告白は♡始まり!?

キラ

第1話 一目惚れ

初恋は実らない。こういう言葉を聞いたことがある。でも、『そんなことはない。』何となくだけど、そう信じてる。私にとっては、とても大事な初恋なんだ。一生に1回きりの。


 私、森川明日香はごく普通の平凡な中学2年生。身の程知らずだとは自覚しているが、

あの桐生啓太に片思いしている。私とは何もかもが別次元の人だ。


私が桐生さんを好きになったのは入学式の時のことだった。今から1年半も前に遡る。

私は、とっても緊張していたけれど、

これから会える友達との出会いを楽しみに、ドキドキワクワクしながらその日を迎えた。沈黙の中、開会式が始まり、あっという間に次は新入生代表の挨拶になった。

今になっても、まだあの日のことは忘れない。絶対に。

新入生代表で挨拶した桐生啓太。その人を初めて見た時、いままでにない感情に襲われた。心が締め付けられる。あぁ。好きってこういう事なんだ。うるさい心臓の音が周りに聞こえてないか確かめたくらい心臓がバクバク音をたてていた。


一目惚れだった。


あの白い肌。華奢な腕。サラサラな茶色い髪。もうドストライクに私の好みだ。

しかし、2年生になった今も、同じクラスになることはなく、一言も話せないまま月日は経っていった。

まぁ、それもそうだ。相手は、容姿端麗、スポーツ万能、おまけに成績は学園でトップ!中学2年生にして生徒会長という、完璧な人なのだ。完璧な人などいないとよく言うが、私はこの人こそ完璧な人だと思う。そんな、みんなの憧れな人なのだから、勇気が出なくて、話しかけられない...そんな人は多いだろう。私もその1人だ。


そんな日々が続いていたある日、衝撃的な出来事がおきた。幼馴染みで大の仲良しの奏多が家に遊びに来ていた時だ。しかし奏多は遊びに来たという割にずっと誰かと楽しそうに電話している。あまりにも楽しそうなので、私は奏多に彼女でも出来たのだろうと思った。まぁ、奏多は普通にモテるし、彼女がいてもおかしくない。私だって、幼馴染みというだけで、女子から、恨みをかわれたこともあるくらいだ。色々考えていると、奏多が誰と電話しているのか気になって仕方がなくなってきた。会話を聞くので、罪悪感はあるが、奏多にそぉーっと近づき、耳をすませた。女の人じゃない。

でもどこかで聞いたことがある声だ。

考えていた。出てきた答えは、あの入学式の時の新入生代表の挨拶をしていた人の声にとても似ている。そう思ったが、あのみんなの憧れの桐生さんがこの奏多と仲がいいはずがない。なぜなら、桐生さんは、同性からも憧れられて、話しかけられる人はほとんどいない。もう芸能人並だ。自分を普通の一般人と考えると、桐生さんと電話するのは、自分の憧れの芸能人と電話するよりも難しいと考えてもいいかもしれない。まぁ、とにかく凄いことなのだ。

私が色々考えている内に電話はもう終了したらしい。

まぁ、無いと思うが電話も終わったし、念のため聞いてみる事にした。

「電話の相手って桐生啓太さん?」

すると、奏多はなんで分かったの?というように少し驚きながら、こくんと頷いた。

私は、ビックリしすぎて、大声を出してしまった。

『えぇぇぇぇぇぇー!?』

奏多はドングリのように見開いた目で、こっちを見た。相当私の声にビックリしたようだ。


私はほっぺたをつねってみた。

夢じゃない...

恐る恐る口を開け、奏多に「私の学園の生徒会長だよ?」と聞いた。

奏多は確かに「うん」と答えた。




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