閑話 アイドルの座は譲れない3

★インターバル



つまんない……。


お館が無くなってしまった。

優しいお姉さんも、いつも遊んでくれる女の子も、いつもご飯を暮れていたお姉さんもどこかに行ってしまった。

認めたくないけど、いつもアタシの縄張りに侵入してくるアイツもいないとなんだかつまんない……。


「えさだぞ」


今、ご飯をくれているのはいつもご飯を用意してくれたお姉さんと仲の良かったお兄さん。

お礼代わりにニャオンと鳴けば、ごつごつした手で撫でてくれる。

でも、その顔は凄く寂しそうだ。お兄さんもお姉さんに会えなくてさびしいのかな?


もそもそとご飯を食べたらいつもの窓辺に登って外を見る。

もう外は雪が積もって真っ白だ。

ここはちょっと寒いけど、こうして待っていれば、いつかみんな帰って来るかな?


早く帰って来てよ。

やっぱりみんないないと寂しいよ……。

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