第30話悪魔公爵アスタロトとメデューサの猛攻!
沙羅、葵、桜と対峙しているのはメデューサ、蛇がビッシリ頭から生えており、1匹1匹が蠢いており、気持ち悪いことこの上ない。
青色の肌につり上がった蛇の目、足はなく下半身は蛇でガラガラ蛇の様な音を立てて威嚇してくる。
武器は三つ又の槍を持っており、レジェンダリーウェポン同様のレインボーオーラを放っている!
他のパーティーの激戦の後なのか、まわりは大理石の柱の残骸があちこちに転がっている。
「とりあえずあの大理石の残骸の後ろに隠れましょう!」葵の号令に沙羅、桜が従い回り込む。
「弓で攻撃してみるでござる」
大理石の残骸の後ろからメデューサと目が合わない様にボディに向けて桜が雷を伴った魔法弓を3発放った!
メデューサは難なく矢を三つ又の槍で矢を叩き折って桜の方向に向けて口から炎を吐いて攻撃して来た!
「まじでござるか!」
桜はくのいちならではの大ジャンプをくりだし、別の大理石に隠れた!
沙羅が「今のは魔法攻撃ではないわね! 詠唱なかったもんね」
「普通に火を吐いてましたわ! だとしたら厄介ですわね! 魔法ならキャストタイムがあるのですけど……」と葵が焦りながらつぶやいた。
一方、晃、ルーク、アリシアは魔王直轄の幹部であり、悪魔公爵と呼ばれるアスタロトと対峙していた!
黒い小さな2本の角、青白い肌はまさしく魔族の証、黒髪ウェーブのロン毛のイケメンである。
黒服スーツをまとった姿はホストの様な雰囲気を醸し出している。
余裕しゃくしゃくの表情でポケットに両手を突っ込んで微笑んでいる。
「たった3人で我にのぞむか? ヒューマンとエルフ、あまりにも無謀すぎて笑いが出そうだ! さっさと終わらせるか……」
ルークが「その余裕、後悔させてくれる!」
それを合図にすばやくアリシアがアスタロトの左前、ルークが正面、晃が右前にジャンプで散開して、アリシアがファイヤーボール、ルークがロックガトリング、晃がカマイタチを射出! 3方向からの魔法攻撃をアスタロトは手をポケットに突っ込んだまま、彼の目の前に魔法陣が展開、それぞれにファイヤーボール、ロックガトリング、カマイタチが反射されて襲いかかって来た。
爆風のなか晃は反射魔法をかわしながら「こいつ魔法カウンターを持ってるぞ、気をつけろよ!」
アリシアが「小生意気なやつだがさすが悪魔幹部だな、手強いな!」と爆炎の中から答えて来た!
「これならどうだ獄炎斬!」晃のオリジナル上級魔である炎を纏った風の刃がアスタロトを襲う!
アスタロトはジャンプしながらかわし「新しい術式魔法か? ははは面白いではないか! 解析完了!」
となんと魔法陣を作成して獄炎斬を晃に放って来た!
「マジかよ!」あわてて忍者スキルを駆使してかわした晃だった……。あっさりオリジナル魔法をコピーしてくるとは恐るべしだ! しかしG退治の時に出来た副産物だし悔しくないさ……。
しかしせめてポケットから手は出させないと……あの余裕振りに腹が立ってきた!
妖刀イザナギを抜きアスタロトに疾風の如く剣術スキルを駆使して斬りかかる。
相変わらずポケットに手を入れたまま足で受け止め始めた!
「なんて奴だ! 僕の剣術に足技だけで、対抗してくるとは……」晃が唸る、
「それなりにそいつは強いみたいだな! プライドは捨てて3人で攻めるぞ!」ルークの掛け声に、
アリシアが「兄者、了解した!」
ルークはすねとふくらはぎに金属製の武具を付けており、靴も金属製の尖った部分が無数に付いた蹴りに特化した特注品を履いている。
そのルークのカポエイラの胴回し回転蹴りが背後からアスタロトを襲う!
アスタロトがステップしてかわしたところに、アリシアの剣の突きが怒涛の様に襲いかかる!
これにはさすがのアスタロトもポケットから手を出し、空間から黒い剣を取り出し受け止めた!
「ふふふ俺に魔剣を取り出させるとはな、ほめてやろう! 3人ともそれなりにやるようだな! 魔剣グラムの恐ろしさを見せてやろう!」
魔剣グラムは大剣ほど大きくないが、長めの幅広剣でダークオーラを纏っている!
瞬足で移動し、その剣が晃に上段から襲いかかって来た、ウインドウウォールを下に向け射出しスピードアップした晃が後方へ滑り、切っ先を避けたはずだが!
闇の刃から放たれた一条の闇の筋がそのまま直進し、晃の肩に当たってHPを20パーセント持っていかれた!
「ルーク、アリシア気をつけろ! 遠距離でも攻撃が来る」
「わかった!」ルーク、アリシアが同時に答える。
そしてアスタロトがつぶやく。
「よく避けたな小僧、急所を僅かだが外したか! スピードだけはあるようだな!」
ルークが風魔法によりスピード強化された弓矢を5連発放つ!
アスタロトが魔剣で矢をさばく……!
ルークの上から大ジャンプしたアリシアが剣を上段から振り下ろす! さすが兄妹だ、コンビネーションばっちりだ!
アリシアのジャンプから放たれた強烈な上段振り下ろしをかろうじて魔剣グラムで受けたアスタロト! すかさずアリシアに「なめんなよ!」と捨て台詞を吐き、凄まじい剣撃でアリシアを襲って行く!
アリシアもお馴染みの剣撃乱舞で対抗するが押され気味である、やはりラスボスだけあって強さが半端ない!
こうなりゃなりふり構っていられない! ルーク、アリシアに直接攻撃をさせて晃は隙を見てアサシンスキル毒ナイフを投げつけた。
が! しかし簡単にアスタロト左手の人差し指と中指で受け止め、晃に投げ返して来た……。
素早くよけながらこれならどうだ! とルークの蹴りを魔剣で受け止めるアスタロトに忍者スキル毒吹き矢を20発放った、これはさすがに数発が命中
「小僧、その程度の毒など俺には効かないぞ」
やはりボスクラスには効かないか……。しかし微笑んだままで余裕しゃくしゃくのアスタロトにはムカつく。
癇癪玉、火炎瓶、麻酔玉を次々と投げつけた。
ひょいひょいと余裕でかわしながら、「小僧! いい加減鬱陶しいぞ、死ね!」
左手から高速で黒い玉が10発、晃に向かって放たれた、至近距離だけに数発が晃に命中! 爆発を起こした。
晃の着ている星7レアの物理攻撃、魔法攻撃緩和の性能を持つ忍者装束が威力を弱めて致命傷にならずに済んだ。
距離を取りポーションで回復をはかる……。
「ほう、死ななかったか! 防具の性能に助けられたな小僧!」
アリシアの剣撃を受け止めながらアスタロトが笑いながらつぶやく。
強力版癇癪玉を魔法で創生してくるとは、恐るべしアスタロト……。
一方沙羅、葵、桜の戦いは激戦の一途を辿っていた。
「沙羅姉5回目の石化でござるよ、気をつけるでござる」
桜が沙羅に石化治療薬をふりかけている。
「桜ちゃんだって4回やられてるじゃない!」
「う! 仕方ないでござるよ! 晃お師匠からは普段は相手の目を見て攻撃を読めって教えられていたでござるから、逆のことはすぐには出来ないでござる」
葵が「おほほほほ! わたくしは2回しかされてませんわよ!」
「葵ちゃんはメデューサの吐く炎をよけずに盾で突進できるからいいわよね! 私たちは鏡を見ながら炎をよけてから少しずつ攻撃を当ててるから、一手間余計なのよ」と沙羅が叫ぶ。
そこにメデューサの吐く強烈な炎が沙羅を襲う、
「また来たわ!」沙羅が槍を使って棒高跳びジャンプで避けながら、メデューサに一撃食らわし、距離を取る。
その隙に桜が手裏剣をメデューサに命中させる。
「なかなかメデューサのHPゲージ減らないでござる! やっと4分の1減ったかなってところでござるよ」
こちらは石化回数の少なさを争う大会会場と化していた……。
風のドラプリwithエルフ兄妹の運命はいかに……。
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