第31話精霊召喚VS悪魔召喚 虫達のアイデア
悪魔公爵にして魔王直轄幹部アスタロトの魔法カウンターと魔剣グラムの前に苦戦して勝利への糸口をつかめず焦燥する晃、ルーク、アリシアの3人であった。
同じく沙羅、葵、桜も同様に、メデューサの石化攻撃及び猛烈な炎を吐くスキルの前に手こずり未来の見えない状況である。
晃は妖刀イザナギと魔刀飛燕の2刀流でアスタロトに猛烈な攻撃を仕掛けていた、ルークもカポエイラの足技、アリシアも剣術で同時攻撃も全て、アスタロトが放つ俊速かつ強烈な剣さばきの前に、ほとんど阻まれほば無傷である。
入り口近くの大理石にひもでくくりつけられているコタローが「ワン! ワン!」と心配そうに応援している。
ルークが晃に、「このラスボスとの戦いが終わったら俺、結婚するんだ!」
「……」晃は困惑した。
アリシアがすかさず「兄者! 相手もおらんのに無理やりフラグ作りするな!」
「ははは! アニメでよく使われる、死亡フラグとゆうやつに立ち向かいたくなってな!」
死亡フラグ……物語に於いて、なにかイベントを控えているキャラが死ぬことで悲しみを誘い、感情移入を呼び起こすことから、脇役キャラが突然、結婚や引退をほのめかすと起こる事例である。
「はぁー……ルークが突然訳わからん事を言い始めたから焦ったじゃあないか! ははは!」
晃も笑いながら返した。
しかし、その笑いがアスタロトの本気を引き出してしまったようだ……。
「お前達! 談笑とは余裕だな……その笑い顔を恐怖で引きつらせてやろう!」
アスタロトを包むドス黒いオーラが現れどんどん大きくなり始めた!
アリシアが「なにかヤバそうな予感がする……兄者も晃も気をつけろ!」
「わかった!」晃の返事が帰ってくるタイミングでアスタロトが剣を持ってない左手の人差し指と親指でパチンと指を鳴らした……。
晃、アリシア、ルークの地面が大爆発を起こした!
細心の注意を払っていたおかげで3人ともジャンプで空中に逃げた!
ジャンプ回避を行う晃にアスタロトも素早くジャンプをして来て魔剣グラムで斬りつけて来た!
刀で受け太刀をするが、グラムの刃から闇の筋が伸びて来た。晃はかろうじて左腕に装着している小手で防いだ。
ミスリル製の小手が砕け散る。この小手をガチャで当てるのに、1週間程食事代を削ったな……。
晃は地面に叩きつけられてしまった!
また魔剣グラムの必殺スキルだ、あれは厄介だな……。
今度は着地したルークにアスタロトが襲いかかる! 闇のオーラが濃い必殺スキルだ、「ルーク直接受けるなよけろ!」足の武具で受け止めようとしたルークに晃が叫ぶ!
ルークが回避を必死で行った先に魔剣グラムの切っ先から闇の筋条の必殺スキルがルークに襲いかかる!
「ウォール!」ルークの土魔法のバリアが出現!
バリバリバリと音を立ててバリアを粉砕していくが、なんとか止まったようだ。
ルークが「晃の警告がなかったら致命傷になってた! 助かったぜ……」
アリシアが「しかし厄介な必殺スキルだな、魔法もカウンターが来るし、こうなりゃ精霊召喚リヴァイアサン呼ぶぞ! 兄者、晃避難よろしく!」
「了解だ!」
「オーケイ!」
ルークも晃も大理石の残骸の高台に避難!
ラスボス部屋だけに今までの大部屋よりかなり広く学校の校庭くらいあるので、今回は沙羅達やコタローに水害は降りかからんだろう……。
「いでよ水の精霊リヴァイアサン!」
アリシアの目の前に光が眩しいばかりに輝き始めた……。
青い肌に蛇の尻尾、美しいお顔をしたリヴァイアサンが出現した。
そのお姿を見た晃が「なんかメデューサに似てるなぁ! ひょっとして姉妹なのか?」
「そんなわけないだろ! 失礼な奴だ!」
「え!? 今精霊が喋った?」
「ははは! 今のはアリシアの腹話術だ! 得意技なのさ!」とルークが説明してくれた。
「小さい時はぬいぐるみ達と会話をよくしてたなははは!」とアリシアが返して来た。
ぬいぐるみと会話する幼少時代の美少女アリシアとか、破壊力抜群の可愛さだ……。
出現したリヴァイアサンを見たアスタロトは「ほう……精霊召喚魔法か? おもしろいがこれはさすがに魔法カウンター出来ないか……、ならば我が眷属よ、出現しろ!」
アスタロトの目の前の地面が闇の光を放ち下から醜悪な顔を持つ大男が徐々に出現し始め形成された!
「ご主人様! 何なりとご命令を!」
「我が忠実なしもべのスプリガンよ! あの精霊を滅せよ!」
「承知致しました!」
「悪魔召喚か! 気をつけろよ!」晃が叫んだ頃にはリヴァイアサンにスプリガンが急接近!
津波を起こすべく魔方陣を展開していたリヴァイアサンに抱きつきすかさず自爆した!
大爆発と共に爆炎がアリシアを襲う!
大爆発からジャンプでなんとか逃れたアリシアだが「リヴァイアサンがやられるなんて……」
動揺を隠しきれない様子である。
「今の大爆発なんなの?」沙羅が叫ぶと、葵が「アリシアの精霊リヴァイアサンがやられたみたいですわ! あちらも苦戦している様ですわ」
「メデューサを早くやっつけて私達も戦闘の手助けしたいのだけど……石化が怖くてなかなか正面から必殺スキルで戦えないのよね」と沙羅が悔しそうにつぶやく。
「手鏡見ながらだと、位置把握が遅れるでござるよ、後手に回って思い切った攻撃が出来ないでござる……」
と! その時沙羅の肩当てに変身していた金属甲虫達が飛び立った!
「あなた達どうしたの?」
金属甲虫達は12個の長方形の鏡に変身、4個ずつが沙羅、葵、桜の顔付近に取り付いた!
鏡は1個目が正面を写す役、それを反射する役、さらに反射する役、彼女達の目の前に見せる役をそれぞれ担っており、細い針金でそれぞれと彼女達の目の前を連結し頭に固定されたのである。
「あなた達やるわねー! これなら正面を鏡で見てるのと同じじゃない!」沙羅が感心しながら叫ぶ。
合わせ鏡に変身している甲虫達がコクコクと縦に頷く!
「虫さん達ありがとうでござる! これでメデューサと正面からぶつかれるでござるよ」
正面から堂々と戦える事となる彼女達の戦い方は、まるで水を得た魚の様であった。
正面からメデューサに向き合い、メデューサが炎を吐くと、葵が大楯で受け止め、後ろから沙羅のロンギヌスの槍の必殺スキル呪いの呪縛が炸裂!
スピードが落ちたメデューサに容赦なく桜の弓が襲って行く!
一方、晃達はアスタロトの魔剣グラムの猛攻の前に防戦一方であった!
必殺スキルから放たれる闇のカッターの本数がどんどん増えている、最初は本気で戦ってなかった様だ。
アスタロトの魔剣グラムがアリシアに襲いかかる!
「また必殺スキルだ! アリシア受けるな、よけろ!」晃の叫びに!
「わかっておる!」アリシアは真横に大ジャンプしてかわす! しかし闇のカッターが5本魔剣から放たれ、角度を変えてアリシアの着地地点に襲いかかって来た!
「なにぃ!」
横から何かが飛び出して来た!
星7のレアの大楯がしっかりと魔剣グラムの必殺スキルを受け止めた、葵の愛用の大楯である!
「皆さんお待たせいたしましたわ!」
「助太刀するでござる!」
「さあ皆んなでやっつけるわよ!」
3人娘の合流に士気の上がる晃、アリシア、ルークでありました。
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