第39話 醒めない夢

39.

~深山康文と果歩の結婚生活  (36)



 「何? ないな。・・って

俺のすることに一々文句つけんな! 」



 「いつものお決まりのパターンなのね」



 ヤツは逆ギレしやがった。



 「文句って、まだ言ってません。

・・ってところを見ると自覚はあるのね。

 また若い子と浮気してたね。

 ちゃんとして!

 あなたは既婚者で私の夫で碧の父親でしょ?

 バイトの女にはヤメてもらいます。

 仕事もしないであなたの性処理が仕事だなんて

一体どういうことなの?


 そもそも今そんなことしている状況じゃないでしょうに。

 このままじゃ、早晩店はやっていけなくなるわね。


 一生懸命やってもなかなかお店の運営なんて

大変なことなのに、オーナー自ら仕事さぼって

何やってんだか」




 「働いてもないお前が店のことに口挟む権利は

ないよ、フフン」




「じゃぁお店を潰す前に、借金だけが残る前に

私の200万円、返してちょうだい。それとあの女に

慰謝料請求するわよ。前の女と違って日本に住んでる

人間だからどこまでも追いかけて回収してやる」



 「わかった、わかったってぇ。

 あいつだって婚約者いるんだし、俺とは遊びだよ。

 俺も果歩と離婚する気ないしな。ただの軽いストレス

発散の遊びなんだから、そう目くじらたてんなって」



 「婚約者ぁ~!

 あの子まだ10代くらいじゃないの?」



 「ああ見えて22才だよ。

 親戚筋の幼馴染がいて、そいつが婚約者らしい。

 結婚間近だし、結婚したらうちのバイトも止めて

その婚約者の実家の近くに家を構えるらしい。

 俺達後腐れのない関係ってわーけ! 」




 「信じらンないっ、あなたたち。

 婚約者や私のことを何だと思ってるの」





 「もうそろそろ別れ時だし、うんっ・・

別れるよ、別れるから。

 この話しはもう終わりにしようぜ。

腹減ったしぃ~ 飯にしよう」




 ギィ~ グヤジィ~っていうのが私の本音だった。

 

 私は何故まだこんな男と一緒にいるの?

 しがみついているの?

 こんな自分にも腹が立ってしようがなかった。。


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