんど変わらないけど、味は気に入っている。でも食料もそれほど持つわけじゃないんだよな・・何とかどこかで手に入れないと、魔王に殺される前に飢え死にしてしまう。


食事を終えると、他にすることもないので焚き火の光で黒い本をパラパラと読んでみる。そこで気になる項目を見つけた。『水と食料の調達』・・これはまさに今欲しい情報の一つであった。


「何々・・水は比較的豊富で、あらゆる場所で手に入るであろう、しかし一つ気をつけないといけないのは、溜り水はなるべく手につけないことである。溜まった水には毒素がある場合があり、体調を崩す可能性が高い、なのでなるべく流れのある水か、湧き水を利用することを勧める。そして食料の調達だが・・これは大変難しい問題である。魔王の覇気の影響か、食料になる動物や魚もめっきり減り、食べれる野草やキノコなどもあまり育たなくなった。比較的手に入りやすい食料は、森にある木の実などだろうか、下記に食べれる木の実とその調理方法を記載する」

そこには幾つかの木の実の絵と説明が書かれていた。少ないが、食べれる野草やキノコ、あとは魚のとり方や食料となる動物の捕獲の方法なども描かれていた。


明日は、グローパー狩りはそこそこに、食料を探してみようと思った。食料調達も重要な問題なので、早めに対応する必要があると思ったのだ。簡単に手に入ればいいんだけど・・・

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