第10話 作戦

残り十分。紗羅とこの場所に隠れるのも少し難しくなって来た。その証拠に何人かここの近くを探している、幸い、まだ見つかってない。


「そろそろここを離れるぞ。」


今、ここに人は三人程度探しに来ている。このぐらいなら逃げれる。チャンスだ。


「けど、どうやって?人もいるし。」

「.....こうするんだ。」


自分は少しでかい石を見つける。


「紗羅、合図を出したら走るぞ。」

「えっ、わ、分かった。」


拾った石を、壁に思いっきり投げる!


ゴン!!


「なぁ、あっちから音がしなかったか?」

「確かに、聞こえたね。」

「いってみるか。」


鬼の三人組は音の鳴る方へいった。今のうちに。


「いくぞ。」

「うん。」




「.........あれ?」



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三人がいない間に逃げた。そして再び、今度は遠くの場所に隠れた。慎重に動いたからあの三人にはバレてないはず。

紗羅が隠れた時に聞いてきた。


「何をしたの?」

「逃げようと思っていた方向の反対の壁に石を投げたんだ。そしたら当然音が鳴る。鬼は音がする方へ探しに行くからそのうちに逃げれたということ。」


なんかこんなに喋ったの久しぶりだな、なんか疲れた。


「そうなんだ、なかなか頭を使ったね。」

「久しぶりにな。」


紗羅が笑う。これで、多分........足音だ。


「静かに。誰か来た。」


自分は紗羅の口を抑えた。

誰だ?そう思って見てみると、あの水嶋だった。


「.....うぅ!」


.....あ、紗羅の口抑えたまんまだった。

手を離すと紗羅に怒られた。


「もう、びっくりした!急にやめてよ。」

「すまん。」


紗羅は顔を赤くして言った。確かに急に、しかも異性に口を抑えられたら嫌だよな。申し訳ない気持ちになりながらもどうするか、考える。紗羅も覗いて状況に気づいた。


「どうするの、この状況。難しいんじゃ無い?」

「........」


水嶋じゃ、自分だけならともかく、紗羅が一緒ならそれも難しい。残り三分ぐらいか。なら.........




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(どこいったんだろ?)


私はそう思いながら逃げてる人を探す。時間は残り四分ぐらい。逃げてる人も三人らしい。確か、羽島くんと、紗羅さんと、春祇くん。

羽島くんは今他の人が探していて、私は紗羅さんを探す事になった。


(確かにさっき足音がしたんだけどなぁ)


そう、さっき鬼のスタート地点に一旦戻ろうとした時

足音が聞こえて、一瞬人影が見えた。それを追って来た。

何人かタッチしながらほぼ全体を回って来たけど、見つからず、あの時足音が聞こえたってことは.....


(まさか、ずっとスタート地点にいたとか?)


確かに、鬼のスタートの位置に隠れているなんて誰も思わないだろうし、けれどそこに隠れているということは、かなりその人は頭が冴えてそうだ。


その時、考えていたから反応できなかった。

いきなり出て来た人に。







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