第5話
ユウ「なぜ、あんな事をした」
エリザがした事は規則違反だった。
犯罪人と無駄な交流を持ってはいけない。
それは狩猟犬の規則だ。
エリザ「私が罰を受ける事で、あの人の娘さんが最後の言葉を受け取れて、誕生日のプレゼントをもらう事が出来た。それが、きっと一番いい事だと思ったから」
ユウ「一番いい事」
今までのユウにとっては、ルールを守る事は一番いい事だった。
けれど、エリザの言葉を聞いて分からなくなった。
あの時の、エリザに会話を見逃してもらった、男の表情はとても穏やかで、晴れ晴れとしたものだった。
あんな顔を、ユウは今までの任務では見た事がなかった。
任務を遂行する時に、心が痛くならない表情を。
今までエリザの事は理解できないと思って遠ざけていたが、興味が湧いてもっと知りたいと思った。
だが、時間は待ってくれなかった。
ユウは、その話を聞いてしまったのだ。
狩猟犬の上層部の人間の会話を。
「例の規則違反について、考えはあるのか」
「緑の目をした能力者は国にとって大事な存在だ。あいつ等の力は、他の能力者よりもとても強力だ。だが、一度でも逆らったコマなど必要ない。準備ができ次第殺して、研究材料にしよう」
ユウは、狩猟犬の組織から逃げる事を決めた。
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