1章 マスク姿のえんじぇる
援助交際、という言葉が生まれてもう、四半世紀になるだろうか。
バブルが弾け、世の中が不況に
援助交際、えんこう、エンコー、えん。
日本政府発行通貨の名称でもある「円」を彷彿とさせる二文字は、やがて様々な想像と夢と現実と理不尽を内包した隠語として、脈々と受け継がれて21世紀を生き抜いていた。
「#えん」。
それが、魔法の扉を開ける合言葉。
ツイッターというソーシャル・ネットワーキング・サービスは、個人が140文字を上限として発言を世界に発信できるサービスとして始まり、様々な社会の変化で複雑な役割を果たしながらも、徐々に情報基盤として社会に根を張り巡らせていた。
「#◯◯」という発言方式は、ハッシュタグと呼ばれるルールで、特定の発言に検索用のタグを貼り付け、他人からの検索を容易にするだけでなく、面識のない他人とも共通の話題で語り合うことのできる場を形成するという役割を果たす。
「#えん」は、そういったツイッター世界の中で、特別の目的を持って活動する男女を結びつける、キーワードとして機能していた。
性を換金したい女性と、性を買いたい男性が、互いの立ち位置を明示するための名札として、己の発言に、その3文字を貼り付けて世界に放流する。
女性は、その3文字をもって「私は売ります」と表明した後、何ができるのかメニューと値段を一覧に示す。
男性は、女性にお金を払う意思を明確にし、割り切った一度限りの関係性を遵守する旨を示す。
そこに明確なルールなんて存在しない。
あるのは、漠然とした「常識」「通例」「マナー」「お約束」であり、唯一「貨幣」だけを絶対価値として、一瞬の邂逅に快感を取引する。
無職の女性が職業安定所に通った結果、公務員から「風俗で働いてみたら?」と提案される世の中だ。
世界で最初に生まれた職業は、売春婦であると言う。
なにせ1300年の歴史を誇る日本の古事記は、冒頭でセックス指南から入るほどだ。
性は、すべての原点にして、金の渦巻く
「#援助」「#援」「#円」「#パパ活」「#レンタル彼女」。
様々なハッシュタグが画面の中を狭しと乱舞し、その発言に対し時には二桁を超える返信がぶら下がって、値段の交渉に明け暮れる。
そんな一部始終が、ツイッターという世界の片隅で、実にオープンに行われていた。
「噂には聞いていたけれど」
ダイヤルQ2、テレホンダイヤル、出会い系掲示板、出会い系アプリ等々、性の売買を目論む男女の場は移り変われど消滅せず、今もこうして、匿名同士の繋がりが、公の場に晒されて生きている。
「ホ別? ゴ有?
さながら歓楽街のネオンの如く、キレイな女性の扇情的なアイコン写真がずらりと縦に並び、時には卑猥な言葉で男性の心をくすぐりながらも、暗号とともにあざとい数字が、容赦なく乱舞する。
ホ別ゴ有2(訳、ホテル代別、コンドーム必須2万円)。
生外3(訳、ホテル代別、ゴム無し挿入外出し3万円)。
生中4(訳、ホテル代別、ゴム無し挿入中出し4万円)。
プチ1.5(訳、手コキもしくは口淫による「抜き」1万5千円)。
デート0.5~(訳、食事、ショッピング、テーマパーク等の随伴、1時間5千円~)。
目が慣れれば、相場も見える。女性が自分で値段をつけ、晒し、男性に提示する。それぞれが個人事業主。特定の店舗に所属しないがゆえに客足は安定せず、中には一日に何度も投稿を繰り返しては営業に余念がない。
「こんな世界があったとは……」
噂に聞いたことはあった。覗いてみたのも、単なる社会勉強、好奇心。
しかし小さな画面の向こうには、自分と同じ血肉を有する無数の人間が存在し、いとも簡単なやり取りで万単位の取引が成立して、男女がホテルに消えていく仕組みが存在している。
女性は、風俗店に縛られず、マージンを取られず、多少のリスクを犯してでもまとまった現金を得るために。
男性は、より若く、慣れていない、束縛せずに遊んでくれるエッチな娘、という幻想を追いかけて。
限られたスペースにありったけのPRを詰め込んだ発言の数々は、ある意味ではお手軽な、別の意味ではより高度な技術が必要とされる、欲望の発露だった。
JK、JD、19、20。
若さで釣り、若さを売る。
単純だけれど残酷な現実が、その市場を支配する。
「けれど、これ一体、どうやって誘えばいいの?」
見れば、実に簡単に『気軽にDMしてね』の文字が並んでいる。
DMとは、当人同士にしか見えないメッセージシステムだ。
「気軽にって言うけれど」
そのDM一本で、ホ別ゴ有2という呪文を唱えれば、ある日ある時ある場所で、本名も知らぬ男女が逢引し、一瞬の交錯の後に数万円が譲渡され、互いに満足を胸に抱えて街の雑踏に紛れて消える。
「売春、だろ?」
買春にしろ、世間一般的には悪だと分類される性の売買は、風俗が一応は非公式になっている日本においても、より不健全な社会活動とされている。
風紀の乱れ、道徳の欠如、社会規範に反した唾棄すべき行為。
だとは、まったく感じられないほどに、「#えん」を添付した発言の数々は、時に下着や胸の一部の写真を晒してでも、男性の理性を吹き飛ばさんと、あっけらかんと輝いている。
ホ別ゴ有2が事実だとすれば、ざっと1回3万円の出費となる。風俗店で非公認のサービスを受けることを考えると高額だけれど、上手くすれば、ルーチンワークとして業務的に処理されるのとは異なる体験に出会えるのかもしれない。
そういう、夢と希望を加味しての相場なのだろうか。かつては5万円を請求されたとされる界隈が、少しお小遣いを我慢すれば手が届いてしまうところまで落ちていると考えると、社会の衰退を肌で感じて暗澹たる思いに沈むが、逆に言えば、今が買い時、と言えなくもない。
ないけれども、
「3万……」
決して安くはない。一日千円とすれば一月の食費に相当する。そこまで切り詰めた生活でなくとも、ハードカバーの小説なら15冊、CDなら10枚、DVDでも3〜4枚、美少女フィギュアなら2体は余裕でお迎えできる額である。
それが、2時間足らずで、消える。
もっと言えば、男性の射精の快楽衝動は、保って10秒。たった10秒、剥き出しの下半身の痙攣を味わうためだけに、上記の文化的出費を犠牲にするだけの価値が、果たしてあるのか?
「まぁ、スマホのガチャなら5分か……」
ゲーム内での課金が当たり前になり、そのゲームで使用できるイラストを手に入れるために、コンマ数%という宝くじよりも率の悪い賭けに数万円を投じるのが、「当たり前」になって早数年。
サービス終了と同時に無に帰す『ただのデータ』と認識しつつも、射幸心を煽ることにかけては悪魔的な発展を遂げてきたゲーム業界は、人々から多額の現金を吸い上げつつ、0と1の数字の羅列に強烈な価値を幻視させることに成功し、テレビCM枠を専有するほどの経済規模を確保している。
「それを考えれば、まぁ」
あとは価値観の問題だ。自分の身を粉にして得た円という価値交換券を、いかにどこに投入すべきか。
読書体験に浸るも良し。音の奔流に身を任せるも良し。めくるめく映像体験も捨てがたい。手に持って眺められる造形美と下から覗けるパンツだって乙である。
なんなら、現実の女性を、買うという選択肢も?
自分の中の常識が反転する。
そもそも、常識とはなんだ。
男が女を抱きたいのは本能だ。そのためだけに生きていると言っても過言ではない。
片や社会はまだまだ女性の社会進出に厳しく、単純に賃金収入の格差は埋められていない。女性だって短時間で効率よく高額を得たいのだ。
お互いの需要と供給が、凸と凹が合わさって、双方が納得してこそ回る市場。
Win-Winとはこの事か!
「という正当化って、ことか」
自分でも、どうしてそこまで惹かれているのか分からない。
単なる好奇心を満たすだけにしても、3万円という現実は軽くはない。
今まで30数年間、別に女性なしでも生きてこれたし、シモの処理にも不満はない。
20代のような血潮を熱くさせる性欲は尽き果てて、一人暮らしも長じれば、女性に頼る部分の方が見当たらない。
「だったら、まぁ、買うまでも、なぁ」
感情には波がある。浮いた瞬間の判断と、沈んだ瞬間の判断では、同じ検討項目でも真逆の結果を弾き出す。
どうせこの興味も、もって一週間。今という衝動を乗り切れば、次に移って忘れてしまう。熱しやすいが極めはしない。6割も把握できれば満足だ。
人生40年弱。様々に手を出してはフラフラと、結局果たせず中途半端で、無駄な知識ばかりが積まれていく。先が見えれば飽きが来る。ツイ援と呼ばれるこの分野も、数日見ていれば傾向が掴めてきた。
別人なのに、同じ投稿が、やたらと多い。
コピペと呼ばれる文章の無断借用なのか、それとも同一人物の複数展開なのか、やたらと同じ文章が目と鼻につく。そういう投稿者は、同時に複数のハッシュタグで空間を埋めている事が多い。
そして、たまに紛れ込む男性側の投稿に見られる「業者」の二文字。
「闇、かな?」
具体的には分からない。しかし職場で身につけたKY(危険予知)活動の成果が、なにかが怪しい、と警告を発して我が身を縛る。
まぁ、今更、若い子と遊ぶったって、なぁ。
たった10秒の衝動にすべてを捧げる馬鹿さ加減は身に染みている。下半身の判断を愛と呼んで、生活の奴隷と化した先達だって山といる。
独身貴族を気取るほどでもないけれど、オヒトリサマでも困らないだけの家事技能は身につけた。病気や怪我は厄介だけれど、逆に今なら無責任に死んでも気楽な一人の身。
「うん、まぁ、止めよう」
複数候補は絞っていた。会ってみたい、話してみたい、どうせならホテルに行きたい、という欲望も普通にある。が、普通の財布事情なら躊躇する額であり、それを見ず知らずの女性に渡すリスク、不特定多数の相手と関係することで性病にかかるリスクだって、加味しなければならない。
大体、どうやって間をもたせる? 会っていきなり、はいホテル、なんて言うのか? デリバリーサービスの女性ならともかく、相手は普通の女性じゃないのか?
自慢じゃないが、飲まない打たない買わない吸わないモテないの、ないない尽くしの人生だ。初対面の女性をエスコートして華麗に一連の所作をこなし、「また会いたいね」なんてキレイに別れられる自信なんて微塵もない。
初心で可愛い売春婦……そんな夢物語を探していたわけではないけれど、買春をやめるべき理由だけは山と積める。その障壁を突破するに足る衝動は、今のところ、ない。
引き際だ。
所詮は縁のない世界。初心者が物見遊山で踏み込めば、血だらけ火だるまで追い返されるのがオチに決まっている。
無駄な出費は回避されたのだ。
これで、躊躇なく、次のガチャも課金できるってもんじゃないかっ!
うん、これで終了、終りょ……う?
【一番高く買ってくれる人に、処女、売ります】
なんだ、これ?
一夜が明けた。
眠気まなこで、スマホのアラームを切って、時刻確認、午前5時。
世間は寝静まっているけれど、こっちはそろそろエンジンスタート。
「蒼ちゃんは?」
ツイッターをチェックする。例の彼女は、夜中も全力爆走絶好調で、過激な投稿を連発していた。
【イキんなサイバーポリス、殺すぞ!】
【学校で売春が駄目な理由をしっかりと教えてもらえなかったから、体を売ることの何が悪いのかいまいちわかっていない】
【人生残念】
【処女を売ったら後悔するって、教えてくれなくても、後悔しかない人生なんだよ、黙ってろ】
【ガチブスなのなんとかしたい】
【醜形恐怖症だって言ってんのにマスクを外せって言ってくる馬鹿、何なの、死ねば】
聞き慣れない単語だった。無知は一瞬の恥だ。さっそく検索窓にコピペして、広大なネットの海から該当単語を拾い出す。
『醜形恐怖症(身体醜形障害)は、自分の容姿を「醜い」と感じてしまうようになる疾患です。』
なるほど、と出勤の準備を勧めながらサイトを読み進めるに、他人から容姿を否定された経験が蓄積した結果、外見への自信がなくなり、不必要に「醜い自分」を責め、重症になると生活全般に支障が出るほどだという。常に鏡で確認していないと気がすまなくなったり、周りから醜いと思われる事への恐怖が積み重なって、引き篭もりになる人もいる。
また一つ、知らなくても生きていける事を知ってしまった。
けれど、体を売ろうって女の子が、自分はブスだってワザワザ世間に公表するもんかね?
幸か不幸か、蒼ちゃんはまだ、誰にも『買われて』いないらしい。
「あれ?」
些細な違和感を辿っていくと、『15歳』の文言が『年齢は察してください』に置き換わっていた。さすがに未成年の売春は警察沙汰になる、という事か。
「どうすっかなぁ」
どうもこうもない。
まっとうな大人ならスルーする案件である。君子危うきに近寄らず。
多少まっとうな道から踏み外していたとしても、せいぜい外野から見物を決め込むのが賢者の態度というものだ。
赤の他人だ。他生の縁もないはずだ。3万円も出せばホテルに一緒に行ってくれる女子大生がいるというのに、犯罪者のリスクを負ってまで15歳に手を出す馬鹿がどこにいる?
【15才の処女だぞ。サイコーだろ。100万くらい出してみろよ】
その発言に、他の男性から返信が付いていた。
「処女なんて面倒なだけだよ。逆に払ってもらいたいくらいだ」
なるほど、それも道理である。
とは言え、数人からオファーもある。⑩なら、という発言は、処女に10万円までは出す、という表明だろうか。
「15歳処女に、10万か……」
世界にはいろんな価値観がある。
自分が知らなかっただけで、世の中にはキチンと、処女の相場というものが存在するらしい。
それが高いのか安いのか、それは「15歳処女」という単語にどれだけの夢を希望を詰め込むことが出来るのか、で決まるのだろう。
「エロ同人ならともかく、な」
ロリは二次元に限る。ましてや四方八方に、氏ねだの消えろだの、暴言を撒き散らしているガラスの十代。時々同性にも噛み付いて、なおさらトラブルメーカーの気配が濃ければ、猛犬注意の看板くらい立てたくもなる。
「ま、帰るころには誰か決まってるでしょ」
好奇心は猫をも殺す。
この時点でフォローを外して、ついでに「#えん」の情報も全て、遮断しておけば良かったのだ。
人生万事塞翁が馬。
2日後には自分が蒼ちゃんを『落札』するなど、考えてもみなかった。
どこで人生を間違えたのかと問われたら、生後半年だと胸を張って言えるようになったのは、三十路の入口であった。
生き辛さに喘ぎ、周囲となんとか歩調を合わせようとしながらも価値観の相違に苦しみ、それでも学業だけは優秀だったので高等学校までは何とか『まとも』の外套を羽織って、世間を欺き生き残った青春時代の苦労は全て、大学で脆くも散った。
「いい子いい子は、どうでもいい子」
中学時代の教師の言が、座右の銘として胸にある。
まさに「いい子」でしかなかった自分は、いい子であり、どうでもいい子であり、都合のいい子であり、使い勝手のいい子であった。
言われたことは全て承り、自分の身を顧みずに職務に邁進し、誰にも褒められなくとも残務をこなす頃には、周囲には誰もいなくなっていた。
頑張った分だけ報われる。
そんな信仰が一瞬で瓦解した結果、心が溶けた。
それを鬱と呼ぶんだぜ、と知ったのは随分後の事である。
なるほど、あれが鬱か、と客観視できる頃には、20代が終わっていた。
周囲全てを閉ざし、交友関係の殆どを断ち切り、彼女なんているわけもなく、気がついたら婚期も逃して、アラサーの門を潜った眼前に広がっていたのは、無限の荒野だ。
なぜ、己を、大切にしない?
普通の人間は、自分の幸せを殺して、世のため人のために尽くさない?
正義の味方の理念、間違ってる?
幸せ、幸せって、なに?
自問自答を繰り返し、絶望の淵で溺れ続ける夜を越えて、それでも生きていかなきゃならないらしいと悟った頃に、明かされた出生の秘密。
どうやら、乳幼児期に虐待的なものを受けると、記憶としては残っていなくても、人格のどこかが歪むそうです。
詳しいことは分からないし確かめようもないし、当事者を集めて詰問しようなんて気もサラサラ起きないけれども、自分の人格が世間から半歩ほどズレている事には、それなりの理由があるらしいと知って、得心がいった。
うん、それなら、仕方がない。
今更人生をやり直す気もないし、何がまっとうなのかもサッパリだけれども、自分の中に確固たる価値観として「面白いものは正義」だけは揺るがない。
どうせ後悔するならやってみろ。
いい加減が良い加減。
思考一日動けば5分。
駄目で元々、再試行。
まともに病院で診断も受けないまま、勝手に鬱サバイバーを自称する頃には、根拠不明の自信に満ちた楽天野郎に変貌し……そんな好奇心と行動力と無責任の塊のような思考を是としてしまうメンタルを備えると、ブレーキの壊れた機関車のごとき選択を、時々やらかして反省する目に陥ることも、少なくない。
その日の夕刻。
【この国のサラリーマン、困っている処女に15も払えないほど腐ってるのかよ】
その投稿にハートを撃ち抜かれ。
そこまで言うなら、やってやろうじゃないかと、対抗心を燃やしてしまった背景には恐らく、出生から呪われた世間とのズレが遠因じゃないだろうかと、今更ながらに思っても後の祭り。
さて。
やると決めたらとりあえず、せめて相手の顔は見たい。
けれども、自分はブスだと公言して憚らない15歳である。実際にどんな容姿体型の女子が現れるか分からない。
いきなり高額を持っていって、現れたのが相撲取りのような女の子で、その場で「どうぞ宜しく」と開き直られても、こっちが困る。
そもそも、一番高く買ってくれる相手って、どこが落札ラインなんだ?
今すぐ画面の向こうに飛んでいって、相手に届いている申込みの一覧を覗いてみたい衝動に駆られるも、こちらはこちらとして、冷やかしと思われない程度の誠意は見せなくてはならない。
相場が10万。
15万ではバカにされる。
では、倍?
待て待て待て。それは普通に月給に相当するぞ。15歳処女に20万? 正気か?
考えている時間はあまりない。
モタモタしているうちに、蒼ちゃんが痺れを切らして、誰かに決めてしまうかも知れないのだ。
決まってしまったところで赤の他人だ。自分の出費はゼロなんだから、何も困ることはない。
そもそもコッチはド素人だ。界隈のイロハも知らぬ。
DMって、どうやって送ったらいいんですか?
かつて出会い系が隆盛を誇った折も、結局まともに相手にされず、枕を涙で濡らした男である。
自慢ではないが、男性として扱われないことには、絶対の自信がある。
それどころか、非モテ非リア充というレッテルを自分で貼るを良しと開き直ってからは、女は金と時間を奪うだけの百害でしかない、という信念を高く掲げて生きてきた。
今更どの面下げて、やっぱり学生時代の甘酸っぱい青春からやり直したいですゴメンナサイ、などと言えるのか。
女性を誘う、という10代で済ましておくべき課題をサボったツケが、まさかこんな場面で試されるとは。
でも実際、この子ら、お金さえ渡せば、多少のことは気にしないんじゃないだろか?
同時並列で走る思考が、これでどうよ、と方針を導き出す。
20万円。ただし分割払い。月3万円払いの6ヶ月後なら、いざ事に臨む場合でも心の準備が出来るはず。
違う違う違う違う違う。
頭を振って熱暴走を冷ました。いっそ滝に打たれたほうが良いかもしれない。
煩悩退散煩悩退散。もう一度冷静に、深呼吸して方針決定。
20万円。分割払い。月3万円の6ヶ月あれば、15歳の少女を諭して売春を辞めさせられる。
辞めさせられないとしても、買うのは「処女を貰う権利」だ。
その権利の行使が、蒼ちゃんが18歳を迎えて高校を卒業してからでも、文句は言えまい。そうであれば、まだ3年の猶予を稼げる。何なら、その時に20万円で権利を買い戻してもらえば良い。
処女売春なんて馬鹿な真似は辞めさせて、せめて好きな男に捧げるくらいの青春は必要だろう。
うん。それだ。それで行こう。根拠はないけれど、半年もあれば、今よりは少しは丸くもなろう。
とりあえず、相手の顔が見たい。説得が通じるかどうかは、それからの課題だ。
今でこそ、ツイッターの原野に放り出された肉食獣の如き暴れ方だけれど、ネット弁慶がオフ会では大人しい、なんて事があるかもしれないし、ないかも知れない。
【女の子は強姦されそうになった時の為に日頃から常にドスを持ち歩こうな】
さ、刺されるような事だけは、すまい。
固唾を呑み込み、いよいよ、DM欄を開く。
そもそもが、コンタクトを取れるかどうかが問題だ。
意気込みよく挑んだところで、相手に訝しまれて無視されたら、それで終了サヨウナラ。
とはいえ、駄目なら駄目で、失うものは何もないのだから、気楽に行こか、と指先は軽やかに。
「はじめまして、と」
かくして、運命のDMは綴られた。
天使のような悪魔か、悪魔のような天使か。
どちらにせよ、碌でもない契約になることは間違いないと身構えつつ、失礼の無いようビジネスメールばりに敬語で埋めたDMを、想定どおりに組み上げていく。
「さて」
推敲3度。失礼はないか。不足はないか。怪しくないか。相手の条件は満たしているか。
分からないことだらけの援助交際、そのスタートボタンを「ポチッとな」押した、押してしまった。
送信済み、と、味気ない文言が、送られたメッセージの下に点灯する。
「あとは、待つのみ、か」
自分が何かを成し遂げたような、実際にはメールを見知らぬ少女に送っただけなのだけれど、ひどく大きなことを終わらせた充実感が、胸を満たす。
さて、何が出るかな?
ヤブを突けば蛇が出る。押されたボタンがもたらす結果は、望んだモノとは限らない。
更新のスナップで画面を揺らしつつ、待つこと10分。
【はじめまして。DMありがとうございました。早速の確認ですが、処女を20万円で買いたいという希望でよろしかったですか?】
普段の文章からは想像が出来ない、どこか辿々しい敬語で紡がれた返信が、蒼ちゃんが架空の創造物でなく、確とした肉体を有した少女として存在している証拠として、届いた。
【早速ですが、早々にお会い出来ないでしょうか】
来た。来てしまった。
時間があれば常時ツイッターを確認する癖が付いてしまって2日後、当選通知が、届いた。
逸る気分を抑えて深呼吸。
さて、どうしよう?
困っている場合じゃない。相手の顔が見たいと言ったのはコッチの方だ。
「連絡、ありがとうございます。来週の土日、どちらか空いている日でどうですか?」
今日は金曜日だ。今日の明日では心の準備が追いつかない。追いつかないって言っているのに、
【すいません。明日だと両親がいないので、夜でもお会いするのに都合が良いのですが】
明日かよっ!?
ムリムリムリムリ、と拒絶する理性を抑え込む。
ここで断ったら、終わりだ。
ヤるヤらないはともかくとして、分割払いという有りえない条件を呑んでくれた相手に、失礼は出来ない。
「明日の夜、了解しました。喫茶店で面接でいいですか? 初回はデートという事にして、0.5でお願いしたいです。こちらの顔を見て、生理的にムリ、と思われたら、そこで終了で構いません」
相手の顔を見たいのは、こっちも同じだ。スタートくらいは緩やかにさせてくれないと、自分のガラスのハートが持たない。
【すいません。半年はやっぱり長いので、月5万円の4回払いになりませんか? あと、喫茶店だとマスクを取りたくないので、飲食はできません、ゴメンナサイ】
【生理的にムリなんて思いませんよ。私は続けられると思います。明日よろしくお願いします】
容赦なく豪腕の二振りが、こちらの小賢しい思惑を粉々に打ち砕いてくれた。
スマホ片手に、電車内で頭を抱える。
やっぱり、オンナは、性に合わねぇ!
なんでコッチの計算を軽々と越えてくるの? 俺が浅はかなだけなの? 見てもいないキモオタでも寝れるって根拠はなんなの? お前処女じゃないの? 処女ビッチなの? 喫茶店がダメで飲食不可って、どこで待ち合わせて会話すれば良いんじゃ!?
思考回路はショート寸前。今すぐ穴を掘って隠れたい。
え、エライもんに手を出してしまった。
ようやく実感が込み上がる。
15歳処女という、未体験ゾーンの片鱗に触れただけで、これだけのダメージを負うのだ。
じ、実際に会ったら、どうなってしまうんだ?
まだ肌寒い3月の空の下、コートの下が汗で滲む。
【あとサイバーポリス対策として下半身の露出写真を送ってもらっても良いですか?】
追い打ち、キター!
15サイ処女ハ、チンコ写真ヲ要求スル。
また要らぬ知識を増やしてしまった。
もう、こっちの寛容の残高はゼロよ。
「仕事中なので無理です。信用してもらえないのなら、これで取引終了しますね」
己の、男としての器量の限界を嘆きつつ、終わるなら終われ、と投げやりな気持ちで返信したら、瞬後、
【気を悪くされたならゴメンナサイ。女の子を騙そうとする大人が多くて疑心暗鬼になってしまって。19時に待ち合わせお願いします】
あれ? 意外と、良い子?
騙されるな。良い子はウリなんて絶対しません。
しかし、まぁ、
「知らんオッサンにチンコ撮らせてまで、会いたいものかね?」
もちろん、相手の希望はお金だ。
それ以外の何モノでもない。
自分だって、賃金のために心を殺して、業務に忠実に働いているではないか。
「けれど、それとも、違う気がする」
自分が15歳の時、一体何を考えていたか。
せいぜいが受験の事か、アニメや漫画の事くらいではなかったか? 小遣いをどう遣り繰りするか、気になるあの子に告白するならどうしたらいいか? 少なくとも、5万円を受け取るために知らないオジサンに逢う、などという選択肢は、欠片も存在しなかったどころか、そんな概念すら持っていなかった。
21世紀の15歳処女は、一体何を胸に抱えて、援助交際の世界に飛び込んでくるのか。
その謎を解明すべく、翌日、しがないアラフォーヲタリーマンは、南米ならぬ難波へと向かった。
人混みが絶え間なく蠢動している。
改札口前は、止まる者もない人肉の奔流と化して、無数の男女を吐き出し呑み込み目まぐるしく流れ続けている。
はてさて。
こちらの出で立ちは伝えた。相手の格好も聞いている。
けれど写真の交換はない。待ち合わせの場所も指定はしたが、なんと相手は携帯電話を所持していないと来た。
「騙された、かな?」
冷やかし。会う約束をして待ち合わせ場所に着いたのに、相手が現れない状況。
最初からその気がなかったのか、遠目で見て「好みじゃない」と踵を返すのか、状況は様々あるけれど、男女共に骨折り損のくたびれ儲け、交通費分だけ赤字、というドタキャン被害は、出会い系では付き物である。
現に「#'えん」を検索すると、3日に1度は「冷やかされた。誰か今すぐ◯◯で会える人いませんか?」と言った投稿が見つかるほどだ。
既に約束の時刻を5分過ぎていた。
30分早く着いてしまったのはこちらの悪手だが、土地勘のない場所で、予約場所までのルート確認やら何やらに時間がかかる、と余裕を持っての行動だった。
結局喫茶店は諦めて、さりとて2人きりで怪しい話が出来るスペースを脳内協議した結果、ビジネス向けの貸し会議室を抑えておいた。このままだと無駄骨になるかもしれないが、それでも大した痛手じゃない。
来るや、来ざるや。
緊張で指先がしびれてきた。キョロキョロと周りを見回してはスマホの画面で時間を確認する落ち着きのなさは、周囲から見れば不審者に相違ない。
おまけに、待ち合わせ相手は、15歳の少女である。
週末の繁華街で、夜の補導を受けても文句の言えない年齢だ。その場合はこちらも、青少年の健全な育成に悪影響を与えた、と事情聴取くらいはされるのではなかろうか?
このまま来てくれなければ良い。
せっかく用意した5万円は、有意義な方向で活かせばいいのだ。
うん、そうだ。その方がいい。30分までは待つけれど、そもそも携帯電話を持っていない相手と、こんな人混みで待ち合わせる方が間違っている。昭和じゃあるまいに、掲示板にxyzと書き込むネタも霞むってものだ。
「あの」
既に心は帰るモードにシフトしていた。なんなら今すぐ、回れ右して逃げ出したい。
「アキラさん、ですか?」
抑制の効いたか細い声が、背中から聞こえてきた。
「はい?」
思わず声が上擦った。振り向いた瞬間の間抜け面こそが第一印象。
「えと、蒼、さん?」
コクリ、と小さな顔を縦に振って、天使がそこに、立っていた。
え? なんだ? なんだこれなんだこれ? どうなってんだ? 話が違うじゃないか? 冴えない自称ガチブスの子が来るんじゃなかったのか? え? やだこれなに? ドッキリ? おとり捜査? カメラどこ?
全身黒づくめ、マスクと帽子と網タイツで、派手な金髪が私です。
それが蒼ちゃんの自己申告だった。
そのままの姿が目の前にある。
小さく、可憐な、美少女の容姿で。
「と、とりあえず、移動しよっか」
想定外の事態に戸惑いつつも、平常心を保たねば保たねば。こちらは大人だ。大人として接するのだ。予想を覆す美少女が現れたからと言って、いきなり理性をかなぐり捨てて計画をご破産にするわけにはいかない。
「え? どこか行くんですか?」
「5分くらい歩いたところ、予約しているから」
手をつな、ぐわけにも行かず、行き先を指し示して先導するのが精一杯。せいぜいが150センチだろうか。歩幅の小さい体躯でも、意外と足取りシッカリと、こちらの背後にピタリと付かず離れず、人波を縫って追ってくる。
【一番高く買ってくれる人に、処女、売ります】
その投稿と、背後2メートルにいる女の子とが、結びつかない。
マスクと帽子で顔を隠しているが、その卵型の色白の面なりは、アイドルだと言われても違和感がない。むしろ、アイドルのお忍びデートの装い、と言われた方が納得だ。
マスクの下が、口裂け女?
その可能性は否定できないとしても、ちゃんと食べているのか心配なほどの華奢な体格に、吸い付くような網タイツと、黒い革ジャケットとホットパンツが艶めかしい。シルバーアクセサリが駅の照明を反射してキラキラを撒き散らし、この非常識な情景から更に現実感を奪っていく。
想定外。
想定外もいいところだ。
氏ねだの、殺すだの、消えろだの、全方向に砲門を向けて、暴言の一斉射撃を繰り返していた指には、シンプルながら太めの指輪が煌めいていて、暴言も男のチンコも、とても似合わぬ『女の子』の指先は、マニキュアも知らぬ無垢な生爪。
醜形恐怖症。それは、外見を気にするあまりに通常の生活が送れず、遂には引きこもってしまうまでの症例だと言う。
それが、この子に?
もちろん、心の問題だ。蒼ちゃんですら外を出歩くのを躊躇うレベルならば、アラフォー三段腹の自分など、お天道様を望むどころか、地下深くを這いつくばることすら許されまい。
それより、こんな子が、オッサンに、身体を売ろうとしている?
援助交際というものは、フィクションの中でしか知らない。知らないけれども、見知らぬ年上の男性にお金をせがむ少女、というイメージは、やはり「遊んでいる」派手な女の子だという先入観が何処かにある。アルバイトなんてかったるいから、短時間でお金を稼ごう、そんな短絡的な思考を主とする相手だろうと、何処かで決めつけてかかっていた。
「まだ、着きませんか?」
「先に、コンビニで飲み物買っていってもいい?」
「じゃ、外で待ってます」
吹けば飛び、抱き寄せれば折れそうな、そんな儚い幻想が、そこに在る。本当は触れられないのではないのか? そう思ってしまうほどに、その姿は現実感に乏しい。蜃気楼か白昼夢か、はたまた具現化妄想と言われたほうが、よっぽどリアリティがあるってもんで。
え、エライもんに手を出してしまった。
改めて自分の行動の軽率さを省みる。これから、あの子と、二人きりで、ヤるヤらないの交渉をするのか?
否、実際には、「処女の権利を買う」というトリックを、そうと悟られずに相手に納得させられるのか?
カバンの中には5万円の入った封筒が用意してある。それを渡してしまったら何かが終わるんじゃないか、そんな悪寒と、何かが始まるんじゃないか、そんな期待がせめぎ合う。
いや、待て、落ち着け、騒ぐな、特に息子、ステイ! 勃つなよ、絶対勃つなよ?
一人、コンビニでコーヒーと適当にスナック菓子をカゴに詰める。飲食はしない、と言っていたけれど、目の前にあれば手くらい伸ばすかもしれない。いやもういっそ、店を出たら消えていてくれたほうが……ってそこに居るし。
ジッと、こちらを射抜く視線には、警戒心と不信感しか込められていない。
「おまたせ、じゃ、行こっか」
内心の動揺はありったけのオブラートに包んで飲み込んで、努めて軽いノリで、先を促し歩き始めた。
会議室に着くまで無言。
着いても無言で向かい合う。
「とりあえず」
と、自分と蒼ちゃんのDMのやり取りの画面を、相手に見せた。
「改めて初めまして。アキラと言います。本人確認、オーケー?」
「はじめ、まして。蒼です」
ペコリ、と頭を下げてくれた。
間違いない。目の前の美少女こそが、【処女、売ります】のご本人だ。
もう、ここまで来たら引き下がれない。
積もる話も、間をつなぐ小話も手持ちにはない。いきなり商談と行くしかなかろう。
「えと、条件の確認、しようか」
タブレットPCを2人の間に開いて、手書きペンで淡々と、予め申し合わせておいた条件を書き込んでいく。
月5万円の定期契約。4回渡して満額20万円に達したら、処女を貰う権利を得る。
月に1回、お金を渡す際に軽いデート。お触りはなし。プチと呼ばれる、下半身への奉仕もなし。
「これで、間違いない、かな?」
あえて、処女を貰う権利、と書いた魂胆を、追求されることはなかった。
「はい、良いと、思います」
よかったぁぁぁぁ、と内心胸を撫で下ろしつつ、表面上は淡々と、自分の名前を書き込んで、
「一応、契約書の代わりってことで」
小さな指に握られたペンが、タブレットの表面を、たどたどしくのたうって、即席の手書きの契約書に、お互いの偽名が刻まれた。
一応、形ばかりの契約だけれど、すでに欺瞞が二重にある。
一つは、未成年者との契約は、成立しない。
もう一つは、肉体関係の授受などという公序良俗に反する契約は、そもそも法律上、認められない。
こんな茶番でも、相手にそれと気づかれなければ、今はいい。
「えと、改めて聞くけれど、本当に俺なんかで、その、いいの?」
処女、というのは蒼ちゃんの自己申告である。15歳というのも、実際は確認していない。
それでも、目の前の女の子が、実は20歳で援助交際毎日やってまーす、というキャラには、到底見えない。
どころか、実の父親のチンコくらいしか、見たことないんじゃないかと、疑うほどである。
「はい、お願いします」
アッサリと、平坦な声で、応じられてしまった。
「はい、こちらこそ、お願いします」
そうと決まれば、やるしかない。
残り15万円。
渡し切る前に、この子から、援助交際を諦めさせる、何かを見つけなければならない。
それが駄目なら最終手段、この契約書を楯に、「権利の行使はこちらが決める」と言い張るのみで。
会話は弾むはずもなかった。そもそも、何を語ればいいというのか。
こちらはあくまで、少女を金で買おうという悪漢である。社会的に見れば唾棄すべき存在だ。
そもそも児童買春は犯罪である。たとえ犯罪でなかったとしても犯罪的行為である。双方の合意とか、そんな問題じゃぁない。
いや、無理でしょ。あれ。
あの子を裸にひん剥いて、全身舐め回して、痛がるのも構わずに欲棒をぶち込んで、スッキリして終わらせる?
そんな事が、アラフォー負け犬キモオタリーマンたる自分に、果たして可能かどうか?
考慮するまでもない。
己の中のありったけの獣性をかき集めても、とても適わぬ事である。
「さて、一体、どうしたものか……」
駅の改札口で別れ、雑踏にまぎれた残滓を目で追いながら、今更無い知恵を絞り出す。
次に逢うのは一月後。
桜の花が散る頃に、果たして答えは見つかるだろうか?
これは、ちょっと、軽はずみだったんじゃないの、マジで?
「今日は遅くまで、ありがとうございました。芸能人のお忍びデートみたいで、可愛かったですよ」
【お忍びデートですか笑 こちらこそありがとうございました。次にお会いするのを、楽しみにしています】
情報過多に、脳みそがクラクラしてきた。
けれどもう、一線は越えてしまったのだ。
その日の深夜、蒼ちゃんの咆哮が、全世界に放たれた。
【私は今日から風俗嬢。でも風俗のことは嫌わないでください】
おいおいおいおい、手の一つも繋がぬうちから、風俗嬢気取りですかよ?
こっちはそっちを、抱く気はないよ、と。
その真意は隠したままで。
その関係性をどう評すればいいのか、ちょっと形容しがたい契約は、脆くも確かに、大阪の夜に結ばれたのだ。
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