第23話 醒めない夢

23.

~深山康文と果歩の結婚生活  ⑳


楽観視していいの?



 夫の話すその人物とは、義母方の遠いとおい親戚筋の

男性(ひと)で友人関係よりも薄い、その辺の知人位の

立ち位置のような人だ。



 そこそこの会社に勤めてたようで、辞めた理由は

リストラとかそんな理由ではなくて、体力的なものが

原因で辞めたらしい。



 聞くところによると17~18年勤めた後の退職だから

年は40才前後かな。

 仕事のほうはバリバリこなしてて、周りからも

管理職目前と評価される中での退職で、所謂仕事の出来る

人(ヤツ)だったみたい。



 話を聞かされた当時は夫自身大手総合商社の内定も

貰っていてふふんっ(それってどこの話? オラ関係ねぇ)て

感じで聞き流してたらしいけれど、今回の会社での不満が

大きくなった時にその大沢さんって人の話がふと蘇ってきて

オーナーという道があるじゃないか!って強く気持ちを

持っていかれたようだ。




 滅多に会わない相手なのにたまたま夫が大学4回生の折に

祖父が無くなり、葬式で再会して・・

その時、その大沢さんって人がコンビニオーナーへと

転職して3年目くらいだったみたいで、成功してウハウハな話を

聞かされてたって。



 コンビニオーナーになって一杯稼いで、あんなブラック企業の

クズ上司を見返してやりたいんだって。


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