明日のための食パン


今日もまた世界がひとつ終わるような特効薬を探しています



口づけたコップのあかいろなぞる夜これは私のはじめてのキス



教室の革命少女はマゼンタの蛍光ペンで小指を塗った



音の無いギターを街でかき鳴らす僕らの詩をどうか教えて



イタリアの街を夢見るナポリタン深夜零時にお箸で食べる



蓋の飲み口から僕を監視するコンビニコーヒー黒々として



深夜二時猫背でうつむく僕に降る「ポテトチップス温めますか」



今は今この瞬間しかないわけで明日のための食パンを買う

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る