第52話バハムートの脅威


 晃達に襲いかかるバハムート!


 その暗黒色と真紅の鱗に覆われた姿は禍々しく凶悪なものであった。しかも全長20メートル級はハンティングワールドオンラインの晃が遭遇したモンスターの中でも最大である。



「こいつはかなりでかいな!」ルークが叫ぶ!


「手強そうだ! 最初から全力で行くぞ!

エルフと僕が自由に攻撃! 沙羅達は葵の後ろから攻撃、葵さんはエリザベスを完全防御してやってくれ」


「わかりましてよ!」

 

 

 沙羅が「私はガチャで外れた星3クラスの槍をどんどん投擲して行くから、あとで回収手伝ってね」


「はいよ!」「ワン!」……コタローさん? 槍はさすがにゴブリンの骨より重いと思われ……。


 バハムートは一旦上空高く舞い上がり急降下をして来た。そして襲いかかる尻尾を使っての打撃!


 晃は忍者スキルの回避を駆使してさける……。


 ドーンという大音響と共にとてつもない数量の岩が晃の頬をかすめる。地面には半径50メートルのクレーターが出来上がっていた。



 「くっ……抜かったぜ! まるでメテオの様に強烈な攻撃だ!」

 ルークが岩の直撃を受けて瀕死の状況である……。


 「神聖なる神の守護の元に命ずる……ハイヒール!」

 コタローを肩当てに乗せた葵の大楯に守られて無傷のエリザベスがルークを即座に回復させる。


 同じく葵の大楯に守られて無傷の桜が矢を土魔法で鋼鉄化させて数本の矢を弓で放つがバハムートの硬い鱗が跳ね返す。

「え? そんな……硬いでこざる」



「ありがとうエリザベス! マジで切れたぜ! 俺は全力で、奴を屠ってやる! 土の精霊よ……

メテオ!」


 ルークが最上級の土魔法を詠唱……。


 上空から無数の流星群が現れ次つぎとバハムートを襲う……が、奴にはそれ程応えていない様子である。HPゲージがほとんど減っていない!


「相当タフだぞ! どんどん攻撃して行こう!」


 晃が大ジャンプして妖刀イザナギ改で斬りつける、20メートルの大物相手では晃の剣はあまりにも小さく見える。


 そして晃は尻尾の振り回し攻撃を喰らい吹き飛ばされた!


 エリザベスがヒールで即座に治療してくれる。

「サンキュー! エリザベスさん!」


 そしてバハムートは耳をつんざく様な咆哮を発してから光るブレスをアリシアに向けて吐いて来た!


「土の精霊よ……ロックウォール!」

 アリシアは土魔法の巨大な岩の壁を目の前に展開してブレスに対抗する。


 バキバキバキバキと大音響と共に壁が崩壊して行く「アリシアがやばい!」


 晃が疾風スキルを最大発揮してアリシアの身体をブレスから遠ざける。しかしアリシアの左腕に少しだけ掠った様だ。


 アリシアが「ありがとう! 晃」

しかし左腕が変色している……!

「どうやらあのブレスには、麻痺と毒の効果もあるみたいだ! やばいぞ! ブレスは防ぐより避けるんだ!」


「了解!」


 アリシアをエリザベスや桜の所に連れて行き治療させる。


 「ルーク! ひたすら攻撃して削るぞ!」

「わかった!」


「私も忘れないでね!」

 沙羅が槍をバハムートに投擲する!

魔法効果で炎を纏った槍はバハムートに突き刺さる!


「ワフ!」沙羅が槍を投げる毎に葵の肩当ての上に載っているコタローが興奮する。


「コタロー! 回収に行くのは、戦いが終わってからですわよ、ほほほほ!」


 ルークがエリザベスに「ジャンプ能力向上の補助魔法かけてくれ! 魔剣グラムでぶった切ってやる!」


 エリザベスが「身体能力向上、飛翔能力向上!」と補助魔法をルークにかけている。


 晃にも防御能力向上の補助魔法をかけてくれた。



 魔剣グラムを装備したルークが大ジャンプしながらバハムートに斬りつける!


「やるなルーク!」晃も負けずに、大ジャンプしてバハムートに飛び乗りザクザクっと妖刀を背中に突き刺す!


 戦線に復帰したアリシアが桜と一緒に大ジャンプして晃の様に飛び乗り神剣及び神刀でザクザクっと突き刺し始めた。



「快感!」

「気持ちいいでござるよ! お師匠グッドポジションでござる」

 沙羅の投げた槍が晃の足元数センチ先に刺さる。

「こらー! 危ないじゃないか!」

「ごめんごめん! 投擲スキルまだMAXじゃなかったのよね!」



 これにはバハムートもさすがにこたえたのか、咆哮を上げて背面飛行に入り晃達を振り下ろして来た。



 一旦上空に舞い上がり、恐ろしい視線を向けて来るバハムート……さあ、仕切り直しだ。









 


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