第6話



 入念に計画を立てて、その時を迎えた。


 警備の状況を把握し、期を待ち、状況を読み、組織から出ていく。


 だが組織も、国の暗部を背負う事だけはある。

 幾ばくかもしない内に、ユウとエリザの行動は察知され、狩猟犬の建物内に警報が鳴り響いた。


「絶対に逃がすな」「奴らは貴重な被検体なのだ」


エリザ「貴方の言ってる事は、本当なのね。でもどうして私を助けてくれるの?」

ユウ「自由を知りたかった。興味が湧いたからだ」

エリザ「そう、それはとても素敵な事だわ」


 自由とは何か、エリザに問いかける。


エリザ「自由を言葉で定義する事は、自由ではない事ね。でもあえて言うのなら。自由を楽しめたのなら、それは他の何にも勝る、とてもとても楽しい事よ」

ユウ「楽しい」

エリザ「きっと分かるわ。外へ行けば」


 追手を巻きながら、施設の外に出て、敷地の外に出ようとした時、しかしそいつは立ちふさがった。


ウィーダ「幻滅だぜ。ここから出てどこに行こうって言うんだ?どうやって生きていくつもりだ。俺達には、人を害する力しかないのに。ここから先へは通さない。狩猟犬から抜けたければ、俺を倒してからにしろ」


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