だらだら怪談

VLP

「手に・・」

私が幼少期に体験した話です。


それは両親と川の字で寝ていた時の事です。


夜中にふと目が覚め、なんか右手の甲がむずむずとしたので、何んだろう?っと見てみると。




見ず知らずの女の人の顔がありました。




その人はこっちを見て真っ赤な口を思いっきり開けて、「きゃはははははははは」と笑っていました。

な!・・・・っと私はびっくりして目を見張りましたが、なんだかその「きゃはははははははは」がすごく腹が立って、何も考えず自分の甲にいるソレに向かって、思いっきり左腕を上げぶん殴ろうとしました。


その時、


そのままの金縛りにあいました。




あれ?体が動かない?!そう思いコレの仕業か!っと右の甲に目を落とすと、ソレはもういなくなってました。




ん?あれ?いない!っと思ったのですが、なんだかさっきまでの腹立たしさもさっぱり消えてしまい、それよりもすごく眠くなり、そのまま寝てしまいました。




朝起きて、昨日のアレはなんだったんだろう?と思いましたが、なんにも心当たり無いし、右手の甲も何事もないしでまったくの謎でした。




釈然としないまま顔を洗い歯を磨き、台所の母におはようと言いに行くと、母はすごく変な顔でたずねてきました。




「お前昨日変な夢でも見なかった?」




へ?夢?昨日変な事はありましたが。あれが夢とはとても思えず、とくに夢は見ていないと言いました。




そう・・・っと母は言い、その後こう言いました。




「お前昨日の夜、急に笑い出したかと思ったら、急にむくっと起きてこぶしを振り上げて枕を殴ろうとしてたよ。」




あれは夢だったのでしょうか?

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