お母さん

プロローグ

エミsaid


『カイちゃんそれどういうことなの?』


私が問いかけると、カイちゃんは


「だからあ、俺のばあちゃんの家の近くに霊園があるから

 一緒にお墓参り行こうぜって行ってんだよ!」


『私関係ないでしょ』


私が素っ気無く言う。カイちゃんは引き下がらずに


「お前ん家の墓もあるんだぞ」


ピクリ、と思わず反応した。

お母さんのことが気になったからだ。


お母さんは私が4歳の時に事故で死んじゃった人だ。

お父さんには「知らなくていい。お母さんの墓なんて」って。

おじさんに聞くと「知らんよ。エミちゃんのお父さんが知ってるんじゃないか」なーんて言われた。


そして私の家系で今生きている女の人はいない。

みんな心臓発作とか脳梗塞、癌、事故とかそう言うので死んでしまった。


その意味がわからない。せめてお母さんのお墓を知ればなんか

わかるんじゃないかって。


考えていたら答えはこれ一つになった。


『私、カイちゃんのおばあちゃん家に行くよ』


するとカイちゃんは


「やっぱな。お前ならそう言うと思ったよ」


そうやって私たちはカイちゃんのおばあちゃん家に行った。


これから起こることなんて知らずに...。

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お母さん @ibitsu

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