第2話忘れないで

私の場合、私の前に一人、私と弟の間に二人、生まれてこれなかった兄弟がいます。

結婚前だったからか、経済的な理由かわかりませんが、人口中絶したそうです。

人口中絶は殺人です。一生ついてまわる罪だと考えてください。決して軽く考えないでください。


私が学生の頃だったでしょうか?夏だったかもしれません。あちこちのガラス戸が開いていて、居間から玄関が見えていました。

母がしきりに玄関の方を見ながら、女の子がいるんだけど、ピンポンを押さないと不思議がっていました。

そこでついふざけて

「水子が母さんに会いにきたんじゃないの!?」

と言ってしまいました。玄関に見に行きましたが、誰もいません。

それからです。ずっと首を絞められているような苦しさが続きました。

そこで、もしかするとこの間の女の子かもしれないと思い、お詫びと変わりに孝行することを約束すると、首の苦しさがなくなりました。


私は彼らの分まで生きなければ!!とその時に思いました。

母親は亡くした子供を忘れないと思いますが、今生きている兄弟も忘れないでほしいと思います。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

生まれてこれなかった兄弟 最凶エリザベス @yasagureani

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る