第7話 呼び出し

あっというままだった。私が近道だと思って路地裏に入ったら、ガラの悪い人たちに囲まれた。

なんで、せっかくの入学式だったのに運が悪い、と思っていたその時に、


「なんだ、お前は」

「そっちこそ、なにやってるんすか?」


その男の子、うちの学校の人だった。見た感じは普通だった。大丈夫かな?なんて心配しているとガラの悪い男性のほうが、殴りかかった。


(危ない‼︎)


そう叫んでしまいそうになった時、男の子のほうが殴りかかってきた腕を掴み、膝で蹴り上げた。そのあとすかさず腹を殴った。


「凄い....」


小声で呟いてしまうほどの速さだった。正直あの見た目からじゃそうぞうできないほどだった。

そのあとガラの悪い二人組は逃げ出した。男の子が脅したからだ。

と、取りあえずお礼を言わないと。


「あ、あの」

「この路地裏、駅から近道だけど、あういうのもいるから使わない方がいいぞ。じゃあな。」

「あ.....」


そう言うと男の人はとっとと行ってしまった。


「ち、ちょっとまってください!」


声をかけても、止まってくれない。どうやらすぐにイヤホンをつけたようだ。

多分あの人はうちの学校の先輩だ。胸ポケットについていたビンが銀色だったからね。


(もう、絶対学校で探してお礼を言うんだから!)


私、浦澤神奈(うらさわかんな)はそう思った。






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あの日から週が明け、火曜日。席替えがあり、自分は窓側だった。目立たないをモットーにしている自分にはラッキーだった。ちなみに平山が前の席で、羽島と紗羅とは少し離れてしまった。しかも隣はあの水嶋だった。


「この文法はねー........」

「そうか。」


ちなみに今は、平山に英語を教えてもらっている。英語って難しいよね。だって日本人だし(言い訳)。


続きをやっていると刹那、視線を感じた。反射的に周りを見渡す。すると、一瞬だげ隠れたような影が、教室のドアから見えた。


「どうしたの急に?」

「いや、なんか視線を感じた気がした」

「僕は全然わからなかったけど。気のせいじゃない?」

「.....そうかもな。」


いや、気のせいではない。確かに視線を感じた。あの一瞬見えた影なのか?

色々考えていると、トイレにいっていた羽島が戻ってきた。


「なあ、奏。トイレから戻って来たらさ、」

「なんだ?」

「なんかスッゴイ可愛い後輩の女の子がドアの前に居てさ。どうしたのかって話しかけたら奏の方を指さして、『あの人は誰ですか?』て聞かれたんだけど、知り合いか?」

「いや.....多分違う。」


なんだ?誰だ?自分は後輩に知り合いなんていないぞ。


「和也、良く女の子と話せたね。」

「うるせー、ちゃんと話す前に深呼吸したわ。」

「したんだ。」

「その後さ、『後であの人に昼休み、一年の屋上に来てください、と言ってください。』て言われたんだけど、奏。何したんだ?」

「なんでやらかした前提なんだよ。」


失礼なやつだな。しかし、全く何も見に覚えがない。仕方ない。確かめる為に昼休みに屋上に行くしかないか。


「はぁ........」


また、面倒くさいことになりそうだな。

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