第5話 水の精霊
「わははーい!ひゃっほう!」
ユウトのケガはクーラリオの治療魔法できれいに治してもらった。ついでだからと、いっしょに服もパリパリの新品にもどしてもらって、格好も心もきれいにピカピカに。
そして風の羽かざりを使いこなせるようになって、本当に思い通りに空を飛べるようになったユウトは、たくさんの星明りでいっぱいの夜空を、元気よく楽しそうにくるくる飛びまわっていた。
「空を飛ぶのって、こんなに気持ちがいいことだったんだね!」
身の変わりの早さに、よろこんでいいのやら、なにやら正直びみょうなクーラリオ。
「おいおいおい。ほんの少し前まで走り出すこともこわがっていたクセに元気なもんだなぁ」
「だってこんなに高く飛んでいたら、さっきみたいに木に頭をゴツンってぶけたりする心配なんてしなくていいんだもん」
「なるほど、そういうことか……」
「わーい!まるで体に翼がはえたみたいだよ!」
びゅんと打ち上げロケットのように急上昇したと思えば、今度はまっさかさまに急降下。きりもみ飛行にバレルロールと、プロペラ複葉機のアクロバット飛行みたいに、思う存分夜空を飛びまわる。
「ユウト、本当にゴキゲンだな。でもなぁ」
「なあに?」
「楽しい楽しい夜空の空中散歩も、ここらで一旦お休みだ。見えてきたぞ、水の結界が」
クーラリオはくいくいと、ユウトに目線で水の結界の場所を示した。そこは山の奥からわきだした水がこんこんと集まって流れ落ちる、清らかな白い龍のように見える一すじの滝だった。
「ふわぁ。あそこに水の結界があるんだ」
「そろそろ降りるぞ」
「どうしてなの?」
不思議そうにたずねるユウトに、クーラリオはぴりりと空気をかたくして教えてくれる。
「こっちは空を飛んでいるから、地上からだと丸見えなんだ。狙い撃ちにされたらかなわないからな」
ユウトとクーラリオは舞い落ちる木の葉のようにゆっくり静かにと着地すると、今度はビュンと、木々の間を吹きぬける風のように滝の方に向って走り出す。
「おう、ずいぶん上手に走れるようになったな」
さっきとちがって、けもの道でもぶつからずにスイスイ走りぬけるユウトを、素直にほめてあげるクーラリオ。ユウトのような自分に自信を持てないタイプには、怒るよりもほめたほうがいいと、ようやくコツがわかってきたらしい。
「あれだけごっつんごっつん頭をぶつけたり転んだりしたから、コツ覚えたからもう大丈夫。走っても飛んでも、ボクはスイスイ一番星!」
けれどもその言葉を言い終わったすぐ後に、ガツン!とにぶい音が森中にひびいた。
「ふわぁ!あいたぁ……」
油断大敵。にょっきり飛び出していた木の幹に、ユウトはおもいきりおでこをぶつけてしまったのだ。
「やれやれ、力の使い方を覚えたってほめってやったそばからこれだ。お前ってやつは本当にポンコツだなぁ」
これだからお前ってやつはと、ふうっとためいきをついてしまうクーラリオだった。
結界の中心という滝は、森が開けた大きな岩やくちた流木があちこちに転がっている河原にあった。
「ふわぁ。ここの空気、すっごくひんやりしていて気持ちいいよ」
「ということは、水の結界の主のテリトリーに入ったって事だ」
見るからに気持ちよさそうにしているユウトに、クーラリオはちくりとユウトにクギをさす。
「どういうことなの?」
「この辺りの空気が水のしぶきでいっぱいっていうことは、この辺りは水の精霊の力でいっぱいということにもなる。だからこっちの動きは全部見られていると思っていいぞ」
思わずゴクリと息をのんでしまうユウト。そうと聞いてしまったらはしゃいで滝つぼに向かう事なんてできやしない。だから足取りもゆっくり重たく一歩一歩とふみ出して、きょろきょろと周囲をていねいにうかがいながら前に進む。
しかし、気配はどこからも感じられない。ただ、なめらかに流れ落ちるすずしげな水の音が河原一面にひびいているだけだった。
「でも、何もいないよ?」
「そんなはずはないんだが……」
目の前には、夜空の月の光をあびて銀色の絹糸のように水がこぼれおちる滝があるだけ。
ユウトはまず滝のてっぺんを見上げたあと、何かいるのかもしれないと思って滝つぼにむかって近づいていく。
「すいませーん。水の精霊さんはいますか?」
やがて、うっすらと“もや”が出てきてまわりの様子がぼんやりと見えなくなってきた。
「急にもやが出てきやがったな。ユウト、注意しろ。こいつは不自然だぞ」
その時だった。
「ふ、ふわわぁ!」
「おい、どうした?!」
上空を見回っていたクーラリオが急降下してみると、静かで平和そのものだった滝のまわりの様子が一変していた。
「がぼっ!がぼぼっ!」
「おい、もやが急に水になったってのか!」
まわりにただよっていた“もや”が、ユウトのまわりに集まっていた。いや、それはもうもやと呼べるようなものではない。水の帯になっていたというのが正しいだろう。
そして水の帯は、大蛇が得物をしめつけるようにユウトの体をしぼり、頭をすっぽりとおおいかくして、息ができないようにしてしまっていた。
「ごぼぼ!ごぼぼ……」
「ふきとばせ!風の力でふきとばすんだ!」
ユウトは巻きついてきた水を飲み込んでしまって危うくおぼれそうになりながらも、必死に風の呪文をとなえつづけた。すると風の魔法が発動し、ボン!という音を立てて、ユウトに巻きついていたもやの大蛇は吹き飛ばされてしまった。
「けほっ!こほっ!けほっ!」
その場にうずくまって、けほけほとせきこむユウト。まちがって肺の中に飛びこんでしまった水をはきだすのにいっしょうけんめいだ。
それでも苦しそうに右手で胸をおさえながら、左手でタクトをかざすのも忘れていない。タクトの動きに合わせて、くるくると風がユウトを巻きはじめた。
「よし、ちゃんと風でまわりを囲ったな」
ユウトは風を巻かせて、自分のまわりに水が入ってこないようにバリアを作った。クーラリオはそのすきまから飛びこむと、ちょこんとユウトの肩にとまる。
「今のが水の精霊さんの力なの?」
「そうだが、あれはちっとも本気じゃねえ。あのくらいはいたずらみたいなもんだ。本物はこんなもんじゃないぞ」
「こんなものって……、ふわわっ!」
ユウトの目の前で、滝の水が下から上にさかさまに逆流しはじめた。それもただ逆流しているわけではない。
水はうねりながら舞い上がり、やがてとても大きな生き物のような姿に変わっていく。それはまるでおとぎばなしに出てくる龍のようだった。
「み、水の龍だ……」
「こいつはミズチだな」
たんたんとクーラリオは水の精霊について教えてくれる。
「フーガとちがって、ずいぶん大きいよ」
「いや、ミズチはそんなに大きな精霊じゃない。どんなに大きくなっても、人間の大人くらいの大きさにしかならないはずなんだ」
でも、あんなに大きいよと言うユウトに、クーラリオはミズチについてもっとくわしく教えてくれた。
「あれはミズチが水で作った体だ。敵と戦うときは、ああやって自分の体を何十倍にも大きくするってわけだ」
「そうなんだ。なんだかカッコイイなぁ」
こわいのを通りこして、その大きくて美しい姿にみとれてしまうユウト。
「たしかにコイツも高名な魔導師たちがよくペットにしていたりするんだ。でもなユウト、今は感心している場合じゃないぞ」
二人の目の前には、長さが二十メートルにもなろうかという巨大な水の龍、ミズチがたちはだかっていた。
ミズチの口が大きく開かれる。
「よけろ!」
「ふわわ!」
ミズチの口から、水の刃が勢いよくはきだされた。とっさによけることができたユウトだったのだが。
「マ、マントのはしっこ、切れちゃった……」
なんとかよけることができたユウトだったが、マントのはしっこがすっぱりときれいに切りさかれていた。
「あいつの攻撃は、よけないとシャレにならないぞ。よけそこなったら、今度はお前の体がきれいにまっ二つにされちまうぞ」
ドスのきいたクーラリオの助言に、ユウトは思わず息をのむ。
「ビクビクするな。さっき見せた度胸はどこにいった?」
「わ、わかってるよ!フーガからもらった風の力で吹き飛ばしてやる!」
「よしよし、その調子だ!」
ユウトはにぎったタクトを、くるくるとうずを巻くように回しはじめる。すると、まだ呪文もとなえていないのに、まわりの空気がぎゅんぎゅんとうなりをたてて集まってくる。
「フーガ、力をかして!」
あつまった空気はタクトの先でボールのように丸まっていく。空気の爆弾だ。
「行って!ターム!」
ユウトが空気弾をうちだしたのと同時にミズチもその長くて太い水の体をたたきつける。
バシィ!!
水と空気が爆発した衝撃音がひびきわたる。辺り一面にまきちらされた水しぶきは、まるで夕立のようにはげしい。
はたして、勝ったのはユウトなのかミズチなのか?!
「よっしゃぁ!」
クーラリオのよろこびのさけび。
視界がはれると勝敗は明らかだった。ユウトは飛び散った水を浴びてずぶぬれになっていたが体にキズは一つもない。対してミズチは、その水で作った体の半分を吹きとばされていた。
「いけるよ!」
けれどもユウトのよろこびも、ほんのつかの間。すぐにミズチは滝つぼのまわりの水をすいあげると、たちまち体を元にもどしてしまったのだ。
「そ、そんなぁ」
おどろきとガッカリをかくせないユウト。しかし意外にもクーラリオは余裕の様子。
「気にするなユウト!この調子でミズチの体の回りの水を全部吹き飛ばしちまえ!水がなくなってしまったら、あいつは元には戻れないぞ!」
「そ、そうか!ここは小川だし水があんまりないから……」
「そういうことだ!」
「よ、よーし!」
風の精霊フーガの力をかりている今のユウトは、思ったように空気をあやつることができる。だから空気をおもいきり固めた空気弾いっぱい作って、次々とうちだしつづけた。
空気弾はミズチの体に当たると爆発してミズチの水の体をふきとばす。けれどもミズチは、すぐにまわりの水を吸い集めて体を元通りにしてしまう。
ミズチとの勝負は一進一退のはげしいものになった。
だが、まわりにこれでもかとたくさんある空気と、滝つぼのまわりに限られている水とでは量がちがう。少しずつだが確実に一歩一歩とユウトが押していたのだ。
「もう少しで……」
肩で息をぜいぜいとつくユウト。ユウトも疲れを見せていたが、ミズチはその体の大きさを半分以下にしてしまっていた。
このままいけば、ミズチの水の体をひっぺがして本体だけにしてしまうのもあと少し。けれどもクーラリオはミズチの様子がおかしい事に気がついた。
「そういえば小さな滝つぼだからって、それだけにしてはやけに水が少ねぇ……。まさか!」
いくら場所が小さな滝つぼだからといって、今まで流れていたはずの水がきれいになくなっていたのはおかしなことだ。クーラリオはすぐに危険をユウトに知らせた。
「空へ逃げろ、ユウト!」
「え?!」
「ミズチは何かやらかす気だぞ!」
「何かって……、うわわぁ!」
だが遅かった。ミズチが現れてから流れが止まっていたはずの滝の上流から、今までたまっていた分の水が一気に流れ落ちてきたのだ。
ミズチはわざと上流をせき止めて、水をためこんでいたのだ。
「逃げろ!逃げるんだ!」
しかし時はすでにおそかった。ためこんだ水をえて、とんでもなく巨大化したミズチは、ユウトを一口で飲みこんでしまう。
「ユウト、逃げろ!逃げ出せ!」
だが、ミズチはとぐろを巻いて丸まると、体内の水を大うずにしてぐちゃぐちゃにかき回す。ユウトは洗濯機の中の洋服かタオルのようにぐちゃぐちゃにかき回されていた。
「ユウト、ユウト、ユウトォ!」
大きくふくれあがったミズチの体の中で、ユウトは口や鼻から水を飲みこまないように手でおさえて丸まっていた。
しかしそれもどれだけ持つのか。回転が速くなると、ユウトの様子も見えなくなってしまう。
やがて、ミズチはその口に流木を飲みこむ。流木は渦のなかでするどくとぎあげられ、やりのようになってしまった。
そのヤリのようにとがった何本もの流木はうずのなかで暴れだす。
ユウトにとどめをさそうというのだ。
「こ、こんちくしょう!オレさまをナメるんじゃねぇ!」
全身を光らせて、ミズチに体当たりしてユウトを助け出そうとするクーラリオ。
だが、ようすがおかしい事に気がつき、とちゅうで急ブレーキ。そのまま急上昇した。
ドォン!
突然、大爆発がおこった。
ミズチにあつまっていたたくさんの水がふきとばされ、あたり一面は水びたしの大洪水。急上昇したクーラリオも、あぶなく水の柱に飲みこまれるところだった。
「な、何がおこったんだ?!」
二、三回空中をぐるぐると回ったクーラリオは静かに爆発の中心に向う。
そこには、全身ずぶぬれになっていたユウトが一人立っていた。うでの中に、何かを大事そうにかかえて。
「つ、捕まえたよ……。君、こんなに小さかったんだ」
ユウトのうでの中にいたのはミズチの本体だった。
ペットショップに売っているウーパールーパーの手足をなくして、もう少しトカゲのようにしたような体だろうか?ユウトが楽にかかえられる大きさの両生類に似た動物。それが水の精霊ミズチの正体だった。
ミズチはフーガと同じように首輪をつけられていた。水からはなされてしまい、ぜいぜいと苦しそうに息をついている。
「君も首輪をはずしてあげるね。もう少しおとなしくしていて」
ユウトはフーガと同じようにやさしく子守唄のように呪文をとなえる。するとミズチの首輪はくずれ落ち、水にとけて流れていった。
「これでよし。ミズチ、君はこれで自由だよ」
ユウトはミズチを流れが戻った滝つぼに返す。
するとミズチはその中にうれしそうにとびこんでいった。すると、この場所のまわりにあった壁の気配が消えていくのを感じる。ついに第二の結界をやぶる事に成功したのだ。
「やったな!二つ目の結界も攻略だ!それにしてもユウト、お前どうやったんだ?」
クーラリオの質問に、ユウトはとくい気に答えてみせた。
「ミズチに飲みこまれたとき、しっかり丸くなって、まん中に空気をためこんでいたんだよ」
「おお!」
「あとは動きが止まったところで、どかーんって爆発させて水を吹きとばしたんだ。そうしたら泳いでいたミズチは水がなくなってしまうと逃げられなくなっちゃうから、すぐに捕まえたんだ」
そう言うと、空いていた左手で魚を素手で捕まえる仕草をしてみせる。
「ボク、お父さんからね、お魚のつかまえかたを教わっていたから、同じようにやったんだよ」
お父さんから教わった事が役に立ったんだよと、うれしそうにしているユウトだったが、クーラリオの方は怒っていた。
「ば、ばっきゃろう!あと少し爆発させるのがおそかったら、お前はどうなっていたと思ってたんだ!」
「ふ、ふぇ?」
大きく息をすいこんで吠えるように叫ぶクーラリオ。
「いいか良く聞け、お前は今ごろ、そこの流木のやりで串焼きみたいに、体中をめちゃくちゃにクシ刺しにされていたんだぞ!」
「え?そうだったの?」
「ミズチが動きを止めたのはな、あそこに転がっている流木を飲みこむためだったんだ!」
クーラリオが指し示した先には、するどくヤリのようにとがった流木が何本も転がっていた。
「お前ってやつは本当に……、心配ばっかりさせやがって」
まったく、さんざん肝を冷やかしてくれやがってと、毒づいてしまうクーラリオ。
「でもね、これでクーラリオもボクを見直してくれたでしょ」
「いいや、見ているほうをハラハラさせているようじゃあ、見直してやるわけにはいかねえな」
「ええー!?そんなぁ」
せっかくほめてもらえると思っていたのに、クーラリオからはきびしい言葉しかもらえなくて、ユウトは目に見えてがっかり。
しかしその時、突然滝つぼからミズチが飛び出してきた。ミズチは、ずぶぬれのからだのままユウトの帽子の上にちょこんと着地。するとミズチの心の声がユウトに聞こえてきた。
「ほ、本当にいいの?!」
「お、おいどうしたユウト?」
「聞いてクーラリオ!ミズチもボクに力をかしてくれるんだって!」
とびあがってよろこぶユウト。すると頭の上のミズチはバシャリと水になってユウトに降りかかる。
その水はユウトの首もとに巻きついたかと思うと、水のマフラーになっていた。
さわった感じはたしかに水なのに、さわった手や首がぬれるわけでもなく、服にしみこむわけでもないふしぎなマフラー。
「そっか、このマフラーがミズチなんだね」
こうしてユウトはミズチと契約して、水の力も使えるようになったのだ。
「おうおう。風に続いて水の精霊とまで契約できるなんてな」
「えっへん!どんなもんでしょ!」
今度こそとくい満面のユウト。しかしクーラリオは時間の方を気にしているようだった。
「残念だが、ほめてやるのはあとまわしだ!この調子でサクサクと次に行くぞ!」
目をぱちくりさせているユウトをおいて、クーラリオは次の結界の場所に向けて飛び立ってしまう。ユウトもあわてて後を追う。
「へ、へっくちん!ずぶぬれになっちゃったから、いま空を飛ぶと寒いよう」
ぬれた体で空を飛ぶのはかなりさむい。しかも今は夜だし山の上だから冷えているのだ。おもわず体をブルブルとふるわせてしまう。
「心配するな。次の結界に行けば、すぐにかわかしてもらえるぞ」
そんなユウトに、意味深そうにやさしいことを言うクーラリオ。
「ほ、本当?次の結界って親切さんなんだ!」
しかしその意味をくみとれるほどユウトは深いことを考えていないようだ。仕方がないのでクーラリオは訂正を一言。
「ちがうちがうちがう。次の結界は火だぞ、火。あったかいけど、まっ赤に焼けて、あちちな火だ!」
「ひ、ひええ」
「ユウト、全然面白くないぞ、それ」
「ふぇ?」
「いや、いい。気にするな、忘れろ!」
「ふーん、変なクーラリオ」
ユウトが思わず口にしてしまったのをギャグと受けとってしまい、それがギャグでないときがついてしまったクーラリオは、少々へこみ気味。
「まあ、火に強い水の力も使えるようになっているからな。油断しなけりゃ十分勝ち目はある」
「そうだよ。ボクにはフーガもミズチも力をかしてくれているんだから、どんな相手とだって大丈夫だよ」
「自身を持つのはいいことだ。でもな、油断だけはするなよ。少しでも間違ったら、お前が命を落とすことになるかもしれないんだからな」
すっかり自信をつけた様子のユウトを見ながら、それでもクーラリオは不安な気持ちをかくそうとしなかった。
すなおに喜べない事ばかりだが、なにはともあれ二つ目の結界も打ち破ったのだった。
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