第3話ファン現る

「あっ…あの!」

ショッピングモールに侵入したところで、もじもじした青年に話しかけられた。

「あのっ!…死神さんですか?」

「いいえ、私はお使い様です。」

断言しよう、私は決してあいつではない!

あいつと一緒にすんなっ!!

心の中てはそう思っていても流石に初めて会った青年にそんなこと言ったりはしない。

「お使い様さんでしたか……っっっ!!!サ イン下さい!!!!」

…やばい、これは超面倒くさいのにあたった…。

…ていうか、お使い様にサイン求めんな。

そういう仕事は私の管轄外で、それらサービスは死神が行うようになっている。

…まあ、捕まえられたらの話だが。

死神は神出鬼没で正直お使い様である私でさえそのプライベートは謎だったりする。

あいつを一言で表すと「よくわからん奴」だった。

「サインとか無いので、…あの急いでいます ので…」

「そうでした!後3時間でショーが始まりま すねっ。…おともさせてください!!」 

ちっ…手強いなー。

でも急いでいるのは本当だ。

ここで時間を食いたくはなかった。

そうして私は仕方がなく青年の誘いにのった。

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