第54話決着! バハムート戦
翼を傷つけられなだらかな火山の斜面に堕ちたバハムートが晃達を睨みつけ、地面が振動を起こす様な猛烈な咆哮を繰り返す!
そんなバハムートにじわりじわりと包囲しながら接近して行く晃達であった!
「奴の弱点属性は水属性と闇属性だ、水属性の派生版である雷攻撃も有効だ!」
晃は叫びながら、雷属性の魔刀雷神に持ち替えた。
「ならばこの魔剣グラムも闇属性だから有効だな!」ルークは魔剣グラムを構える。
沙羅が「晃君! このロンギヌスの槍も闇属性だったわよね?」沙羅が愛槍をクルクル回し始めた! またもや自宅のモーションセンサーカメラの前でバトン回しているな。
「そだよー! 何せ呪いの効果があるからね」
桜が「私は水属性の神刀水龍を装備するでござる」
すかさず葵が「この武器、確か闇属性でしたわね」アイテムボックスから取り出したるは死神の大鎌……。
さすが世界に名だたる通販会社のご令嬢姉妹、星7のレア武器を次々と取り出す……どんだけガチャ回しとるんだか……。
そばで見てるエリザベスの目が点になっている。
しかし、大鎌とは……アニメや漫画には見栄えが良いせいかよく出てくるが実戦で使うにはあまりにも役立ちそうもないロマン兵器である……元々が農耕器具だけに。
バハムートが尻尾をぶん回して襲って来る、ルークがジャンプで回避! 猛烈な烈風が晃達を襲う。
改めて見るとやはりでかい、昔恐竜展に行った時に見たティラノサウルスの骨格標本はかなりでかかったが、それでも全長7メートル程度でその3倍はある。
ルークが魔剣グラムの必殺スキルダークカッターで攻撃する、5本の闇の筋が伸びてバハムートの顔面を直撃! 鮮血が飛び散り、痛烈な悲鳴をあげる。
「水の精霊に命ずる……マキシマムウォーターカッター」アリシアの放った圧縮された水の刃が次々とバハムートを襲う! さすが耐性のない水属性魔法だ、バハムートの悲鳴が続く。
「いいね! 斬り込むよ!」
晃の号令に合わせて桜は神刀水龍、沙羅は魔槍ロンギヌス、葵は死神の大鎌で斬り込む!
「大鎌使いづらいですわ、上段からの打ち込みしか出来ないですわ」やはりな……だから、草刈り向きだって……。
「特攻!」沙羅がロンギヌスの槍で棒高跳びしてバハムートの背中に飛び乗りザクッと槍を背に突き入れる。
「必殺! 雷神剣!」晃の剣が稲光を上げながら、バハムートに斬り込む!
「身体能力向上!」エリザベスが桜に補助魔法をかけている、「必殺! 水龍破!」桜の神刀が3匹の水の龍を出現させ、その龍が、バハムートに襲いかかり噛み付く!
悲鳴を上げるバハムートがこちらを向く「ブレス来るぞ回避だ!」
晃が叫ぶと「はいよ!」皆が返事をしつつ回避行動!
強烈なブレスを回避する晃達。
「よし、全員攻撃だ!」
1時間は攻撃し続けただろうか? 遂にバハムートが断末魔の悲鳴を上げて地鳴りを立てながら地に伏す。
「やったわ!」沙羅とアリシアがグータッチを交わしながら喜び合う!
「バハムート退治の記念に写メ撮ろうよ!」
「おーいいぜ!」ルークとエリザベスもバハムートの死体に近づいて行く!
「何か違和感を感じますわ?」葵がつぶやく。
「確かに……そうか! このゲームは死体なんて存在しないはずだ、光るポリゴンに変わるはず!
みんな離れろ! 死んだフリだ!」
「えー!?」
その時復活したバハムートが呑気に近づいて行ったルークに噛み付く、「痛え!」ルークが飲み込まれそうになるのをなんとか救い、さらに20分を費やしなんとかバハムートを光るポリゴンに変えた晃達であった。バハムートの肉や鱗、牙、骨などの超レアアイテムが大量にドロップする。
「いやあ、なかなか大変だったな!」エリザベスに苦笑いを浮かべながら治療をうけているルークである。
「気を抜いたら駄目ですわよ」葵の説教に反省する、沙羅、アリシア、ルークであった。
「しかしバハムートであんなに手こずるとは、火山の頂上に住んでるという伝説の炎龍はどれだけ強いのだろう」アリシアがつぶやく。
「よし、炎龍退治に向かうぞ!」
「おー!」
「ワン!」
まだ見ぬ強敵を倒しに火山の山頂を目指す風のドラプリwithエルフ兄妹と1匹feat.ベスであった。
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