第6話 意外と弱い

始業式から二日後、入学式があった。特に何もなく終わり教室にもどるまで羽島、平山、紗羅と喋っていた。


「新入生、可愛い子多かったな!」

「そうだったの?」

「そうだぜ、平山!これは狙いを絞るのが大変だぜ!」


「二人ともバカだね。」

「まあそう言う奴らだからな。」


羽島どんだけ頭の中女のことばっかだよ。流石に少し引くわ。紗羅も引いてるし。


「なんだよ〜奏もこっち側にこいよ。」

「嫌だよ。なんで羽島たちと一緒なんだよ。」

「僕もその中に入ってるの⁈」






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入学式のため今日は午前中で終わったので、いつもの三人と一緒にファミレス行って、時間を潰したあと三人と別れた。

家まで歩いて行くのは面倒くさいが、歩くしかないんだよな。


「やめてください!」


なんてスマホをいじっていると、近くの路地裏から悲鳴が聞こえた。路地裏は夕方なので薄暗くなっていた。

覗くと二人の男と一人の女がいた。見た感じ男二人は大人で、女は学生、と言うかうちの制服だな、一年か?あれは。


「いいじゃん俺たちとどっかいこうぜー」

「おごってやるからさ、な」

「私用事があるので!」

「いいからいいから。」


しっかしあれはナンパしてるな。どうしようかな。まあ流石に助けるか、そこまで非道じゃないし。


「なんだお前、何の用だ。」


路地裏にはいると男の一人に言われた。


「そっちこそ、なにやってんすか?」

「うるせーな、お前には関係ねーよ。な、お嬢ちゃん」


男の一人は女の腕を掴む。


「離してください!」

「そこの人もそう言ってるし、離さないと「うるせーなお前、潰してやる!」


そう言ってもう一人の方が殴りかかってきた。

........面倒くさいけど、まあやるか。

やってくる腕を左手で掴み、腕を膝蹴りする。


「痛っ‼︎」


そう言って相手はよろめく。茫然としているもう一人の方の相手の懐に入りみぞおちを殴る。


「ぐっ....」


男が腕を掴んでいる手を離した。そして....


「あんたらがナンパしているところをスマホで撮ったけど、この映像を警察にだしたらどうなるんだろうな?」


男共に言うとそいつらは、顔を青ざめた。もう一息。


「今すぐどっか行けばなかったことにしてやるよ。」

「っち、仕方ね。逃げるぞ!」

「まってくれー!」


そう告げると二人は一目散に逃げた。意外と弱かったな。中学生でも勝てそうだな。

…終わったと思うと一気に疲れがどっときた。早く帰ろう。


「あ、あの」


あ、忘れてた。取りあえず言う事言って帰ろう。


「この路地裏、駅から近道だけど、あういうのもいるから使わない方がいいぞ。じゃあな。」


もう疲れたので帰ろう。後ろから何か声が聞こえたような気がしたが、まあいいか。

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