第59話戦いの行方!
飛翔を始めたエンシェントファイヤードラゴンに対し、晃はアリシアと共にオリジナル風属性精霊グリフォンにより追いつきアリシアの水属性精霊リヴァイアサンの攻撃魔法で見事に撃墜に成功を収めたのであった。
「お前達には本当に驚かされるぜ、空も飛べるとはな!」と闇の閃光のリーダーフィッツジェラルド。
殲滅の嵐のリーダーリカルドも「全くだ! そのエルフの姉ちゃんも精霊を呼び出して、凄え攻撃だった、開いた口が塞がらねえぜ!」
「苦しゅうないぞ!」アリシアが平然を装っているながらも、表情に笑みがこぼれる。
「これで逃げられる心配が無くなったぜ、野郎どもファイヤードラゴンに総攻撃だ!」
「おー!」
殲滅の嵐の重戦士達が次々とエンシェントファイヤードラゴンにバルディシュで攻撃を加える。
負けじと晃達や闇の閃光のメンバー達も攻撃を始め怒涛の如き総攻撃が始まる。
「必殺! 回転切り!」ルークがジャンプしながら前転回転切りするという新しい技を披露……なんかルークの技ってだんだんアニメチックになってきた様な気がする。
「おー凄え!」Sランクの連中から感嘆の声が上がる。
しかしそこは手負いのエンシェントファイヤードラゴン、前脚の鉤爪や特大のファイヤーブレスによる反撃もあり、Sランクの連中にも負傷者が現れ始める、その度に各パーティーの神官や賢者がフル稼働、エリザベスも大忙し状態である。
2時間に渡る総攻撃の結果、エンシェントファイヤードラゴンのHPも30パーセントまで削ることは出来たが!
「そろそろ魔力が枯渇しそうよ……」
闇の閃光の魔法使いミレーヌがつぶやく、晃達が大量に持ち込んで、次々と配った魔力回復ポーションもほどなく在庫切れを起こしそうである。
アリシアが「晃……悪魔公爵アスタロトを倒した時に使った殲滅魔法なら奴を一気に倒せるのでは?」
「ダークネスダウンフォールのことか? あのサイズに効く大きさの闇の球体を作るとなると少し
時間がかかるよ! その間は無防備な状態かも……」
「構わん! 俺とアリシアが全力でおまえを守ってやる」「もちろんじゃ!」とルークとアリシアが叫ぶ!
「闇に集いし眷属に命ずる……闇の波動を以って奴を殲滅させよ! ダークネスダウンフォール!」闇属性殲滅魔法の詠唱を終えた晃の掌に拳大の暗黒の球体が生まれる、そして自分の魔力を全て注いで行く。
拳大だったそれはソフトボールの大きさ、サッカーボールの大きさへと、少しずつではあるが巨大化して行く。
「すごい魔力だな……」思わずルークがつぶやく。
殲滅の嵐の連中の連続攻撃に反撃していたエンシェントファイヤードラゴンも晃が発するただならぬ魔力を感じたのであろう、鉤爪による攻撃を仕掛けて来た、ルークが魔剣グラムで受ける……しかし、なにせ超重量級の攻撃である……ルークが押される、アリシアも加わりなんとか凌ぐものの、さらなる連続攻撃が襲いかかる。
必死に受けるルークとアリシアの背後から、闇の閃光のリーダーフィッツジェラルドも加わって来た。
「坊やが何かやろうとしているのはお見通しさ、俺も一緒に守ってやるぜ!」
「すまない! まだこの大きさじゃあ奴を倒せない!」晃がフィッツジェラルドに叫ぶ、闇の球体の大きさは1メートルを超えたところだ。
そんな状況の中でエンシェントファイヤードラゴンがブレスを吐いて来た。
「ちっ! 防御魔法が間に合わない!」
超至近距離からのブレスだけにルークとアリシアの防御魔法が間に合わない……観念の意と共に思わず目をつむる晃……。
地獄の業火の襲来を予測する晃の身体には熱気こそ感じたが、焼かれる事は無かった。
目を開けると盾を持った殲滅の嵐の重戦士達7名がルーク、アリシアとフィッツジェラルドの手前でブレスを防いでいた……。
「おう! 坊主大丈夫か? 俺達重戦士は攻撃だけじゃないんだぜ! 防御に徹すればそちらも凄いんだぜ! 何かやろうとしてるんだろ? 俺達もバックアップしてやろう」
彼らの足元には両手戦闘斧バルディシュが
投げ捨てられていた。そういえば彼らの背中には盾が用意されてあったな!
「ありがとう!」晃は感謝を示しながらさらに暗黒の球体を大きくし続ける。
それ以降のエンシェントファイヤードラゴンの攻撃は殲滅の嵐ががっちりガードをしてくれた。
その間にも晃は魔力注ぎ続けて遂に闇属性の球体は10メートルを超える大きさに巨大化したのである。
「あとは奴の口の中にこれを投げ入れるだけだ! 奴の注意をそらしてくれ!」
「わかったぜ! 野郎ども行くぜ!」
リカルド達、殲滅の嵐の連中が地面に置いていた両手戦闘斧バルディシュを拾い上げエンシェントファイヤードラゴンに果敢に立ち向かって行く。
様々な魔法効果のエヘェクトを発しながら色鮮やかで強烈な打撃攻撃を奴にぶつける。そのおかげで奴の注意が殲滅の嵐の7人に集中する。
「後は晃くんの道筋を作るだけね」沙羅が言うとフィッツジェラルドが「よし、任せろ! 行くぞ!」闇の閃光の連中も続いて攻撃に加わる。
「よし、奴の口を開けさせてやる!」
ルーク、アリシアが大ジャンプ、奴の眼の前から氷魔法のガトリングロックアイスをぶち当てて行く、眼前の敵を噛み砕くべく顎を開ける!
そこに沙羅が槍ランスを棒高跳びの様に使い大ジャンプ、そして槍をつっかい棒の様に顎に仕掛けた。「今よ! 晃君!」
「行っけー!」全員が叫ぶ!
大きな闇属性の球体を両手の上に浮かべながら、忍者スキルの疾風大ジャンプをした晃はエンシェントファイヤードラゴンの口の中に球体を叩き込んだ。
今は帰りの船上であった。お約束の船上ドラゴン焼肉パーティーの最中である。
Aランクの魔法使いイレーナがビールジョッキを持ちながら晃に近づいて来る「あなた達大活躍だったみたいですわね、Sランクの方々もあなた達は別格の強さだと言ってましたわ、ギルマスにあなた達の昇格を推薦しますわ」
「いやぁそれ程でもないですよ!」
照れる晃のステータスには〔ドラゴンキラー〕の称号が誇らしげに輝いていた。
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