第8話ルークとの決着 バンド結成!?
ルークの放った最上級火属性魔法メガフレアにより爆炎に包まれた晃であったが……爆炎の中から飛び出してきて、毒ナイフをルークに投げつけた……
「なんだとぉ! メガフレアで無傷とかありえない……」
ルークも驚愕の表情を向けながらナイフをかわす……
心配そうに見ていた沙羅が
「なんで晃君無傷なの?」
「それはだな……晃君の着ている装束が火魔法を無効化するからだよ……もちろん星7レアさ……」
と男性の声が後ろからして、ビクッと沙羅達が
振り返るとゲームプラス編集長兼武器防具屋の
岩田さんがいた……
「ちょ! 岩田さんびっくりさせないでよね! いるならいると先に言ってよ!」
「ははは……驚かしたのならあやまる、30分ほど前に晃君からメールを頂いてね、エルフの森で見世物あるから動画撮影よろしくって頼まれてさっきギリギリ間に合ったんだ……」
「晃お師匠、動画配信で小遣い稼ぎするつもりでござるか……ちゃかりしてるでござる」と桜
葵が「火魔法だけですの?エルフは火、風、水、土の4属性使えるってカーヤちゃんが前に言ってましたわ?」
カメラを操作しながら岩田が
「4属性だと? それはまずいな……晃君の武装だと火魔法は完全に無効化できるのと、腕につけた小手ににも右腕は風魔法軽減、左腕は水魔法軽減の効果はあるようだが……土魔法対策までは手が回っていないみたいだ……あのルークとやらが気がついたらまずいな……」
晃とルークの攻防はさらに続いており、
「風の精霊よ……メガトルネード!」
今度は最上級風魔法の竜巻が晃を包み空中に跳ね上げた!クルクル回りながら晃がダメージをヒーリング魔法で治しながら持ち替えていた魔弓で火魔法効果のある火矢を放つ! がしかしウォールにはばまれる……
「くっ……これならどうだワイドレンジライトニング!」
広範囲の稲妻が晃を襲って来た! 回避を試みるが広範囲のため、避けきれなかったがそれほどダメージを食らったように見えない。
「晃お師匠モロに稲妻を食らったように見えたでござるがピンピンしているでござるが?」と桜
「それはだな雷魔法は水魔法の応用だからな……雷が起こる過程は水分が雲を作って雷雲に発達して……だから水魔法なんだ」
「へぇーお詳しいですわねー岩田さん」と葵が感心しながら言うと……
「そりゃゲームプラスの仕事やってるからね有料会員になるといろいろなゲーム情報手に入るよ、特に女性の会員に人気があるのは芸能人が遊ぶVRゲームの出没時間と出没エリア予測情報だ……うまく行けば好きな芸能人を間近で観れたり、運が良ければ一緒に遊んだり出来るからね……駆け出しのタレントなんかはファンとの
スキンシップが図れるってことで自分からスケジュールを売り込みに来たりするんだ……VRだから身の危険や事故の心配もないからね……」
それを聞いた沙羅の目がキラッと輝き
「岩田さんタックンがよく遊ぶゲームとか知らない?」
「タックン? ああ高校生アイドルの滝沢光のことだな? 彼はそれこそ、このハンティングワールドオンラインをよく遊んでるね! 仕事の移動時間を利用して、マネージャーのクルマの中でログインしてるみたいだから、予測しやすい方だ……」
「入会します……すぐにでも……」沙羅が嬉しそうに答える
そんなやりとりの間にもスピーディーな攻防をルークとやりあっていた晃がチラリと沙羅達を見るとなにやら楽しげに岩田さんと談笑中……
もはやこちらを見てもいないんですが……
「くそ! 岩田さん……沙羅達と何を喋ってんだ……」と戦いより会話内容が気になる晃であった。
その時、ルークが「なにを戦いの最中によそ見しているんだ! 土の精霊よ……メテオ!」
流星群が空から晃に向かって降って来たやばい土魔法だ……しかも最上級……
襲いかかる流星群に晃は回避スキルを最大に駆使してさける……さけるが……しかし1発喰らってしまった……HP50パーセントは持っていかれた。
ポーションを飲むが完全回復しない……
「ふはははは……貴様どうやら土魔法に弱点があるようだな、土の精霊よ……」
と中級土魔法の岩の弾丸が晃を襲う。
「風の精霊よ……疾風の刃で殲滅せよ!」風魔法で相殺した……
メテオ2連発じゃなくて良かった、なぜなら晃の中級魔法では上級魔法までは防げないからである……
ヒーリングで完全回復に成功。どうやら最上級魔法は連発できないのか……
「なるほど風魔法はある程度使えるようだなでもこれは避けられなだろう! 土の精霊よ……貫きたまえ」
晃の足下から尖った岩が無数に突き出て来た!
ルークがご丁寧にも攻撃予告してくれていたお陰で足にチクリと感じた瞬間に晃も5メートル級の大ジャンプで空中に逃れることに成功!
錬金術アニメとかでは良くある光景だが、ゲーム内ならまだしも、現実としてそんなジャンプ力があるなら、体育教師が黙ってないな「神様から与えられた才能がありながら……陸上部に入らず錬金術の修行するなんて! 」みたいな……
などと考えながら下には無数のハリセンボン地獄が待っている! ルークがニヤリとしている、「風の精霊よ…」風魔法で減速、しかも針の上に着地、忍者の無重力走行スキルで……あの水の上を走るやつね! 驚愕の表情を浮かべているルークに急接近!妖刀イザナギ改で斬りつける! 勝ったな……
次の瞬間!なんとルークはイザナギの斬撃を足で受け止め……足には金属性の防具が、そしてカポエイラとテコンドーを合わせたような足技が、晃に襲いかかる
「キャア! ルーク様ぁ……」
「格闘王ルークの真骨頂発揮だな!」
エルフ応援団から聞こえてきた……
なにぃ! 格闘王だとぅ……晃の格闘技魂に火がついた! 刀を鞘に納めた晃は空手、ムエタイ、少林拳などの打撃格闘スキルを駆使して反撃を開始……
「晃くん頑張って!」
「お師匠頑張るでござる!」
沙羅達の声援を受けながら、右ローキックフェイント、ハイキックからの胴回し回蹴りなどの怒涛の連続技を仕掛けていく……
が! しかしだんだん晃が押され始めた……
重たいハイキックやカカト落としは防御してもダメージがあり、全体重を乗せたサイドキックに晃は吹き飛ばされた……やはり打撃系格闘技は体重別があるように、体重差……いやそれ以上にリーチの差が優劣に響いてくる
いや、体重差を覆せる格闘技はある、柔よく剛を制すの柔道……それを講道館の前田光世がアメリカ、ブラジルへ伝え、より実践的となって蘇った格闘技! そう柔術だ……
間合いさえ詰められれば……しかし執拗なルークの足技に間合いを詰められないでいた……やはりこれしかないなと、晃はある物体を投擲!
沙羅達にはチャットメールで「目をつむれ」と投擲したのは閃光玉だった!
ルークの周りがまばゆいばかりの閃光に包まれる
「目が……目が……」
フラッシュスタングレネード……それは日本の自衛軍が自衛隊だった頃から標準装備されている……
そう現代でもアニメでも最強なのだよ……太陽拳ってやつは!
目の見えないルークに接近し小外刈りからマウントポジションを取ることに成功、イケメンに馬乗りパンチは美しくないし、ヒールになりたくなかった晃は掌打を繰り出す……
こうなると柔術に対する防御手段を持たないルークは後ろ向きになった、満を持して裸絞めをキメる、ルークがタップした……
「そこまで! 勝者疾風のアキーラ」
「おおおおぉ!」観客全員総立ちで晃に向けて拍手が沸き起こっている……
ルークが起き上がり「完敗だ……君は強いな」
と握手してきた、イケメンは負けてもかっこいい
それにしてもまたスリーパーホールドだったな……この技は相手を傷つけずに完勝出来る最強技なのさ。
沙羅、桜、葵、岩田さんが駆け寄ってきて
「さすがは晃お師匠おめでとうでござる」
「さすがは晃君ねかっこよかったわよ」
「土魔法で攻められた時はハラハラしましたわ」
「晃君頑張ったな、いい絵が撮れたよ」
などと言ってる、君達が談笑に夢中だったのを知っているが指摘するほど野暮ではないさ……
ルークやブライアン、カーヤ、マーヤ達も近づいて来た。
「実にいい試合だった! さすがはアース大陸の達人だ見事であった」とブライアンが楽しそうである
ルークが「さすが疾風のアキラだ65年生きてきたがお前ほど強いヒューマンは初めてだ、完敗を認めよう」
「ええ! 65才?」晃や沙羅達も見事にハモった……
「エルフは長寿とは聞いていたがびっくりだな、ちなみにカーヤとマーヤは?」
「私達は幼年期が終わったところで30才になったばかりだ」とカーヤ
「えええええ!」みんな腰をぬかしてた。ちゃん付けで呼んでたもんな……
ルークが「修業をやり直したい、お前達の旅に俺も加えて欲しいのだが……」
「キャハ!それいいかも」沙羅がうれしそう。
「イケメンエルフと冒険、最高でござる!」桜も
「いいですわね、オホホホ」葵まで……
僕の築き上げたハーレムパーティーが……
いかんいかん! ルークには理由をつくってご辞退しなきゃ……
その時ルークの後ろから白髪で青い目の超美人エルフが現れ……
「兄者だけじゃ心配じゃ、私も一緒に連れて行ってくれ!」
「失礼した、妹のアリシアだ、こいつもなかなかの使い手だ……」
晃はすかさず「もちろんですとも、ぜひともよろしくお願いします」
こうして風のドラプリにイケメンと美人エルフが加わることになったのである……
その後はブライアンが精霊大樹の下に晃達を連れて行き、お前達に精霊召喚魔法を授けるということで晃には風の鳥型の精霊、沙羅には火の鳥型の精霊、桜には土のゴーレム型の精霊、葵には水の人型の精霊が授けられた。
「きっと戦いの際に君達を守ってくれるはずだ……」とブライアン
「精霊召喚魔法かこれはかっこいいかも……」
「ゴーレムさん使って暴れまくるでござる」
などと喜ぶ晃達だった。
と、その時運営からメールが
「精霊召喚魔法が取得可能になりました。エルフのクエストを20達成すると取得となります。また100名様まではオリジナルデザインの精霊が与えられますので競ってエルフのクエストを達成して下さい」
晃達はエルフのクエストを免除された上にオリジナルデザイン精霊もらえたようだ……
ルークとアリシアさんとはメールアドレス交換を終え次の狩りに呼ぶ約束をして、エルフさん達と別れた後……
「充分ラッキーだよな」と晃
「そうよね! 独り占めってわけにはいかないよねゲームだし!」
と沙羅達が喜んでいると
馬に乗った兵士が3人やってきた
「風のドラプリ御一行は君達であるか? ギルバート陛下より承った招待状をお持ちした」
内容は明後日王宮で行われる夜会に晃、沙羅、葵、桜を招待したい、つきましてアース大陸の技とか文化を披露して頂きたい……
「なにぃ! お題つきですよ! これだから王様ってやつは……」晃が頭を抱えながら言うと……
「あらあら、おもしろそうじゃありませんか」と葵が澄まし顔で答える。
「葵さん余裕ぶってるけど何披露するつもり?」晃の問いに
「もちろんピアノですわ! ショパンでもモーツァルトでも……」
「お姉ちゃんショパンジュニアコンクールで3位入賞したこともあるもんね!」
「あーなんかずるいなぁ桜は?」
「私は晃お師匠の頭にリンゴを5個積み上げて弓で射るでござる」
「ブッブーはい残念、魔弓那須与一の命中スキルを使うのは反則です」
「えーじゃあ晃お師匠は?」
「ふふふ……こういう異世界ものの文化交流にはテンプレがあるのだよ……美味しいスイーツをつくって食べさせるとお姫様とかが大喜びするのさ……バニラアイスとか、それじゃありきたりだから水菓子なんか面白そう……レシピ検索しなきゃ」
「ブッブーですわ、さっそく夜会で王様に龍ヶ崎フードサービスのスイーツを広め
るべく専属シェフを派遣するよう手配したところですの……晃君、本物のプロに勝てる自信おあり?」
「やられた! 葵さんの商魂に……」
桜が「そうだ葵姉がピアノ弾くんだったら私もヴァイオリンで参加しようかな、私だって2才から中学校の頃まで習ってたし……」さすがお嬢様
「よろしいですわよ」
慌てた晃が「おねげえです、あっしも打楽器でまぜておくれよ、こう見えてもVRタイコの鉄人ゲームでは小学校の時ランカーで、あまりの正確なリズムを刻むゆえ、ライバルからは類人猿最強のモンキーメトロノームと揶揄されてたんだ!」
葵が「それも面白そうですわね」
沙羅が焦りながら「ちょ! 私だけ置いてけぼりにしないでよ!」
「沙羅さん、なんか楽器できるの」
「……リコーダーなら小学校の時先生に花マルもらったわ……」
「……」
「なんでみんな、そんなかわいそうな子を見る目で私を見るの?」沙羅が悲しそうだ……
晃が「沙羅さんには歌があるじゃあないか、この前のカラオケむっちゃうまかったし!」
「それはいいですわね! 私たちが沙羅ちゃんのバックバンドやりますわ」
「晃お師匠ナイスアイデアでござる」
「ちょ! 曲はどうするの? 招待は明後日だからあと2時間と明日の土曜日しか練習できないし……みんな知ってる曲でないと……」
晃が「それに関してはアイデアがある、センターシティのVRミュージックスタジオにこれから行って猛特訓だ!」
かくして急遽バンドを組むことになった風のドラプリ御一行でありました……
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