ワン・オン・ワン

三葉倫太郎

ワン・オン・ワン

 天気雨が降る夏休みの昼下がり。ハーフコートのバスケットコートを備えた公園でひとり練習を行う少年の姿があった。

 少年のボールを扱う手つきはぎこちなく、ドリブルをすれば爪先にボールをぶつけ、シュートをすればリングにかすりすらしない。しかし、少年は練習を続ける。ずっと、ずっと練習を繰り返す。


 そんな少年の元に、同じくバスケットボールを持ったひとりの少女が現れた。ダボついたパーカーを着て長い髪を無造作に1本でまとめたラフないでたちの少女。

 パーカーの右袖がひらひらと風に吹かれている。


 少女には右腕がなかった。


 「今日も元気だね」


 「……こんにちは」


 少女はどこか皮肉めいた口調だった。そんな少女に少年はいささか気まずそうに挨拶をする。


 「天気雨にしては強い雨だね……少し休んだら?」


 「ほっといてください。お姉さんには関係ないでしょう」


 やれやれといった様子で少女はため息をつく。夏休みに入ってからこの公園で初めて出会った2人だが、正直仲は良くない。

 2人はバスケットボールに深い関係があった。少年は現役のバスケットボール部員、少女は去年までそうであった。初心者の少年が上達しようと日々ボールを操る中、決まって少女は少年に勝負を挑み、その後に何故か部活をやめることを促すような物言いをしてくる。


 そんな少年と少女が仲良くなれるはずがなかった。


 「キミ、片腕しかないわたしにボロカスに負けておいてよくそんなに頑張れるね」


 少年は少女の言葉に苛立ちを隠さずに答える。


 「だからこそ練習してるんですよ!」


 少女は複雑そうに眉をひそめる。少年が自分のせいで逆にやる気を出すとは思っていなかった。これ以上どうしてやろうか悩むばかりであった。


 「まあいいや、相手してよ」


 「下手くそに勝って楽しいんですか?」


 「……さあね」


 天気雨から本降りになった。

 そんな中、2人のワン・オン・ワンが始まった。先攻は少年。ぎこちないドリブルで運ばれるボールを少女は有無を言わさず弾き飛ばす。


 急いで少年はボールを拾いに行き、少女に向き直る。

 その間、少女はボールを追いかけることをせずに薄く笑みを浮かべて手招きをした。


 「この!」


 「ちょろいよ」


 再びボールが弾かれた。結局少年はまともにゴールに近づくことさえできないまま少女の攻撃の番になる。

 少女は利き腕だった右腕を事故で失ったとはいえ、初心者の少年に負けるほど弱くはなかった。少女曰く、経験者には勝てないらしいが少年はその言葉が信じられなかった。いや、信じたくなかったと言った方が正しい。


 「今回もわたしの勝ち……いや、圧勝かな?」


 人差し指でボールを回しながら少女は勝ち誇った。少年は目に涙さえ浮かべている。

 少女はそんな少年の様子に少しいじめすぎたかとたじろぐが、余裕を浮かべた表情は崩さない。


 「キミはさ、何でバスケやってるの?」


 「何ですか……その質問は? 僕みたいな下手くそには続ける価値さえないって言いたいんですか?」


 「卑屈になりすぎだよ。いや、まあそう思っちゃうのも仕方ないんだろうけどさ……シンプルに気になったから聞いてるだけだよ」


 流石に申し訳なさそうな素振りを見せて少年に質問する。やたらといじめてやるよりも一度しっかりと話を聞いてみることにしたのだ。


 「周りがみんな経験者だから、足を引っ張りたくないんだ。僕をバスケ部に誘ってくれた友達にも面子が立たない」


 「ふーん……それだけ?」


 「ああ、まあ」


 少女は黒い雲に覆われた空を見上げた。思いにふけるように、しばらくそうして雨に打たれていた。


 少女はいわゆるエースという存在だった。少女はバスケを純粋に楽しんでいたし、周りからの声も心地よく感じていた。だが、事故で右腕を失ってから少女は周りに必要とされなくなり、求められていたのはバスケが上手い自分でしかなかったことを知った。

 それ以来、少女は人のために行動することを避けるようになった。


 やがて、少年のことを心底憐れむように言葉を発する。


 「流行りってあるよね。あれが流行ってるからわたしもやろうとか、みんなやってるから僕は違うことをやろうって具合にさ。それって自分の意思があるように見えて結局流されてるだけなんだよ。自分の意思がある人は周りのことなんか気にも留めないでやりたいことをやってる」


 少年は何の話かわからずに目を丸くする。


 「周りに流されるというか、周りのためにやるスポーツなんかに何の面白味も見出せないと思うよ。いや、スポーツに限った話じゃないね。何かをするなら、自分のためだけにすべきだ。キミがこれ以上バスケを続けたところで充実した生活は絶対に送れない」


 「そんなの! お姉さんの見方の問題だ!」


 言葉の意図を理解した少年は思わず声を荒らげた。


 「腕がなくなって部活に居られなくなった腹いせかなんかわかんないけど! 自分の考えを人に押し付けるな!」


 「でも……キミのやりたいことは―――」


 「もういい!」


 少年はボールを拾うことなく走り去ってしまった。

 少年のやりたいことは叶いやしない。その言葉を告げられなかったことは吉と出るか凶と出るのかはわからない。ただ少女は、少年が仲間のために必死で練習に打ち込む姿が滑稽であり、ひどく憐れなものにしか見えていなかった。 


 少年が去ってしばらく経っても、少女はバスケットコートで雨に打たれていることを忘れているように立ち尽くしたままだった。


 再び少年と少女が公園で会ったのはその翌日。世間はお盆休みを迎えた頃であった。

 曇り空の下では相変わらず練習に励む少年の姿があり、彼の動きにはぎこちなさも相変わらず目立っていた。その横で少女は勝負を挑まずにベンチに座って少年の姿をじっと眺めているだけだった。


 少年はいつもと違う少女に対して戸惑いを覚えていた。やはり昨日強く言い過ぎたのが原因だったのか? 考えれば考えるほど集中力が途切れ、練習に身が入らなくなる。


 「あの、お姉さん」


 「……なに?」


 しびれを切らしたように少年の方から少女に声をかけた。


 「ずっと気になってたんですけど……どうしてこう毎日僕に会いに来るんですか? ゴールを使いたいだけなら他のとこ行きますけど」


 少年を見る少女の表情は何故か複雑そうであった。


 「別にキミが邪魔だとは思ってないよ。他にやることがないだけ」


 少女の物言いはどこか嘘のようで、本当のようでもある。


 「どうして僕にバスケをやめさせようとするんですか?」


 少年の率直な問いに少女は口ごもった。


 「僕、絶対上手くなってみせますから。やめませんからね」


 力強く、振り切るように少年は少女に言い放った。


 「……今日は帰らないの? 台風が来るよ。前の台風ではこの辺で人も死んでるよ?」


 「そんなの、関係ないです。お姉さんこそ帰らないんですか?」


 「キミが残るなら、わたしも一緒にいさせてもらう」


 お盆の日に直撃する台風ということもあって今年の帰省ラッシュは控えめであった。幸い2人の住む地域には直撃というわけでもないが、やはり今年の夏は人が少ない。そう感じている中で、少年には少女の存在が際立って見えていた。

 また、右腕がないこともあってか、少女には不思議な雰囲気を少年は感じていた。

 自分がここで練習をする際には必ずと言っていいほど現れ、それが雨であろうとお構いなしに自分に付きまとう。そんな少女が何かを自分に伝えようとしている気がしてならない。それが昨日言われたことだけではないことも感じ取っていた。


 まさかとは思うが、夏の怪談じみた話のように、右腕を失った時の事故で既に死亡した少女の幽霊だったりしないだろうなと浮世離れした想像さえ頭をよぎった。


 「いつものキレがないね。いや、いつもないキレが今日は余計にないみたいだよ」


 いつの間にか少女がコートに入って少年の後ろに立っていた。

 奇妙な想像で頭がいっぱいになっていたとはいえ、まるで気配を感じさせない少女のことが余計に幽霊らしさを強調しているような気がした。


 「何その顔? どうかした?」


 「あ、いや……大丈夫」


 少年は驚きが表情に出ていたことに気づき、慌てて平静を取り繕った。


 「ならいいや、相手しなよ」


 「やっぱり……今日もやるんですね」


 「嫌なの?」


 「いや、大丈夫」


 怪しい雲行きの中、今日もワン・オン・ワンが始まった。しかし、今日の試合はいつもとは違った。


 少年の動きのぎこちなさは相変わらずであったが、少女の動きにもぎこちなさがあった。


 いつもならすぐに弾かれるボールが中々弾かれず、ゴールに近づくことがいつもより簡単だった。また、少女が攻める際もあえてボールを弾きやすい位置でドリブルを行うなど、少年にはあからさまな手加減がひどく気に障った。


 「どういうつもりなんですか?」


 「え、なにが?」


 あくまで少女はとぼけてはみるが、それが無駄だということもすぐに理解した。


 それから少女はひどい剣幕で少年にまくし立てられた。自分をからかってそんなに楽しいか、強いフリをして悦に浸りたいのかと次々と言葉がなだれ込む。

 そんな少年に対し、少女はただ黙っていた。少女も少女で自分でも何がしたいのか? 何をすべきなのかわからなくなりつつあった。


 少女の手加減は北風のようにやめさせようと強引に迫るのではなく、太陽のように勝利の喜びを噛みしめさせてやれば満足するかと思っての行動だったが、まるで意味をなさなかった。


 やがて、強い雨が降り出した。少女はベンチに座り込み、少年は雨などお構いなしに練習を繰り返す。

 ボールを地面については足にぶつけ、シュートを打てどもかすりさえしない。


 そんな行動をひたすら繰り返していた。夏休みに入ってからずっと、1日たりとも休まずに。


 部活に行くはずの時間にもずっと、この公園で練習を繰り返していた。


 翌朝、台風はまだ過ぎ去ってはいなかった。

 少女は家から見えるいつもの公園を寝起き眼で見つめた。そのまま居ても立っても居られなくなったように駆け出し、傘も持たずに寝間着のまま公園へ向かった。


 公園にはいつものように少年がバスケットの練習をしていた。

 こんな早朝に、こんな雨の中で。


 少年は少女に気付くとあっけからんとした様子でおはようございますと言った。


 少女は少年の元へゆっくりと歩み寄り、語気を強めて言葉を発する。


 「何も……気づかないの?」


 少女の声には苛立ちの感情さえ含まれていた。


 「こんなに雨に打たれてもバスケ、朝から晩までバスケ、部活にも行かずにバスケ、飲まず食わずでバスケ。自分が何をしているのか本当に気づいてないの? 思い出せないの?」


 「なにを……言って―――」


 「今みたいな前の台風の時に何があったか、本当に何も思い出せないの?」


 少年にとって少女の言葉はまるで呪詛の言葉のようであった。当然、少女の言葉に自覚などなかった。だが、少年は『前の台風』の時に何があったかを思い出すことはできた。


 夏休みに入る少し前に起きた台風で少年は―――


 「うわああああああああああああああ!!」


 少年はまるで心を保つためのカギが壊れたように叫び出した。

 少女は獣のような咆哮を上げる少年をただ見つめていることしかできなかった。少女はただ、少年の側にじっと居続けた。 


 前の台風の時、この公園の近くで人が死んだ。仲間に見合う実力を身に着けるためにバスケットの練習を繰り返し行っていた少年の命が失われていた。

 少女は自分が死んだことに気づかないまま実ることのない練習を続ける少年がこの上なく憐れな存在に見えていたのだ。


 少女は死んでもなお仲間のために努力する少年の姿を見て何を思っていたのか。少年の姿を目にするたびに、滑稽、憐れという言葉だけでは片づけられないモヤモヤとした感情が常に渦巻いていた。

 他人のための行動など無意味に感じていた自分が何故少年のために行動を起こしているのか。そもそもこれは少年のためになるのか? 矛盾を孕んだ自己の行いにどうしようもない気持ちでいっぱいだった。


 「……落ち着いた?」


 少年の咆哮が止んだ。

 そうして少年は支えを失ったようにがっくりとうなだれ、抑揚のない声で言った。


 「結局足手まといのまま全部が終わっていたんですね」


 「そんなことはない」といった無責任な励ましが意味をなさないことなど知っている。

 少女は片方しかない腕で少年を抱き寄せ、そっと呟いた。


 「もう、頑張らなくていいんだよ」


 いつの間にか少年は声も上げずに泣いていた。


 台風は今日の昼までには過ぎ去るという予報だった。それまで2人は屋根のあるベンチで寄り添いながら雨を凌いでいた。

 会話はなかった。雨に濡れて冷たくなった少女の体温と、既に失われた少年の冷え切った身体だけが触れ合う。


 「これから、どうしたい?」


 徐に少女が少年に問いかける。


 「……わからない」


 「キミがバスケをすんなりとやめられて真実を知ればキミを楽にしてやれると思ってた。でもキミは未だにここにいる。わたしがやってきたことは全部独りよがりのお節介だったんだろうね」


 「お姉さんは何かをするなら自分のためにすべきだって言ってました。どうしてお姉さんの得にならない僕の相手なんかずっとしてたんですか?」


 「……よくわからない。ひたむきにバスケに打ち込めるキミの姿が昔のわたしみたいでなんかムカついたのかも」


 少女は結局曖昧な答えしか返せなかった。


 「雨、止んだら相手してください」


 珍しく少年の方から勝負を挑んできた。少年の挑戦に対し少女はその意図を推し量るように彼を見つめ、そして引き受けた。


 そのまま雨が止むまで、2人ともしばしのうたた寝をしていた。


 やがて、台風が過ぎ去り、陽の光が突き刺すように雲の切れ間を縫っていた。

 少年は自分が先攻を名乗り出て、少女にディフェンスをするよう申し出る。


 「せめて、お姉さんには勝っておきたい」


 手加減は許さない。そう目が訴えていた。


 「わかったよ」


 少女は一旦パスされたボールを少年に戻し、彼がドリブルをつき始めるや否やボールを弾き飛ばした。


 「……やっぱちょろいね」


 少年は無言でボールを取りに行き、少女にパスする。

 今度は少女の攻撃の番だ。左腕だけしかないため左側からしか攻められないと思わせ、少年が馬鹿正直に少女の左側へ身体を寄せた時に身体を回転させ、楽々とゴールを奪った。


 少女がボールを弾き、少年が拾いに走る。少年が少女に翻弄され、たやすくゴールを奪われる。そんなサイクルが何度も続いた。


 「僕は、自分がやってきたことが間違っていたとは思わない」


 陽が傾いてきた頃に少年が徐にそう言った。


 「周りのために強くなることは、僕の意思だ」


 「はぁ……はぁ……実りもしない努力を重ねて何になるの? 周りに流されている事実を自分の意思でやっていると……信じたいだけじゃないの?」


 「僕は間違ってなんかない」


 少年の攻撃の番だ。疲労が重なってきた少女とは対照的に少年の動きが疲労によって衰えることはなかった。


 徐々にではあったが、少年のがむしゃらな動きに少女はついていけなくなりつつあった。


 「お姉さんに何があったかなんて僕は知らない。だけど、何かしらの経験がお姉さんをそういう考えにさせたのなら、今のお姉さんはその経験に流されているだけ」


 少女がこぼしたシュートを拾って少年はそう言った。


 「僕に真実を気づかせてくれたことには感謝してる。だけど、バスケをやめさせようとすることは違う」


 「っ……キミは周りから裏切られたことがないからそう言えるんだ」


 「それでも生きていたなら、裏切られる経験も僕の力にしたい」


 少年の攻撃の番になる。少女は疲労と不安定になりつつある気持ちのせいで集中力が途切れ、少年に抜かれた。

 急いで少女は少年を追いかけ、レイアップシュートの瞬間の手から離れたボールを弾き飛ばした。


 惜しい場面であったが、少年は満足そうな顔をしていた。


 「……生意気だね」


 少年の満足げな表情が少女を熱くさせる火種となった。


 「もういい、シンプルに音を上げさせてやる。心からもうやりたくないって思わせてやる」


 「僕だって、何度でもやってやりますよ」


 手加減をしていたわけではなかったが、少女はすべての力を出し切る方向性に変えた。がむしゃらにボールを奪い、一直線にゴールを目指すプレー。

 少女は忘れていたバスケット楽しむ気持ちが蘇っていることに気づかないまま、爽やかな汗と共にボールが行き来する。


 さらに日が傾いた頃、少女の疲労はほぼ限界に近づいていた。少年は疲労を感じないようであるとはいえ、余裕があるわけではない。ある意味お互いが満身創痍であると言える。


 「はぁ……はぁ……」


 「……行きますよ」


 「やってみなよ……」


 少年は失われた右腕の方へ駆け出した。少女はやはりかというように左腕を右側に伸ばす……が。


 「な……!?」


 少年はぎこちない動きには違いなく、いつもの状態であったらあっさりとボールを弾くことができたであろうあからさまなフェイクに少女は見事に引っかかった。

 少年は右腕の方向へ攻めると見せかけ、残っている左腕の方向へ軌道を変えていた。


 急いで少女は少年を追いかけた。しかし、追いつけない。


 少年の右手がゴールに伸びる。

 ゴールに置いてくるように放たれたレイアップシュートが……心地よい音を立てて決まった。


 「……ああ……あ」


 少年は自分の両手を交互に見遣った。

 そして、両手を強く握り、晴れた空へ突き出した。


 「やったああああ!!」


 朝に放たれた咆哮とは違い、歓喜に満ち溢れた男の雄叫びが空に響いた。


 少女は疲れからかへたり込むようにしりもちをつき、少年を見上げた。

 しかし、少女の目には少年と太陽の光が重なって思わず目を閉じてしまった。再び少年に目を戻すと、そこには彼が持っていたバスケットボールだけが転がっていた。


 「おいおい……100点差くらいついてたじゃん……負けてるくせに勝ち逃げ?」


 もはや誰にも届かない言葉を呟いた少女は呼吸を整えるように大の字に倒れ込み、赤みを帯びた晴れ空を見上げた。


 久しぶりに全力で身体を動かした。あんな弱い相手に本気で熱くなっていた。その理由は、単にバスケだけが関係していたわけではないのだろう。

 誰かのために行動することに関して少年は最後まで自分の主張を曲げることはしなかった。だからといって少女がその主張を飲み込めたわけでもないことも事実だった。

 しかし。


 「本気で身体動かしゃ……どーでもよくなるわ……」


 少年との何時間にも渡ったワン・オン・ワン。初めは少年のやりたいようにさせてやろうという他人のための行動であった。しかし、途中からそんな理由など蚊帳の外であった。


 少女には今後どうしていくべきなのかは結局わからないままだし、今後自分がどう変わっていくのかもわかるはずもなかった。

 今はただ、全力を尽くした爽快感にどっぷりと浸っているだけだった。

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