#7 決闘 ②、そして初クエスト

まずは【創造】でクナイを創り、そのクナイに【目印】を施した物を十本用意する。


それを、ロウガさんの近くに投げ刺し、そして僕は自身の紫紺の刀剣にも【目印】を施したら、それを投げる。


そして、その紫紺の刀剣をロウガさんが避けたところで僕は【瞬移】で紫紺の刀剣と同じところに瞬間移動して、紫紺の刀剣を掴み峰で首筋を叩くがやっぱり【鉄壁】で防がれた。


【創造】 MPを使用して、物を創造する。(創造する物のイメージなければ創造出来ない)


【目印】と【瞬移】はペアで使う。


【目印】でマーキングした物の近くに、【瞬移】を使うと瞬間移動出来る。


「硬いよ! こんなん攻めきれないよ!」


「ユウヤみたいなひょろっとしとる奴には、この【鉄壁】は破れんぞ!」


僕はロウガさんの話を聞き終わると、【瞬移】を使い、クナイのところに瞬間移動してロウガさんを叩くがそれもことごとく防がれてしまう。


……そろそろかな。


僕は【英雄一撃ザイフリート・バルムンク】で、拳に力をチャージする。


英雄一撃ザイフリート・バルムンク】 攻撃をチャージする事が出来る。最大三分間チャージ可能。


チャージしながら、僕は【瞬移】を使いながらロウガさんの背後に近づき、そしてロウガさんの背中に【目印】を施し、僕は一度ロウガさんと距離を置いて、口を開く。


「ロウガさん! これが最後の攻撃です! もし、これでロウガさんの【鉄壁】が破れなければ、僕の負けでいいです!」


「分かった、来い!」


「行きますよ! 【瞬移】!」


僕はロウガさんの背後に瞬間移動し、一分間チャージした拳でパンチを繰り出す。


僕のパンチはロウガさんの背中に直撃し、そのロウガさんの背中からボキッ!と音がしたから、急いでパンチするのをやめたが、ロウガさんは背中を押さえながら倒れてしまった。


「あれ? やり過ぎたかな?」


「いい、パンチだったぜ」


「そうか! いいパンチすぎて、背中を押さえてるのか!」


「違うわ! 痛いから押さえてるんだろうが!」


「あれ? 違いました? すみません。でも、この戦いは僕の勝ちですね!」


「あぁ。負けは負けだ。お前の勝ちでいい」


「ありがとうございます! アリシア〜! 勝ったよ〜!」


僕は観客席にいるアリシアに向かってそういいながら手を振った。


アリシアは少し恥ずかしそうにしながらも、手を振り返してくれた。


いやぁ、やっぱりまだまだ力の加減が難しいなぁ。


そう思いながら、倒れているロウガさんと話をした。


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ここは観客席。


優夜とロウガさんの戦いは、優夜の勝利で終わり、私はやっぱり凄いなぁと思いながら、ずっと優夜を見ていたら、優夜は私の方へ向き、手を振ってきた。


私はずっと見ていたのがバレたのかと思て、少し恥ずかしかったけど、頑張って手を振り返した。


そして手を振り終えた後、隣に座っていたロウガさんの弟子? のリンナさんが話しかけてきた。


「ユウヤさんでしたっけ? あの人、すごいですね! アリシアはユウヤさんの弟子なんですか?」


「私は優夜の弟子じゃないですよ。私は優夜の婚約者です」


「へぇ〜、婚約者なんだ〜。……えっ! 婚約者なんですか!」


「はい。でも、優夜は私に結婚したかったら、惚れされてみろって言って来ました」


「あの、どうしてアリシアは、そんな事を平気で言えるんですか?」


「え? 私、何か恥ずかしい事言いましたか?」


「え、あ、うん。言ったよ。『私は優夜の婚約者です』って」


「私、そんな事を言ってたんですか?」


「うん」


「そうですか。……でも、優夜も凄いけど、ロウガさんも凄いと思います! 異世界人の優夜の攻撃を防いでいたんですから! ……あっ、優夜に言うなって言われてたのに、言っちゃいました」


「ユウヤさん、異世界人だったんですか? それに、異世界人と一緒にいるって事は、アリシアは王女さんだったりする?」


「ど、どうして分かったんですか! 私が王女だって事!」


「どうしてって言われても、異世界人と一緒にいるのだから、そうなのかなと思っただけで、確信はなかったんです」


「そうなんですか。あの、優夜が異世界人っていうのは、隠しておいてくれますか?」


「うん、いいよ」


「ありがとうございます!」


「それじゃあ、ロウガさんとユウヤさんのところに行きましょうか」


「そうですね、行きましょう」


私はリンナさんとともに、優夜とロウガさんがいるところまで、話しながら歩いて行った。


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「何だよー。何で僕がクエストなんかに行かなきゃならないんだよ」


「そう言うなよ。このクエストは俺たちだけではクリア出来ないんだよ!」


「いちいち声がでかいんだよ! こんなにクエストがクリアしたいんだったら、ディオスでも誘ったらいいじゃん」


「ディオスって、あのディオスか?」


「あぁ、A級冒険者のディオスね。僕ね、今日はしたい事があったんだよ」


「したい事って何なんだ?」


「アリシアのレベル上げだよ」


「それなら、クエストを受けながらでも出来るじゃないか」


「でも、ロウガさん達が今受けようとしてるのは、難しいんだろ?」


「難しいな、俺たちだけなら。でも、ユウヤがいれば簡単だ」


「……はぁ、分かったよ。それじゃ、早くパーティを組もうか」


「そうだな」


パーティを組めば、パーティ内の誰かが魔物を倒すと、パーティ全員に経験値が入る。


だからクエストを受ける時は、パーティを組むのは当たり前となっている。


「よし、組んだな。それじゃあ、行こうか。アリシア、ロウガさん、リンナさん」


「おう!」


「「はい!」」


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今回、僕達が挑むのはブラッド・ウルフを15匹討伐だ。


「ブラッド・ウルフか。懐かしいな、アリシア」


「そうですね。懐かしいって言っても、2、3日前の事なんですけどね」


「何だ、お前ら。ブラッド・ウルフに対して何かあるのか?」


「ブラッド・ウルフのお陰で、僕とアリシアは出会ったと言っても過言ではないだろうな。ブラッド・ウルフがあの時、アリシアを襲っていなければ、僕はアリシアを助けてもいないし、姿を見てもいないだろうし」


「ユウヤさんとアリシアとの出会いって、私たちとよく似てますね」


「そうなのか?」


「まあな。……もう、こんな事をする暇はないようだな」


「そうだな。【敵感知】に7匹の反応があるな」


「来たな。お前ら、死ぬなよっておい! ユウヤ!」


「【七色槍セブンス・スピア】!」


僕はそう唱えながら走り出し、7本の属性の違う魔力槍がブラッド・ウルフを襲う。


こうして無事にブラッド・ウルフを仕留めた僕は「いやぁ。やっぱり弱いなぁ」と言った。


そしたら「パーティを組んでるんだからさ、もう少し加減しようぜ」と言われた。


「そうか? 次からは気をつけるよ」


そう僕は返すが、不安で不安で仕方がない。


人は簡単に死ぬんだから。


あの時だって、僕がちゃんとしていれば生きていたかもしれないのだから。


「ーー優夜? 行くよ?」


「あぁ」


それからしばらく歩くと、次は8匹のブラッド・ウルフの群れと遭遇した。


「そっちの4匹はお前達に任せる」


「あぁ、任された。……さて、アリシア。初戦闘になるが、大丈夫か?」


「大丈夫です」


「よし、じゃあ取り敢えず一匹ずつ倒すぞ! 【バインド】!」


【バインド】 生命体の動きを止める事が出来る。時間制限はなし。


【バインド】でブラッド・ウルフ三匹の動きを止め、一匹だけ動けるようにしている。


「アリシア、来るぞ」


「はい!」


アリシアはブラッド・ウルフの動きをちゃんと捉えて、避ける。


そしてアリシアは【アース】を唱え、砂を手のひらに創り出してから、【ウィンド】と唱えて砂を飛ばし、ブラッド・ウルフの目くらましをしてから、ブラッド・ウルフの首を細剣で突き刺す。


【アース】 初級単体土魔法。砂を創り出す、唯それだけ。


【ウィンド】 初級単体風魔法。弱い風を起こす。唯、それだけ。


アリシア、僕と同じような戦い方をしてるな。


《スキル》は単体では使わずに、二つ以上の《スキル》を組み合わせて使う。


「アリシア! 次行くぞ!」


「はい!」


僕はブラッド・ウルフを一匹だけ、【バインド】から解き放す。


しかし、アリシアはそのブラッド・ウルフの攻撃もちゃんと見極めてから避け、【ウォーター】と【フリーズ】の同時に発動させ、ブラッド・ウルフの足元を凍らせて、動かないようにしてから、正確に魔石部分を捉えてから突き刺す。


こういう戦いを後二回繰り返して、アリシアは安全にブラッド・ウルフを倒していった。


「よくやったな、アリシア」


僕はそう言って、頭を撫でてあげた。


「私、頑張りました!」


「うん、よくやったな!」


ロウガさんとリンナさんペアは、僕とアリシアペアより早くブラッド・ウルフを討伐しており、アリシアの戦い方を見ていた。


「お嬢ちゃんは凄いな。リンナも見習ったらどうだ?」


「見習ってどうするんですか? 私とアリシアでは、戦闘スタイルが違うんですよ?」


「それは違うよ、リンナさん。戦闘スタイルが違っても、その自分とは違う戦闘スタイルを自分自身の戦い方に組み込める可能性だってあるんだよ。そうだよな、ロウガさん」


「あ、あぁ。そうだぞ、リンナ」


「まぁ、ロウガさんの戦い方は何の参考にもならんけどな」


「それはないだろ、ユウヤ!」


「いやいや、ロウガさんは脳筋過ぎるんだよ。あの【鉄壁】だって、ロウガさん自身が反応出来なければ意味をなさないんだから。まぁ、【鉄壁】をどうすれば有効的に使えるかを考えたら、もう少し戦えるようにはなるんじゃないか?」


「【鉄壁】の有効活用か。……ユウヤならどう使う?」


「僕なら戦闘時は常に使用しておくな」


「そんな事出来るのか? 【鉄壁】は制御が難しいんだぞ?」


「それは、最大限に【鉄壁】を使用した場合の話だ」


「つまりどういう事だ?」


「それくらい自分で考えてよ。……はぁ。自分が常に使用出来る【鉄壁】の許容範囲を見つけるんだよ」


「許容範囲か。確かにそうする事が出来れば、防御力を上げれて、移動速度も遅くならないな」


「だろ? 《スキル》は有効活用するのが一番なんだよ。さっきのアリシアみたいに、初級魔法でも二つ組み合わせるだけで、足止め出来るんだから」


「そうだな。初級魔法くらいなら、冒険者じゃなくても使えるし、MPの消費も少ないもんな」


「ブラッド・ウルフを十五匹倒せた事だし冒険者ギルドに戻ろうか」


「そうだな」


こうして僕たちは、冒険者ギルドに戻り報酬を受け取った。


報酬 聖銀貨15枚 ブラッド・ウルフの毛皮15枚

ブラッド・ウルフの牙15個





















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