5話 無茶で龍で楽しくて 前編

次の日の日曜日、流石に昨日の出来事があったため疲れて昼過ぎまで眠りについていた。訳でもなく

昼前にはあのロリ姫に起こされた。

「奏よ!はよ起きんか!せっかく私が起こしに来てやってるというのに!」

こいつすっかりここに住み着いてるなぁ。

「昨日の戦いで疲れてるんだよ。てかなんでお前はそんな元気なんだよ」

「そりゃあ私が優秀だから」

ハイハイと適当に相槌を打って再び眠りについ...もいなかった。

諦めたのかイリアは大人しく下の階のリビングへと戻って行った。それを確認してから

奏はダルそうにリビングへと向かった。

「あっ!遅い奏!もう昼だよ!」

「燕さん。まだ12時にもなってないよ」

「彩人はいちいち細かいの!私にとってはお昼なんだから!」

!?まてまてまてまてなんでこいつらがここにいる!?

「あ、おはようございます。奏君。勝手にお邪魔させて頂いてます」

「あっ葛葉さんおはよう。じゃなくて!なんで皆ここにいるんだよ!」

何でってー。異世界に行くために!

見事に皆の声が揃った。

こいつら全然懲りてないのかよ。

「おー。やっと起きたか奏よ!さっそく出発するぞ!」

この際このロリニートがこいつらを家にあげたことはどうでもいいとして、

昨日の今日でよくもまた行けるな。こいつらの体力ケルベロス並みかよ。

「奏ー!はやく着替えてきなよ!奏待ちなんだよー?」

そして何故俺が責められる!?

はぁ。と深く溜め息をついて渋々着替えを済ませることにした。

「皆様、準備はいいですね?それでは行きましょう。」

リザの声と共に皆は再び異世界へと足を運んだ。

奏は眠気を覚ますために一度店から外へ出てみた。そして唖然とした。街がほぼ復興されているではないか。いくら何でも早すぎでしょー!2日3日は平気でかかるほど壊滅してたのに

「あぁ。街ですか。多分エルフの力を借りたのでしょう。」

後から来たリザが答える。

「エルフもいるのか。」

「えぇ。彼女らは戦闘向きではありませんが回復・修復スキルに特化していますから。」

「なるほど。そりゃあ便利だな。」

まぁ街が元に戻るのは良いことだ。

再び店の中へ戻ると皆が次の仕事について話していた。そしてあのロリニートが凄い

ニヤニヤしてるのが気になるが。

「あ、奏君!丁度良かったです!今皆さんと討伐の話をしていたのですが...」

少し困ったように笑って葛葉は奏を見ていた

「一体何を選んだのさ」

「じゃーん!見よ!奏よこれが次の討伐依頼じゃ」

なになに北の山脈にいる氷龍-アイスドラゴン-

の討伐。報酬金金貨5000枚

難易度☆×15

行く前に遺書を書くように...うん。

「...却下だ。」

「何をー!」

「そーだよー!奏!ドラゴンだよ!行くしかないでしょ!」

「行くしかないでしょ!じゃねーよ!この脳筋!クエストの難易度高すぎるだろ!おまっ、それに最後遺書って書いてるぞ!これ」

「勝てばいいんだよ!勝てば!ねぇ彩人」

「う、うんー。僕は任せるけど」

「葛葉さんは!?無理して行かなくてもいいんだよ!?」

「わ、私は行ってみようかな?それに大丈夫ですよ。」

「なんで??」

「あっ、大丈夫という点なら僕も思ったよ。」

「え、だからなんで。」

「えへへー。それはねこのメンバーだから!」

彩人は、イタズラっぽく笑って奏を見る。

「お前は幸せ者じゃのう?奏よ。こんな頼もしい仲間に囲まれて。で?どうじゃ?もちろん行くじゃろ?」

くそ、何て断りづらい。

「大丈夫です。私も行くので。」

部屋の奥からリザがでてきた。

この人が来てくれるなら心強い。

「仕方ない。んじゃまぁドラゴン討伐行きますか!」

おーー!と威勢良く皆は答えた。

そして北の山脈へと辿りつき

氷龍と対峙するのであった。

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