第55話Sランクとの共闘! 最終決戦!
バハムートを時間をかけながらも遂に攻略をした晃達は最終決戦に向けて大型火山の山頂を目指していた。
「傾斜がなただらかな大火山だけになかなか頂上が見えてこないな」晃がつぶやく。
「そうね富士山より大きいかしら」静岡育ちの晃や沙羅はいつも窓の外に霊峰富士を見上げながら生活を送って来た。
さらに1時間は歩行しただろうか! 標高4000メートル近くまで登り、夏だというのにかなり肌寒くなって来た。
山頂が見渡せる場所まで来た、そこから見渡せる先にクレーターの様な場所があり、その周辺に人だかりが……そしてそのクレーターから巨大な真紅のドラゴンが見え隠れしていた。
歩調を早める晃達、そしてクレーターの淵にたどりつき見ると傷を負った冒険者が15名程、「おーいお前ら大丈夫か?」ルークが声を掛ける。
早速、エリザベスが治療を行おうとするが、「俺たちの事は放って置いてくれ、戦いについていけなかった足手まといだから……それよりもクレーターの中で戦っているSランクの連中を掩護してくれ! どっちにしろ負けたら全滅だ! 頼む!」
彼らはAランクの2パーティーでSランクの「闇の閃光」と「殲滅の嵐」と共にレイドパーティーを組みここまでたどり着いたがついに大型ドラゴンと遭遇してその強さに圧倒され負傷し、Sランクの足手まといにならない様に避難して来たところらしい。
このクレーターは大型ドラゴンの寝ぐらで今Sランクの2パーティーが交戦中との事で、しかもとても強い相手だけにSランクの連中も劣勢との事だ。
そしてクレーターを覗き込む晃達の視線の先には……50メートルはあろう巨大なドラゴンが……その真紅と紫の見る角度で動いてみえる文様、圧倒的な佇まいはバハムートなんか比べ物にならない。
ネーム表示はエンシェントファイヤードラゴン
となっている、その大きさは最大級と呼ばれる古代の恐竜スーパーサウルスやアルゼンチノサウルスの45メートルを超えており、まさしく怪獣と言って良い。
その近くで戦うは「闇の閃光」5名と「殲滅の嵐」8名のSランクパーティーである。
晃達はクレーターの下に飛び降り彼らに近づいて行った。
「殲滅の嵐」リーダーが晃達に「お前達Bランクが何しに来た? 足手まといになるだけだ! 邪魔をするな!」
と言ってるそばからエンシェントファイヤードラゴンの尻尾の攻撃が来る晃達は大ジャンプで回避、猛烈な烈風が晃達を襲う! しかも火炎を伴っている、尻尾の一振りがまるで火属性魔法フレア並みの威力である。
もう一つのSランクパーティーである「闇の閃光」の連中が近づいて来た。「おー! エルフさん達かお前達なら充分戦力になる! 交戦し始めて1時間程経ったがまだ全くと言っていい程、あの炎のドラゴンの体力を削ることが出来ないでいる。 俺は闇の閃光のリーダーであるフィツジェラルドで剣士だよろしく!」
「闇の閃光」のメンバー5名の構成はリーダーである剣士のフィツジェラルドでブロンドの立派な肉体の剣士、タンクのハンクはブラウンヘアーの130キロはあろう巨体、魔法使いのミレーヌはブロンドのロングヘアーの美人、賢者であるエレインはシルバーのショートカット美人、そして槍使いのキーストン長身の南欧系ブラウンヘアーである。
彼らのレベルは90と晃、ルーク、アリシアには及ばないが沙羅達よりは高く巧みにエンシェントファイヤードラゴンの攻撃を避けながら自己紹介をして来た。
さあ共闘開始だ!
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