第6話 教室での出来事 お色気軍団登場
ジリリーン! ジリリーン!
うるさいぞ……目覚ましか? 寝起きの良いはずの晃だが、少し昨夜は夜更かししすぎたようだ……何せ花火大会で、皆とはしゃぎすぎたようである……
サングラス端末を装着、ナビゲーターにメール一覧表示を指示する
「9件もメール来てるよ! 晃君……大量だねぇ」とナビゲーターが答える。
ボイスモデルはお気に入りの声優である結城奈々のボイスデータを有料でダウンロードしてある……
メールをチェックすると、ユリウスさん、鉄也さん、カエデさん、岩田さんなど
多数の感謝メールが来ていた……結城奈々さんが読み上げてくれた!
「次はカエデさんからだよぅ『晃殿! お礼を言おうと貴殿をお待ちしてたのだがなかなか戻って来なかったので、文にて失礼する、昨日はパーティの皆共々本当に世話になった、皆を代表してお礼を言う』だってぇ!モッテモテだねぇ」
ナビゲータを声優にすると賑やかで楽しいのだが、毎日だとさすがにうざいかも……
とりあえず朝食は簡単に納豆ごはんに冷奴、味噌汁これぞジャパニーズソウルフード! 大豆イソフラボンたっぷり!
昨日のうちに用意してあったロコモコ丼野菜たっぷり弁当をカバンに入れる
さあ今日は金曜日、明日は一日中ハンティングワールドオンライン三昧かな
張り切って授業を受けるぞ! 梅雨入りはまだなのか……燦々と輝く太陽の下、元気に学校に向かう。
そういえば昨日神殿に死に戻りした時、かなり弱気になっていたような……
桜のリハビリは雷太や哲郎に任してなんて考えて皆の待つエリアに戻ろうとしなかった……沙羅が迎えに来たから良かったものの、あのままだったら? と思うと……今日みんなと会うのは気まずかったかもしれない……
教室に到着……雷太や哲郎に
「おっはよう! 昨日はお疲れ様でした」と声をかける……
「晃氏! おはようだな……昨日は僕のゲーム人生で最高に楽しい日だったぞな!」と雷太が満面の笑みを浮かべていた。
「晃がなかなか帰ってこないんで皆心配してたんだぜ……彼女たちから今までの経緯は教えてもらったよ! また機会あればいつでも手伝うぜ! 俺も楽しかった」と哲郎も満足気に語る
その時眠そうにあくびを手で隠しながら姫宮沙羅が登校……つかつかと歩いて来た!
「みんな……昨日はありがと……」
少し照れたような表情で小さな声でつぶやいて、自分の席に向かって行った!
雷太が「リアル姫宮さんから初めて声をかけられたぜ! これも全て晃氏のおかげだなもう!」
晃が「僕もリアル姫宮は2回目だけどな……」
「えー!?」
などとやりあっているのを、教室の片隅で観察しながらキラリとメガネを光らせた、ある人物がいた……
そして、予鈴が鳴り…授業が始まり…
昼休みに雷太達が購買部のパンを買って来るのを待ち……戻って来たその時……
メガネをキラリと輝かせながらある人物が晃達に近づいてきた……名前は安木健二郎、クラス委員長だ……七三分けに黒縁メガネ、しつこさは半端ないやつで、委員長に選ばれたのだってクラスのひとりひとりに投票よろしくって、直談判して回って、あまりにもうざいので談判された方は
「ハイハイ入れますよ」
と言って、会話を終わらせたくなるような人物である……でもこういう性格の
人間は意外なことに、社会人になって営業として、売り上げを伸ばし続けて出世
したりするらしいが……
そういえばこいつ4月早々に沙羅に告って速攻で撃沈したってウワサがあったような……
「君達……朝見てたよ! 姫宮さんに一言小言を言われてただろう……どうせ君達ゲームやアニメのキモオタのやることだ姫宮さんのメールアドレスをハッキングでもして、卑猥な画像でも送ったりしたってとこか?」
「はぁ?……」「……」
あまりの妄想力の凄さに、あっけにとられて晃達は声を出せないでいる……出世がどうとか取り消しね……
「何も言えないところを見ると図星のようだな! だからゲームオタクやアニメオタクは社会の害悪なんだ! 姫宮さんに謝れ! そして謹慎処分に追い込んでやる!」
なんだなんだとクラス中が注目……
「ちょ!安木君、勝手にわけわからないこと言ってるの?」後ろから声が! 振り向くと沙羅だった……
「私は晃君と毎日ゲームで楽しく遊んでるし、昨日は春日君や山川君に助けてもらったので、お礼を言ったんだから!」
「あきら……くんだとぉ……毎日だとぉ?………」
安木君は真っ青な顔になりながらふらり、ふらりと教室から出て行った……
どうやら、沙羅に振られて少しおかしくなってたのかもな……問題は沙羅の方だ、
先程の発言がクラス中に響いたもんだから皆の視線とひそひそ声を浴びて浮きまくっている……助け舟を出したいが……今、晃が動くと話がさらにややこしく
なりそう……
その時、田中美奈が「沙羅ちゃん! 私達と一緒にお昼食べようよ!」ナイスアシスト! 田中美奈グッジョブ!
沙羅が「いいわよ!」と田中美奈の机に自分の椅子を持っていく! 美奈の隣には白川美香がいた……小太りの巨漢、メガネを掛けた色白な彼女は……まさしく雷太の女性バージョンでBLやアニメ大好きの腐女子であることを公言している……
そのざっくばらんであっけらかんとした性格は決してキライではない…
思わず晃は女子3人組みの会話に聞き耳をたてる……
「沙羅ちゃん今日はパンじゃなくて、おしゃれなランチプレートなんだ?
それってSAKURAcafeのテイクアウトのものでしょう?」と田中美奈
「割引で買えるから学校の宅配集積所に配達してもらってるの!」
「へぇ!いいなあ」
白川美香が「姫宮さんって最近ゲームやりだしたんだってね?」
「そうよ!」
「アニメとかは見ないの?」
「最近見始めたばかりだけど、結構ハマってる!特にフローラ王国騎士団とか……」
それを聞いた白川は悪魔のような微笑みを浮かべながら……
「それはいいこと聞いちゃった! お主なかなかに見込みがあるわね、立派な腐女子に育ててあげるわ!」
「婦女子? かしこまった言い方ね……」
ぶっ! と豆乳を吐きだしそうになった晃であった……
「晃氏きたないぞなもし……」雷太に怒られた……
そして放課後……マンションに戻って来た……明日は土曜、学校は休みなので弁当作る必要 もないので、早めにログイン昨日の花火大会の跡地である、エルフの森の近くの草原地帯にワープした……まだ17時40分なので沙羅達の待ち合わせには早すぎたようだ。
ウサギそっくりの小動物が寄って来た……昨日の花火大会のお客さんかな……
「お前モフモフじゃん!」
撫でてあげると大よろこびで体を押し付けて来る……周りに仲間が集まって来た……
こりゃ期待に応えなくてはな……エステシャンなみのテクを駆使して
モフモフ軍団を満足させようと、孤軍奮闘していると……
露出度の高い服を着た色っぽい女性達5人のパーティが近づいてきた……
「かわいい」
「なにこのモフモフ感!?」
「私達にも撫でさせて!」
屈み込むお姉様達の胸元が……ヤバイ!理性とは逆にチラ見してしまう……
「モフモフうさちゃん! いかせてあ…げ…る」
しばらくしてモフモフウサギ軍団達が撫でられて、あまりの気持ちの良さに
昇天した【寝た】頃、女性達のなかでも、お色気ナンバーワンの化粧濃い目のお姉さんが
「君、ランカーのアキラ君だよね?」
「はい、そうですが……」
彼女は金髪のストレートの髪をいじりながら
「私の名は霞よろしくね! アキラ君ってあの龍ヶ崎グループの娘姉妹と最近一緒にパーティ組んでるってウワサって本当なの?」
「ええ……その通りですよ、あと10分もすれば現れますよ」
「やっぱり本当だったんだ! お礼を言いたくてあなた達探してたのよ……」
「お礼?」
話の内容はこうであった、霞さんは結婚して子供を2人授かったところで
旦那と離婚してしまい……
子供達に不自由な暮らしをさせてなるものかと昼間は事務の仕事、夜はスナックでホステスの仕事を頑張ってたのだが、夜の仕事は予想以上にきつく、あまり酒が飲めないのに客との付き合いで飲まなきゃならないしで体力の限界を感じていた……そんな時に、龍ヶ崎グループのVRラウンジ【ラウンジドラゴン】で働きませんか? の広告を見て、働らくことになったらしい……
「おかげでどれだけ仕事が楽になったか分かる? 家でVRにログインして、
サラリーマンの悩み事や上司の悪口を4時間うんうんって聞いてるだけでいいし、VRだから酒も飲んだふり、酔っ払ったふりで済むわで……さらに酔っ払い客がふざけてお尻を触ってきても、きゃ! っとかリアクション適当にとっときゃいいのよね、それでもしつこい客にはVRエロ専門の業者さんを紹介することにしたら……その紹介手数料収入も馬鹿にならないくらい儲かるのよ……
それにねーアバターも実年齢、姿に合わせて作られているとはいえ、シワとかはないので、お客さんには『初めましてカスミです。27歳です』って言っとけば、信じてくれるのよね、本当は2人の子持ちなのにねキャハハハハ! 若い青年から結婚申し込まれるのなんて年中茶飯事って感じて、悪くない気分だわキャハハハハ!」
霞さんのマシンガントークにタジタジの晃は「はぁー」「なるほどー」などの
単純な相槌しか打てないでいた……
また周りのメンバーも霞さんと同じような境遇で龍ヶ崎グループには日頃から感謝を感じていたらしい……
そこに沙羅達が登場……晃がお姉さん達に囲まれているのを見てニヤニヤしながら桜が「晃お師匠! ハーレム状態でごさるなー」
「あらあら、リア充ハーレム野郎の称号はだてではございませんわねーオホホホ!」と葵……
照れ隠しで「俺はハーレム王になる!」昔の超有名アニメキャラのセリフになぞらえてみました……
沙羅に「キャハハ! 調子に乗ってるわね!」と一笑に付された……
その時お姉様軍団が葵と桜を取り囲み「龍ヶ崎葵ちゃんに桜ちゃん……本当に
ありがとう! お父様、お母様にもよろしく!」と深々と頭を下げるのを葵と桜はキョトンとしている……
霞さんが「じゃあ私達は出勤前のひと狩り行って来るのでアキラ君! 後はよろしく!」とみんなをつれて去っていった……
「あーずるい!」その後沙羅達の質問責め地獄を味わうハメになった晃であった……
「さてエルフの里に向かいますか?」と晃、すると葵が
「残念ながら、まだSAKURAcafeはエルフの里にOPENしてないのですわ、だからテイクアウト持ってきたので、ここにシート敷いて食べてから行くのですわ」
「そうしますか?」と食事しながら……
「エルフの里にもSAKURAcafeつくるの?」と晃が質問すると
「その予定ですわーただし、せっかくルックスの良いエルフの女性達がいるので、どうせならエルフのメイド喫茶にしようかなと、エルフの里に求人募集中ですの……ラウンジドラゴンもここではラウンジエルフとして営業予定ですわ……」
「さすが商売に関しては発想が凄いねーエルフのメイド喫茶行きてー!」
「お師匠いやらしいでござるな!」
「やだやだ!男ってやつは」と沙羅
ははは……
「ところで昨日気付いたんだけど……他のパーティって名前がついてるのよね、
ねえねえ! 私達のパーティにも名前付けようよ」と沙羅がおねだり口調で
言ってきた……
「まあ! 疾風のアキラ様であるこの僕が率いてるんだから『疾風軍団』
でよくね?」
「キャハ!ちょうテキトウすぎ!」
葵が「私達龍ヶ崎が所属している以上ドラゴンは入れたいわねえ」
「そうでござるよ」と桜も追随……
沙羅が「そうなると、私の姫宮姓からプリンセスは入れたいところよねー!」
だんだん面倒くさくなってきたぞ
「わかった!わかった!『疾風のドラゴンプリンセス』で決定異論は認めん!」
「ブー!ブー!かわいくない! 長ったらしいしー」
3人ともブーイングを浴びせてきた!
「わかった!わかった!『風のドラプリ』でどうだ」もはや何なのかわからん……
「いいわね! かわいいわ!」
「かわいいでござるよ!」
「よろしいですわ!」え? なぜか3人とも納得してる!?
しばらくしてからエルフの里に向かう「風のドラプリ」御一行であった……
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